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Date: 11月 4th, 2015
Cate: JBL, 型番

JBL PROFESSIONALの現在(4367の型番)

JBLの4367は型番末尾にWXがついている。
このWXはウォールナット仕上げを意味している。

以前の4300シリーズは、型番末尾に何もつかないモデルとWXがつくモデルがあった。
4343と4343WXというように。

WXのつかないモデルは、サテングレー仕上げで、バッフルは黒。
ハーマンインターナショナルのサイトをみると、4300シリーズでWXがつくのは4305Hと4312MII。
この二機種には、それぞれ違う仕上げがあった。
だから型番末尾にWXがついているのは納得がいく。
4365、4338などのモデルにはWXはつかない。ウォールナット仕上げのみだったからだ。

となると4367WXという型番で登場したということは、違う仕上げの4367が控えている、ということだと、
昔からのオーディオマニアでJBLのスピーカーに高い関心を持っていた人ならば、そう期待する。
私は期待している。
サテングレー仕上げの4367を。

Date: 11月 4th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(4367WXの登場)

JBL PROFESSIONALのM2について、「JBL PROFESSIONALの現在」で書いているところ。
M2は、専用信号処理を必要とするバイアンプ駆動モデルであり、
JBLが内蔵ネットワーク仕様で、どう仕上げてくるのかが、M2の存在を知ってからの関心であった。

いまでは4300シリーズはJBL PROFESSIONALではなく、JBLブランドの型番になっている。
このことに一抹の寂しさを感ずるのは、4343、4350、4320、4311、4301といった時代を体験してきた世代だけだろう。

4ウェイの4348がなくなり、4350を継承するモデルはとっくになくなっている。
現在の4365はよく出来たモデルとは思っても、
以前の4300シリーズに感じていたもの、期待していたものは、そこにはなくなっている。

今日発表になった4367WXは型番では4365の改良モデルのように思えるが、
4365が3ウェイに対し4367は2ウェイである。

このことが表すのは4367がJBL PROFESSIONALのM2のコンシューマーモデルということだ。
ハーマンインターナショナルの4367WXのページを見ると、
期待していたものが、ある。

D2 Dual Driverがある。
あれこれ書きたいことはあるけれど、とにかく、その音をはやく聴いてみたい。

Date: 3月 14th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(その5)

ハイルドライバーは示唆に富む動作原理のようにも思えてきた。
そうなると、他の動作方式のスピーカーにもハイルドライバーの考えを応用できないものか、となる。

たとえばホーン型のコンプレッションドライバー。
ハイルドライバ(AMT)の振動板(膜)をそのままもってくるのではなく、
コンプレッションドライバーのダイアフラムを二枚にしたら、
つまりデュアルにしたらどうなのか、と思いついた。

ただあくまでも思いついた、というレベルに留まっていた。
従来と同じドーム型のダイアフラムを二枚向い合わせに配置する。
これだけでもかなり奥行きの長いドライバーになってしまう。

でもこれだけではハイルドライバー的コンプレッションドライバーにはならない。
コンプレッションドライバーで重要なフェイズプラグをどうしたらいいのか。
フェイズプラグのデザインが、すべてを決めるといってもいいのかもしれない。

私は答を出せなかった。
JBL PROFESSIONALの技術陣は答をはっきりと出している。
その答を、だから私は見事だと思ったし、こうすればよかったのか、と少し口惜しさもあった。

ダイアフラムをドーム状にはせずに、いわゆるリングラジエーター状にする。
そしてフェイズプラグのデザイン。

D2 Dual Driverの構造図を見れば見るほど、唸るしかない。
見事な答(デザイン)ではないか。

Dual Driverは、JBLではなくハーマンインターナショナルの特許である。

Date: 3月 14th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(その4)

ハイルドライバーはかなり以前からあった。
ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIES 3、トゥイーターの総テストには登場してなかったものの、
巻末のトゥイーターの技術解説のページには、動作原理が構造図とともに載っていた。

