Archive for 9月, 2019

Date: 9月 2nd, 2019
Cate: audio wednesday

第104回audio wednesdayのお知らせ(MOMENTと昭和男のロマンか)

野球は、どちらかといえば嫌いだ。
はっきりとした理由はないけれど、
たぶんの小さかったころ、野球中継で、
見たい番組が流れてしまうことがたびたびあったからかもしれない。

私が小さかったころ、熊本には民放テレビ局は一局しかなかった。
東京のように、民放がいくつも見られるような環境だと、そうはなからなかったのかもしれないが、
当時の熊本は、野球中継の所為で……、と思うことがよくあった。

そんなこともあってか、「巨人の星」にはたいして興味がなかった。
まったく見なかったわけではないが、毎週楽しみにしていたわけではなかった。

にもかかわらず「新巨人の星」は、けっこう楽しみにしていた。
エンディングで流れる「よみがえれ飛雄馬」が聴きたかったからなのか。

主題歌の「ゆけゆけ飛雄馬」は、特に聴きたいとは思わない。
「MOMENT」には「よみがえれ飛雄馬」は収録され、「ゆけゆけ飛雄馬」はないのも、
私には好ましく感じられ、これだったら買おう、と思わせる。

「よみがえれ飛雄馬」の歌詞に、《左手折れたら 右手でつかめ》とある。
こんな歌詞は、いまの時代、誰も書かないのではないか。

いい悪いではなく、昭和ど真ん中に「巨人の星」は輝いていて、
その復活劇としての続編「新巨人の星」ゆえの歌詞だとおもう。

《夢にかけた値 真赤なかぎり》とも歌詞にはある。
主人公の星飛雄馬の夢、それは本人の夢だったのか、といえなくもない。

いまの時代に冷静に眺めれば、時代錯誤な歌詞ともいえる。
それでも「よみがえれ飛雄馬」を何年かおきに思い出しては口ずさむ。
そんな私は「よみがえれ飛雄馬」に、なにがしかのロマンを感じているのか。

今月のaudio wednesdayは、個人的にロマンを感じている曲をもちよっての会にしたい。

Date: 9月 2nd, 2019
Cate: audio wednesday

第104回audio wednesdayのお知らせ(MOMENT)

9月のaudio wednesdayは、4日。
今回も一枚のディスクをテーマにしたいと考えている。

今回のディスクは「MOMENT」。
これだけでは、だれのディスクなのか、わからないだろう。
「MOMENT」は三年前に出ている。

出ていたことを先日まで知らなかった。

誰にでもあろうが、ふとしたきっかけ(きっかけは必要ないのかもしれない)で、
昔(子供のころ)にきいていた歌のフレーズが、ふと浮ぶ。

すると、しばらくなにかあるごとに、そのフレーズだったり、
歌詞をどれだけ知っているのかにもよるが、頭から口ずさんでたりする。

人には、そういう曲が何曲かあろう。
私にとって、その中の一曲を、数年ごとにふと思い出しては口ずさむ。

でも口ずさむだけで、CDは持っていなかった。
買おう、とは、不思議といままで思ったことがなかった。

それが急に、きちんと聴きたくなった。
昔、テレビで毎週流れていたのを聴いたきりである。

「MONENT」は、ささきいさおの55周年記念アルバムのタイトルである。

ささきいさおは、以前サウンドボーイで、語っている。
     *
ヤマトに限らず、アニメーションの主題歌ってのは、画面に負けないエネルギーを全部ぶつけるようなパワーがないとだめなんです。〝たいやきくん〟の子門真人にしてもロック調でしょう。歌謡曲の人がやると、メロディーに流れてダメになっちゃうんです。
     *
ここでのアニメーションの主題歌というのは、昭和のアニメーションの主題歌と限定してもいい。
「MOMENT」に収められている曲の多くは、昭和のアニメーションの歌である。

私が口ずさみ、ここにきて聴きたくなったのは「よみがえれ飛雄馬」である。
「新巨人の星」の最後に流れる歌である。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時からです。

Date: 9月 1st, 2019
Cate: オーディオ評論

オーディオ雑誌考(その2)

ステレオが変ってきた(良くなってきた)ことについては、
前々から書こうと思っていた。

ただ、良くなってきた、と書くだけで終ってしまいそうだったし、
一冊も買わずに、良くなってきた、と書いてもなぁ……、という気持もあった。

今回、こういうタイトルで書こう、と思ったのには、
別のきっかけもある。
昨年のことである。

あるオーディオ関係者からきいた話である。

どの会社なのか、社名を出すべきどうかちょっと迷うところもある。
直接きいたことではない、ということもある。
それでも二人のオーディオ関係者からきいたことなので、事実なのだろう。

あるオーディオ関係の出版社の社長が、
「ステレオサウンドを追い抜いた」といわれた、ということだ。

ここでのステレオサウンドが、季刊誌ステレオサウンドを指しているのか、
それとも株式会社ステレオサウンドのことなのか、
二つまとめてのことなのか、そこははっきりとはしない。

それでも「ステレオサウンドを追い抜いた」という発言は、
オーディオ雑誌のNo.1はわれわれだ、ということだろうし、
オーディオ関係の出版社のNo.1はわれわれだ、ということでもあろうか。

私がオーディオ雑誌を読みはじめた1976年、
オーディオ雑誌のNo.1はステレオサウンドだった。
はっきりと、そのことはいえた。

発行部数がどれだけとか、そういうことではなくて、
オーディオ雑誌のNo.1はステレオサウンドだった。

それはずっと続いていいくものだと思ってもいた。

Date: 9月 1st, 2019
Cate: オーディオ評論

オーディオ雑誌考(その1)

昨日、ひさしぶりにステレオ 9月号を買って読んでいた。
ステレオを買うのは、高校生以来だから、ほぼ40年ぶりである。

もちろんステレオサウンドにいたころは毎号読んでいたし、
いまも、書店で表紙を眺めて、面白そうな企画をやってそうだな、と感じたら、
手にとってパラパラめくることはあった。

買ってもいいかな、と思うことは何度かあった。
そう思うようになってきたのは、ここ数年のことで、
ステレオは一時期よりもずいぶん変ってきた(よくなってきた)ように感じている。

9月号の特集は、江川三郎発見伝である。
この特集を読みたくて、ステレオ 9月号を買った。

ステレオは一年前の8月号の特集で、長岡鉄男氏をとりあげている。
長岡鉄男氏とステレオの発行元である音楽之友社との関係からすれば、
ステレオが長岡鉄男氏の特集をやるのは、すんなりわかるけれど、
今回は江川三郎氏である。

江川三郎氏も、ステレオの筆者の一人だった。
それでも特集で、江川三郎氏ということは、広告にまったく結びつかなくなる。

「江川三郎発見伝」が特集ということで、広告を出したところはないはずだ。
それでもステレオは、「江川三郎発見伝」を特集として、そこそこのページ数を割いている。

同じことは、ステレオ時代がそうだ。
昨年、中島平太郎氏の特集を二号続けてやっている。

この特集にしても、広告にはまったく結びつかない。
それでも二号続けてやっている。

ステレオ 9月号の広告は、
オーディオメーカー、輸入元が14、オーディオ店が2、
これだけである。

広告があまり入っていないから、そういう特集がやれる、
そんなことをいう人がいるのかどうかはわからないが、
広告があまり入っていないからこそ、広告目当ての記事をつくることだって、
十分考えられる。