Date: 2月 3rd, 2010
Cate: 使いこなし
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使いこなしのこと(その26)

B氏の調整による「音」を私は聴いていないから、確実なことはいえないにしても、
その音を聴いた人の話では、音楽がかなり歪な感じで鳴っていた、ということは伝わってきた。

瀬川先生が書かれている。
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スピーカーから出る「音」は、多くの場合「音楽」だ。その音楽の鳴り方の変化を聴き分ける、ということは、屁理屈を言うようだが「音」そのものの鳴り方の聴き分けではなくその音で構成されている「音楽」の鳴り方がどう変化したか、を聴き分けることだ。
(「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ──あなたはマルチアンプに向くか向かないか──」より)
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C氏によると、B氏はチューニングのテクニックを、
そのへんのオーディオ評論家よりも持っている、ということだが、
そのテクニックは、ほんとうに「音楽」の鳴り方を調整していくためのものなのだろうか。
B氏は、「音楽」の鳴り方の変化を聴き分けていたのだろうか、
それとも「音」の変化を聴き分けていただけだろうか。

さらに瀬川先生は、「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ」でこうも書かれている。
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音楽ジャンルを問わず、音楽の心を掴んで調整し込まれた再生装置なら、必ずその音は万人を説得できるほどの普遍性を帯びるに至る。
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B氏は、音楽の心を掴んで調整されていたのか。そしてC氏の耳は、何を聴いていたのか、と問いたくなる。

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