Date: 12月 5th, 2009
Cate: 録音
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ショルティの「指環」(その8)

短期間、というよりも保存期間の長さからすると短時間といったほうがいいだろうが、
とにかくアナログ録音のマスターテープの音の劣化は、録音経験のない人には、信じられないほど速い。
そして急激に劣化してから先は、きちんと保管されていれば、かなりゆるやかともいえる。

初期LP、オリジナル盤で商売している人たちは、なぜ、このことについてふれないのだろうか。

それとも、彼らは、初期LPのプレスのために必要なラッカー盤のカッティングは、
録音されて1か月以内に行われていると思っているのだろうか。
レコードの制作過程は、録音が終ればすぐにカッティングに移れるわけではない。
そのことは、LPの発売時期と録音日時をみてみれば、すぐにわかることだ。
以前のレコードでは、録音は前年ということもざらにある。

すくなくともマスターテープの劣化は、ゆるやかな状態の安定期にはいっているといっていいだろう。
ほとんどのレコードのカッティングは、そういう時期に行われているはずだ。
マスターテープの鮮度のいい時期は、過ぎ去っているということでもある。

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