Date: 12月 4th, 2009
Cate: 電源
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電源に関する疑問(その15)

ずっと以前、伊藤先生がつくられた、ウェスターンの349Aを使ったプッシュプルアンプを聴く機会があった。
無線と実験に発表された、そのものだ。

出力は8W。増幅部の回路構成は、ウェストレックスのA10と同じ。
電源部はチョークは使っていないが、直列に1kΩの抵抗が入っている点は同じだ。

このアンプの音は、静かだった。音が鳴り止むときに、このアンプの特長が発揮される。
がさついたり、よけいな付帯音がつきまとうことなく、すーっと消えていく。
その消え際の美しさに、はっとする。
こういう音の消えかたのするアンプは、それまで聴いたことがなかった。

それに低音の透明度の高さも、印象に残っている。

スピーカーは、JBLの2220Bに、2440+2397の組合せ。
マッキントッシュのMC2300で鳴らしたときの音は、なんども聴いていたから、驚きが増した。

MC2300は300W+300Wの出力をもつ。349Aプッシュプルアンプのほぼ40倍。
349Aのアンプは、持とうとすれば、2台まとめて片手でもてる。
MC2300は両手で持ち上げるのもたいへんな大きさと重量なのに、
どちらが、この高能率のJBLのスピーカーを巧みにドライブしたかというと、わずか8Wのアンプの方だった。

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