真空管アンプの存在(その54)
バーンスタインが、ドイツ・グラモフォンにてマーラーの全集の再録音にとりかかったことは知っていた。
けれども、CBS時代の、ニューヨーク・フィルとのマーラーをいくつか聴いてみても、
すでに私がマーラーを積極的に聴きはじめたときには、もっと新しい録音で、
他の指揮者による演奏がいくつも出始めていただけに、格段魅力的な演奏とは感じなかったこともあって、
新録音には、ほとんど関心がなかった。
それでも第4番と5番が出たときには、もうインバルの演奏は聴きたくない、という反動から、
試しに買ってみるか、という軽い気持で手にした。
ちょうど午後から長島先生の試聴がはいっている日の、昼休みの時間のことである。
会社に戻り、すぐに試聴室に行く。
すでに、試聴準備は午前中にすませていたし、電源も入れっぱなしでウォームアップもしている。
CDさえセットすれば、すぐに聴ける状態になっている。