EMT 930stのこと(購入を決めたきっかけ・その2)
トーレンスのPrestigeをいまも愛用されている方は、
これから先はお読みならないほうがいいかもしれない。
Prestigeの姿を、登場の噂をきいた日から想像していた。
Referenceは三本アーム仕様だが、おそらく二本アーム仕様だろう。
これは当っていた。
そしてうれしいことに、Referenceでは標準装備のトーンアームベースではロングアーム装着できなかったが、
Prestigeではロングアームの使用も最初から考慮されていた。
ターンテーブルの駆動方式がベルトドライヴなのは変更はないのは当然として、
Referenceがターンテーブルプラッターの外周にベルトをかける仕様から、
トーレンスの伝統ともいえるインナーターンテーブルとアウターターンテーブルのふたつにわけ、
インターの方にベルトをかけるタイプになっていたのは、
Referenceが実験機として開発されたことも併せて考えれば予想できたことだが、意外な感じを受けた。
サスペンション構造はReferenceのそれをそのまま踏襲するものと思っていた。
これも変更がなされていた。
とにかく、ずいぶん予想とは違うプレーヤーが、目の前に登場した。
とはいえ、肝心なのは、その音、パフォーマンスである。
Referenceを超えることはないと、その姿を見て思っていたけれど、
どこまでReferenceのパフォーマンスに肉迫しているのか、それを見定めたかったし、期待もしていた。
見た目の通りの音がしてきた。
それはいい意味でもそうでない意味でも、である。
Referenceの存在を知らなければ、Prestigeは悪いプレーヤーではない。
けれど、Referenceを知っていたし、Referenceの音には瀬川先生に関する想い出も関係しているから、
よけいにPrestigeは、がっかりしてしまった。