ワイドレンジ考(その68)
アルテックの604ユニットを中心に、スピーカーユニットを追加したシステムは6041の他に、
UREIの813が先に出ていた。
813にはトゥイーターの追加はなく3ウェイ構成。
813はその後、813Aになり、JBLに吸収されてからは813Bへとモデルチェンジしている。
813BではJBLの傘下ということもあってアルテックの604ではなく、
JBLのコンプレッションドライバー2425HとPAS社のウーファーを組み合わせた、
新たに開発された同軸型ユニットを採用している。
813Bは、さらにコンシューマー用スピーカーシステムとして813Bxというバリエーションももつ。
813Bxではエンクロージュアのプロポーションが縦にのび、
それにともない従来までの同軸型ユニットが下側、その上にサブウーファーというユニットを配置を、
通常のスピーカーシステムと同じ、下側にサブウーファー、その上に同軸型ユニットというふうに変更。
さらにサブウーファーも813Bではエミネンス社製のストレートコーン15インチ口径のものから、
JBLのコルゲーション入りの2234Hに変っている。
最初の813が日本にはいってきたのは1977年から78年にかけてのこと。813Bxが出たのは85年。
スピーカーユニットすべて変更されたというものの、設計コンセプトはほぼそのまま継承されている。
この813Bxがアルテックの6041よりも完成度が高い、といえば、低くはない、とはいえても、
高い、とはなかなかいえないところも感じる。
私としては813Bのほうはまとまりもよく、システムとしての完成度も高いと感じていたけれど、
813Bxには、期待していただけに、すこしがっかりしたところもあった。
この813Bxと同じ構成をとるシステムを、タンノイがほぼ1年後に出している。
FSM(Fine Studio Monitor)だ。