電源に関する疑問(その13)
パフォーマンスで、パワーアンプではめったにやらない別電源という形態を採用しながらも、
アンコール・パワーでは同一筐体内に、電源部とアンプ部をおさめている。
なぜなのかを考えていくと、アンコール・パワーはチョークは採用していても、
コンデンサー・インプット方式なのかもしれないし、
チョーク・インプット方式でも、前に述べたように臨界電流をこえるまでは、
つまりある出力以下ではチョーク・インプットとして動作しないため、
チョークが発生する振動も小出力においては少ない、つまり影響も少ないものと思われる。
だからあえて一体化という手法をとり、
電源部を含めたアンプ全体のサイズのコンパクト化を目指したのかもしれない。
マークレビンソン、チェロのパワーアンプのなかで、アンコール・パワーは、
入力から出力までの配線の長さが、もっとも短いアンプであろう。
電源部まで含めて眺めても、もっともコンパクトなパワーアンプである。
アンコール・パワーはB級動作、チョーク・インプット方式の電源の組合せという、
頭の中でだけアンプを設計する者には考えつかない、ある意味、大胆さがある。