JBL 2405の力量(その4)
2405の位置調整に使ったCDは、
ピエール=ローラン・エマールの“African Rhythms”で、
このディスクの二曲目、スティーヴ・ライヒの“Clapping Music”を鳴らした。
手拍子のみ、プリミティヴな曲である。
マーラーを鳴らすための、
いいかえればオーケストラを鳴らすためのスピーカーのトゥイーターの位置を、
正反対といえる手拍子だけの曲で決めた。
2405の位置を横にスライドしていくと、手拍子の音がよく変る。
こんなにも変るの……、と少し驚くほどに、手拍子の音、
つまりは叩いている手の状態が変化していく。
ペシャとした手拍子になる。
なるほど手拍子とは、こういう気持ちのいい鳴りをするものかと思えるふうにも変化する。
2405の位置調整には、どのディスクを使うのかは考えていなかった。
開始時間の19時までのあいだ、スピーカーの鳴りを少しでもよくしたいと思って、
あれこれ鳴らしていた(マーラー以外の曲ばかり)。
その過程で、この曲ならばよくわかるのでは、と思ったのが“Clapping Music”だったわけだ。