LNP2について(その6)
1970年代の後半、4連ボリュームが、国産アンプのいくつかに採用されたことがあった。
通常は2連ボリュームで、ラインアンプの前に置かれるが、
4連ボリュームだと、ラインアンプの前後両方にくる。
20dBの減衰量がほしいとき、2連ボリュームだと、ラインアンプに入る信号を、その分減衰させる。
4連ボリュームだと、ラインアンプの入力で10dB、出力で10dBの減衰量となる。
ラインアンプに入力させる信号レベルが10dB高くなり、その分SN比が向上する。
SN比はいうまでもなく、信号(Signal)と雑音(Noise)の比率だけに、
アンプの雑音が同じなら、信号レベルを高くすればSN比は向上する。
LNP2のインプットレベルコントロールとアウトプットレベルコントロールは、
連動こそしていないが、4連ボリューム的なところもある。
それぞれの減衰量をうまく調整することで、SN比は多少悪くもなるし、良くもなる。
SN比ということだけでみれば、パワーアンプの直前で減衰させるのがいいことになる。
LNP2のインプットアウトプット、ふたつのレベルコントロールを設けた理由のひとつは、
SN比の向上のためだったのだろう。
ならば、なぜLタイプになり、インプットアンプのゲインを40dBにまであげたのだろうか。