妄想組合せの楽しみ(その49・続番外)
最近、フォステクスのスピーカーシステムがよくなった、ということう耳にしたり目にしたすることが増えてきた。
数年前から、フォステクスは良くなってきた、という話を聞くようになっていた。
2005年のステレオサウンドの二冊、155号と156号で、ひさしぶりにスピーカーシステムの測定が行われている。
測定器があればアンプの測定はステレオサウンド車内でも行えるが、
スピーカーシステムの測定となると、無響室が最低でも必要になり、
測定には国内メーカーの協力が不可欠である。
155号と156号での測定はフォステクスで行われている。
記事には周波数特性、インピーダンス特性、歪率、指向特性といった基本的なデータのみが掲載されていた。
けれと実際にはそれ以外の項目についても測定を行った、とある。
そうだろうと思う。
これだけの国内外のスピーカーシステムを一度に同条件で測定できることは、
フォステクスにとって、決して小さくはない財産となったであろう、と私は思っている。
このときから、フォステクスのスピーカーシステムは良くなってくるんじゃないか──、
そういう予測は、私だけでなく少なからぬ人がしていたのではないだろうか。
この測定だけがきっかけというわけではないはず。
それでも、その後のフォステクスのスピーカーシステムをみていくと、
この測定がフォステクスにもたらしたものは大きいか小さいかよりも、多岐にわたっているのではないのか。
音楽を聴くのを億劫がっているときに、フォステクスのスピーカーシステムは向いているんじゃないか、
とステレオサウンドをぱらぱらとめくっていて、そう思えた。
ステレオサウンド 185号の特集・ベストバイの記事で、
フォステクスのGX250MGについて、黛さんが
「誰にでも好かれるフレンドリーな音で心を和ませてくれる」と書かれている。
そういえば、このスピーカーシステム、ステレオサウンドグランプリでも選ばれている。
そこにはこうある。
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小野寺 メーカーの方に、「仕事に疲れて家に帰ってきて、ふっと音楽を聴くのにいいスピーカーですね」といったら、「それが狙いです」とおっしゃいましたし。
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フォステクス GX250MGの音を、まだ聴いていない。
けれど、黛さんの書かれた者と小野寺氏の発言からすれば、
億劫がっているときに、音楽を聴き始めるのに好適なスピーカーシステムのように思えてくる。
実際のところ、どうなんだろうか。