Date: 9月 17th, 2010
Cate: High Fidelity
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ハイ・フィデリティ再考(その26)

オーディオを構成・成立させる技術(要素)は、大きく3つある。
変換(conversion, transformation)、変調(modulation)、濾過・濾波(filtration)だ。

アンプの機能の「増幅」は、入力信号そのものを増幅(大きく)しているわけではなく、
入力信号に応じてDC電源を変調させて、その結果を出力としている。
アンプの源であるDC電源も、大半のアンプはACを濾過(濾波)してDCに変換している。

マイクロフォンは振動を電気信号に、スピーカーはその反対に電気信号を振動に変換しているし、
録音ヘッドは電気信号を磁気に、再生ヘッドは磁気を電気信号に。
カートリッジはレコードの溝による振動を電気信号にかえ、
フォノイコライザーはRIAAカーヴというフィルターにそってイコライジングする。

トランスもそうだ。電源トランスも信号用トランスも、その名(Transformer)の通り、変換器である。

もっとこまかにアンプやスピーカー、CDプレーヤーの内部を見ていけば、
変換、変調、濾過(濾波)がそこかしこにあり、
それらが組み合わされてそれぞれのオーディオ機器が構成されていることがわかる。

この変換、変調、濾過は、演奏行為、録音行為にそのままあてはまると私は思う。

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