Date: 9月 25th, 2013
Cate: 岩崎千明, 瀬川冬樹
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「オーディオABC」と「カタログに強くなろう」(余談・エルカセットのこと)

この項を書き始めたとほぼ同時に、「カタログに強くなろう」の入力作業にかかった。
昨日、入力作業は終った。

こうゆう記述があった。
     *
 実は、僕の手元にフィリップスのカセット出現直前の三号リールのついたテープ・レコーダーがあるが、それは、テープ走行メカと、ヘッド・ハウジングの点に関しては、カセットとまったく同じ構造だご。
 そのことから判断しても、カセットというのは、一朝一夕の所産物ではなくて、フィリップスが、テープ・レコーダーを作りはじめてから、二〇年以上の長いキャリア集積ととして創り上げたわけだ。
 だから、フィリップスにすれば、カセット・ハーフをほんのわずかの変更も、改良(?)することも、みとめない、というはっきりした姿勢をもっている。
 それも、このテープ自体のカセット・デッキとの絶妙なるバランスをくずしたくないからだろう。
     *
このくだりを読んで、エルカセットのことが浮んだ。
エルカセットは早くに失敗した。

なぜだったのか。
私は少なからぬ関心はあった。
でも音を聴く前に、事実上なくなっていた。

結局、エルカセットはオープンリールをカセットテープに仕立てたものである。

テクニクスは、RS7500Uの広告でこう謳っていた。
《オープンリールをカセットに入れた。》

岩崎先生の文章を読めば、すでにフィリップスが「オープンリールをカセットに入れ」ていたことがわかる。
既に二番煎じだったのだ。

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