「タイアップ記事なんて、なくなればいい」という記事(その12)
別項「オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その3)」で書いたことをもう一度くり返す。
十数年前にインターナショナルオーディオショウの会場で聞いたことだ。
人を待っていたので、国際フォーラムのB1Fにある喫茶店にいた。
近くのテーブルから、はっきりと聞き取れる声で、
ショウに出展していたオーディオ関係者の会話が聞こえてきた。
誰なのかは、どこのブースの人なのかは書かない。
この二人は、インターネットはクズだね、ということを話していた。
オーディオ雑誌には志があるけれど、インターネットのオーディオ関係のサイトには志がない、
そんな趣旨の会話だった。
ここでのインターネットのオーディオ関係のサイトとは、
個人サイトのことを指している。
オーディオ雑誌社のウェブサイトは、少なかった時代であり、
ステレオサウンドも、まだウェブサイトを持っていなかった時代である。
確かにインターネットの世界には、クズだとしか思えない部分がある。
このことはいまも昔も変っていない、といえる。
だからといってインターネット全体を十把一絡げに捉えてしまうのには、異を唱えたくなる。
それにオーディオ雑誌に志があった、という過去形の表現ならまだ同意できるけど、
志がある、にも異を唱えたくなる。
過去に戻れるのならば、いまのオーディオ雑誌のウェブサイトを見てご覧なさい、と、
この時の二人にいいたくなる。
デノンのタイアップ記事が、オーディオ雑誌だけでなく、
ウェブサイトにおいて垂れ流し状態になっているのを、
この時の二人は、なんというだろうか。
オーディオ雑誌には志がある、と、まだいうのだろうか。