Date: 8月 23rd, 2016
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prototype(L400とDitton 99)

L400とはJBLのコンシューマー用スピーカーの型番。
Ditoon 99は型番からわかるようにセレッションのスピーカーのことである。

L400? Ditton 99?
そんなスピーカー、あったっけ? となるのが当然である。
どちらもプロトタイプ留りで、市販されることはなかった。

L400については、ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界」’77年で、
岩崎先生が、その存在について語られている。
型番からわかるように、4343をベースにしたコンシューマー板である。
つまり4ウェイのシステムである。

L400については、当時の輸入元だった山水電気の西川さんに訊いたことがある。
プロトタイプは確かにできあがっていた、とのことである。

Ditton 99については「コンポーネントステレオの世界」’78年の巻末、
「新西洋音響事情」でセレッションの社長アルドリッジが語っている。

1978年春に登場予定だったDitton 99は、
38cm口径ウーファーに、20cm口径ミッドバス、上二つのユニットはドーム型が受け持つ、
これも4ウェイのシステムである。

アルドリッジは「我々もこのモデルには大きな期待を寄せています」と語っていた。

Ditton 66は30cm口径のウーファーに同口径のABR(パッシヴラジエーター)付きの3ウェイだった。
Ditton 99はウーファーがひとまわり大きくなる。
ABRは使われないのか、それとも付きなのか。
ABR付きだとしたら、Ditton 66よりも背の高いプロポーションになる。

けれど1978年春になっても出なかった。
代りに出たのはDitton 66の改良版といえるDitton 662だった。

ただDitton 662も、Ditton 66の改良版だったのか、と疑問に思うところもある。
セレッションはDitoon 662のあとに、SL6を1982年に出す。
SL6が話題になり、その陰にかくれるように1983年にひっそりと、
Ditoon 66 SeriesIIが登場しているからだ。Ditton 662 SeriesIIではなく、66に戻っている。

売れないと判断があって、L400もDitton 99も登場しなかったのだろう。
そうだとしたら、なぜ売れないと判断したのだろうか。
もしくは他に理由があったのだろうか。

私はどちらも聴いてみたかった。
特にDitton 99は、聴きたかった。
Ditton 66のことを考えていたら、Ditton99のことを思い出してしまった。

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