Date: 5月 27th, 2014
Cate: きく
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音を聴くということ(試聴のこと・その5)

オーディオマニアたるもの少しでもいい音が出せる可能性があるのなら、あれこれ試してみる。
例えばJBLの4343。
4ウェイ・4スピーカーの4343はウーファーミッドバス、ミッドハイの三つのユニットはインライン配置。
ならば9.5kHz以上を受け持つ2405をフロントバッフルから取り外して、エンクロージュアの天板にのせれば、
四つのユニットすべてインライン配置にできる。

実際にやってみたとする。
音はずいぶんと変る。
それを実行した人にとって、それがいい結果だったと仮定する。
すると、その人は、やっぱりすべてのユニットをインライン配置にしたほうがいい、というかもしれない。
そういいたくなる気持はわかる。
わかるけれど、2405をインライン配置にしたことで、変った要素は、ユニット配置だけではない。

まず2405をフロントバッフルから取り外す。
この時点でフロントバッフルへの荷重が変化する。
それにフロントバッフルの振動モードも変化する。

2405を取り外したところにはメクラ板をとりつける必要がある。
するとメクラ板がミッドハイの両側に位置することになり、この影響も無視できない。
メクラ板はフロントバッフルから伝わってくる振動に対しても、
エンクロージュア内部の音圧によっても共振しているからだ。

2405を天板の上にのせる。
ただこれだけでも音は変化する。
試しに2405を本来の位置に取り付けたままで、
2405と同じくらいの大きさで同じくらいの重量をもつモノを4343の天板の上に置いて聴いてみるといい。

きちんと調整された4343ならば、この変化量に驚く。
天板のどこに置くかでも変化する。

2405を天板に置くことで天板の振動モードは変化する。
天板だけが変化するのではない。
エンクロージュアの側板、前後のバッフル、底板はすべてつながっているわけだから、
天板の振動モードの変化は、他の部分の振動モードの変化へとつながる。

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