Date: 9月 1st, 2017
Cate: High Resolution
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Hi-Resについて(その10)

ステレオサウンド 50号の巻頭座談会で、
ステレオサウンドが36号でスピーカーシステムのリアル・インピーダンス測定を始めたことが、
やや自画自賛的に語られている。
     *
 長島達夫さんが、リアル・インピーダンスを計測するようになったのは、何号からでしたかね。
長島 第36号からです。
 これは日本では、それまでいわれていなかったことですね。メーカーでさえいっていなかったんですよ。
山中 「ステレオサウンド」のテクニカルなテストというのは、つねにメーカーをリードしていたといっても、ぼくはそれほどいいすぎではないと思う。さまざまなジャンルで、それまでまったくやっていなテストを試みて、メーカーや読者を驚かせてきたわけでしょう。しかも、ふつうのテクニカル・リポート的なことは、いっさいやらない。そんなものは興味がない、といったような顔をしてほ(笑い)。この面の「ステレオサウンド」の貢献はずいぶん大きいと思う。
井上 たとえばそのころには、インピーダンスカーブがどこかで落ちこんでいるスピーカーが、ずいぶんあったけれど、いまはすっかり是正されているんですね。
山中 少なくとも、そういったカーブではぐあいがわるいということが、スピーカーの新しい製品を開発する際に、メーカー側の関係者の頭に浮かんだのはたしかでしょう。
井上 そして、物理特性としても、しかるべくギャランティするという風潮がでてきたことは、事実ですよね。
山中 しかも、音がよくなくてはいけないという姿勢も、厳然としてある。
     *
50号のころは、41号から読みはじめた私にとって、
36号の測定がどういう影響を与えたのかはわからなかった。

それでもインピーダンスカーヴは、基本的手測定項目のひとつであっても、
重要な項目のひとつであることは、なんとなく感じていた。

つい先日、あるところでヘッドフォンアンプを聴く機会があった。
ヘッドフォンも四種類用意されていた。

音を聴き、そのヘッドフォンアンプ・メーカーの社長の話をきいて思っていたのは、
ヘッドフォン、イヤフォンのインピーダンスカーヴのことだった。

「ヘッドフォン インピーダンスカーブ」で検索すると、
いくつかの製品のインピーダンスカーヴがグラフで表されているのがいくつも出てくる。
最初に見たいくつかは、割合にフラットだった。
優秀だな、と思って、他のいくつかのサイトをみてみると、
驚くほどうねっている製品があるのがわかる。

それうねりかたは、36号以前のスピーカーのインピーダンスカーヴのひどいのよりもひどい。

インピーダンスカーヴがひどい機種には共通していることがある。
同じ構成の物がすべてそうなのかはサンプル数が少ないので、これ以上は書かないが、
やはりそうなのか、と思うところはある。

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