シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(次なるステップは・その5)
フルレンジ型ユニットからスタートして、次のステップとして、
トゥイーターを選択するのか、ウーファーを選択するのか。
既製品のスピーカーにしか関心のない人にとってはどうでもいいことだろう。
けれど10代のころ、JBLの4343が憧れのスピーカーだったし、
4343は4ウェイのスピーカーシステムだった。
そして同じころ、ステレオサウンドからマルチアンプの別冊が登場した。
巻頭は瀬川先生が担当されていた。
そこにフルレンジからスタートして、
最終的に4ウェイにまでステップアップしていく内容があった。
いつかは4343と……、そう思い続けていた私にとって、
フルレンジから4ウェイまでの過程は、いくつかの意味でひじょうに興味深いものだった。
瀬川先生のプランは、フルレンジからスタートし、次のステップとしてはトゥイーターの追加だった。
いまでこそ、こういうことを書いているが、当時はフルレンジ、
次はトゥイーターをつけての2ウェイ、それからウーファーを足して3ウェイ、
最後にミッドハイで、最終的に4ウェイを目指す──、だった。
経済的なことを考慮すると、
フルレンジからの次のステップはトゥイーターが、助かる。
フルレンジ一発のスタートは、ユニットの価格にしても、
エンクロージュアの大きさ、自作の大変さも、
ウーファーよりもずっと負担は少ない。
トゥイーターに関しては、エンクロージュアのことは当面考えずにすむ。
ウーファーはそうはいかない。
本格的な低音を目指して、となると、ユニット、エンクロージュアにかかる予算は、
学生にはかなりの負担ともいえる。
その意味ではトゥイーターというのは理解できる。
それでも、ここまでオーディオをやってくると、考えも変ってくる。