Date: 8月 4th, 2016
Cate: マーラー
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マーラーの第九(Heart of Darkness・その1)

8月3日のaudio sharing例会の最後に鳴らしたマーラーの第九は、
私が初めて聴いたマーラーの第九であるカルロ・マリア・ジュリーニ指揮のものだ。

マーラーの第九が長い曲なのは知っていた。
LPは二枚組だった。
ジャケット裏の解説の演奏時間を見ても、長いのは誰にでもわかる。

マーラーの第九は、ながい。
物理的な時間の長さではなく、ながい作品である。

マーラーの他の交響曲で感じられることだが、
ふつうの作曲家ではここで終るだろう、と思える旋律のあとに、
また(というかまだ)続いていく。
マーラーの第九では、特にそれを顕著に感じる。

ジュリーニの演奏で初めてマーラーの第九を聴いたときにも、そう感じた。
ここで終りではないのか……、まだ続くのか。

その続いた旋律も終りの兆しをみせたかと思うと、
またまた続いていく。どこまで続くのだろうか……、と思いながら聴いていた。

特に第四楽章のアダージョでは、何度そう思ったことだろう。
もしジュリーニの演奏でなかったら、途中で針を上げていたかもしれないくらいに続いていく。
マーラーの最後の音楽が、ひたひたと迫ってくる。

ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団による第九は、まさしく大きな音楽が聴き手にひたひたと迫ってくる。
逃れられないのは、わかっている。
聴き続けるしかない。そういう凄い演奏であり、音楽であると思うとともに、
だからながいのかとも思ってしまう。

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