Date: 5月 3rd, 2009
Cate: 五味康祐
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五味康祐氏のこと(その8・補足)

五味先生がお使いだったヤマハ製のラックは、BLC103シリーズで、
イタリアのデザイナー、マリオ・ベリーニによるもの。

BLC103は、縦型タイプ(下段がレコード収納用、その上にアンプ、チューナー類を収められるように3段)、
スクエア型タイプ(下段はレコード収納用で、その上に小物入れの引出しが2段)、
このふたつを連結する天板をデスクタイプと分類し、かなり自由に組み合わせることが可能だった。

ヤマハでは、単なるラックとは呼ばず、コンポーネントファニチャーと名付けていた。

モダンなラックだと、中学生の頃、思っていたし、
そのころは五味先生が使われていたことは知らなかったけど、BLC103が欲しかった、使いたかった。

でも基本セットで、8万円ほどしていたラックは、学生には高すぎた。
そんなこともあって、ステレオサウンド 55号の五味先生の追悼記事中の写真に、
このラックを見つけたときは、なんとなく嬉しかった。

練馬区役所で、五味先生のマッキントッシュやEMTが収められているラックは、
盗難防止のため扉と鍵が必要なのは理解できるけど、なんと武骨なだけなんだろうか。

余談だが、1970年代のヤマハは、
このラックとカセットデッキのTC800GL、ヘッドフォンのHPシリーズは、マリオ・ベリーニに、
アンプやチューナーなどは、日本のGKデザインに依頼していた。

瀬川先生は、GKデザインのヤマハの製品についてひと言、
「B&Oコンプレックス」と言われていたのを思い出す。

TC800GLは1975年、コントロールアンプのC2は翌76年に、
イタリア・ミラノHiFiショーで、トップフォルム賞を受賞している。

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