現代スピーカー考(その20)
ステレオサウンド創刊15周年記念の60号の特集は、アメリカン・サウンドだった。
この号の取材の途中で瀬川先生は倒れられ、ふたたび入院された。
この号も手もとにないので、記憶に頼るしかないが、JBLの4345を評して、
「インターナショナルサウンド」という言葉を使われた。
残念なのは、この言葉の定義づけをする時間が瀬川先生には残されていなかったため、
このインターナショナルサウンドが、その後、使われたことはなかった(はずだ)。
インターナショナルサウンドという言葉は、すこし誤解をまねいたようで、
菅野先生も、瀬川先生の意図とは、すこし違うように受けとめられていたようで、
それに対して、病室でのインタビューで、瀬川先生は補足されていた。
「主観的要素がはいらず、物理特性の優秀なスピーカーシステムの、すぐれた音」──、
たしか、こう定義されていたと記憶している。
インターナショナルサウンド・イコール・現代スピーカー、と定義したい。