原音に……(コメントを読んで・その2)
たとえばマークレビンソンのLNP2。
このコントロールアンプに惚れ込んでいる、という人はいまでも多くいることだろう。
私も惚れ込んでいる一人である。
けれど、私の惚れ込み方は、少しいびつともいえるし、ひねくれた惚れ込み方でもあろう。
メリディアンのULTRA DACへの惚れ込み方とは、微妙に違うといわざるをえない面を、
私自身がいちばん感じている。
そういうLNP2だから、
1970年代後半、10代前半だった私ではなく、
50をすぎた私だったら、惚れ込むことはなかったかもしれない。
あの時代、LNP2は優秀なコントロールアンプであった。
そのことは素直に認めただろうし、惚れたであろう。
でも惚れ込むまでいくとは、50すぎの私は思えないのだ。
あの時代に、10代の若造だったからこそのLNP2との出あいであり、
そこには瀬川先生という存在もあってのことだ。
別項で書いているように、一時期LNP2への関心はすっかり薄れてしまった。
なのにふたたび盛り返してきた。
LNP2が現行製品だったころに聴く機会がなく、
近ごろになって聴いた、という人もいるであろう。
それでLNP2に惚れた(惚れ込んだ)という人もきっといるだろう。
そういう人の惚れ込み方と私の惚れ込み方は、違う。
かなり違うといってよい。
そのころのマークレビンソンのML2に関しては、
LNP2よりもずっと素直に惚れ込んでいる。