「オーディオABC」と「カタログに強くなろう」(余談・エルカセットのこと)
この項を書き始めたとほぼ同時に、「カタログに強くなろう」の入力作業にかかった。
昨日、入力作業は終った。
こうゆう記述があった。
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実は、僕の手元にフィリップスのカセット出現直前の三号リールのついたテープ・レコーダーがあるが、それは、テープ走行メカと、ヘッド・ハウジングの点に関しては、カセットとまったく同じ構造だご。
そのことから判断しても、カセットというのは、一朝一夕の所産物ではなくて、フィリップスが、テープ・レコーダーを作りはじめてから、二〇年以上の長いキャリア集積ととして創り上げたわけだ。
だから、フィリップスにすれば、カセット・ハーフをほんのわずかの変更も、改良(?)することも、みとめない、というはっきりした姿勢をもっている。
それも、このテープ自体のカセット・デッキとの絶妙なるバランスをくずしたくないからだろう。
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このくだりを読んで、エルカセットのことが浮んだ。
エルカセットは早くに失敗した。
なぜだったのか。
私は少なからぬ関心はあった。
でも音を聴く前に、事実上なくなっていた。
結局、エルカセットはオープンリールをカセットテープに仕立てたものである。
テクニクスは、RS7500Uの広告でこう謳っていた。
《オープンリールをカセットに入れた。》
岩崎先生の文章を読めば、すでにフィリップスが「オープンリールをカセットに入れ」ていたことがわかる。
既に二番煎じだったのだ。