ハイルドライバーの動作原理はなんとなく理解できたものの、
ハイルドライバーを搭載したスピーカーシステムはというと、
残念なことにメジャーなモノではなく、当時はアメリカのESSのスピーカーシステムだけだったはずだ。

ESSのスピーカーシステムを聴く機会は一度もなかった。
ハイルドライバーのトゥイーターは単売されていたと記憶しているが、これも聴く機会はなかった。

そんなわけで、私が最初に聴いたハイルドライバー搭載のスピーカーシステムは、
エラックの310ということになる。

ハイルドライバーとはもう呼ばれておらず、AMTという名称に変っていたし、
磁気回路の構造も変化がみられるが、動作原理はハイルドライバーそのものである。

ハイルドライバーに対するそれまでの印象は、
ステレオサウンドの記事によってのものだった。
ステレオサウンド 60号に、ESSのフラッグシップモデルTRANSARIIが登場している。

この記事を読む限りでは、ハイルドライバーの音はトランジェントは優れていることがわかる。

ESSはアメリカのスピーカーメーカーだけれども、音量を上げないで聴くスピーカーだと思う、
と瀬川先生が語られている。
音慮を上げない限り、切り紙細工の人形が並ぶような定位感ではまったくない音場を聴かせる、
と岡先生が語られている。

こんな印象があったから、エラックの310から鳴ってきた音には、驚かされた。
それからハイルドライバー(AMT)に対する認識が完全に変ってしまった。

Date: 3月 9th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(その3)

JBLとアルテック。
同じウェスターン・エレクトリックの流れを汲むメーカーであり、
どちらもコンシューマー用とプロフェッショナル用のスピーカーを手がけていても、
JBLは早い時期からレンジの拡大に積極的で3ウェイ、さらには4ウェイのシステムを発展させてきた。
アルテックは2ウェイという枠のなかで高域レンジの拡大を図っていた。

けれどアルテックも6041を発表してからは、4ウェイ路線に奔ってしまった。
当時のスピーカー技術では、どうしても2ウェイでまだ無理なところがあったともいえよう。

そんなJBLとアルテックだが、
JBLは1981年に4400シリーズを発表する。
それまで誰も見たことのない形状をしたバイラジアルホーンを搭載した、このスタジオモニターは、
4ウェイでもなく3ウェイでもなく、2ウェイだった。

高域を受け持つユニットは、4343のミッドハイを受け持つ2420のダイアフラムのエッジを改良した2421。
2420よりは高域レンジがのびているとはいえ、2405ほどのびているわけではない。

4435、4430とも発表されている再生周波数帯域は、30Hz〜16kHz ±3dB(4430は35Hzとなっている)。
この時代のスピーカーとしては、高域に関してはナローレンジといえるモノを、
4ウェイを積極的に展開していたJBLが、あえて出してきた。

4435、4430とも、私は音を聴いていない。
けれど、4435の音を気に入っていまも鳴らされている人を知っている。

4400シリーズは続いて出た4411では3ウェイになっているし、
1983年には2404Hという、小型のバイラジアルホーンをもつトゥイーターも出している。
2404Hの再生周波数帯域は3000〜21500Hzとなっている。

それでもJBLは1989年にS9500で、2ウェイにまた挑戦している。
M2は、そういうJBLの最新の・最先端の2ウェイ・システムであり、
JBL PROFESSIONALのスタジオモニターとして今後3ウェイ、4ウェイが登場することはない、といえよう。

Date: 3月 9th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(その2)

JBL PROFESSIONALのM2は、2013年1月に発表されたスタジオモニターである。
二年前の製品の存在にいまごろ気づいて、遅れて昂奮している。

つまりヒビノのサイト、それからJBL PROFESSIONALのサイトにも二年以上アクセスしていなかったわけだ。

これといったはっきりとした理由はなかったけれど、
JBL PROFESSIONALのサイトをみると、
スタジオモニターとして、いまだにControlシリーズが現役として残っているのがわかる。
(ヒビノでは扱っていないようだが)

それにM2以前の大型スタジオモニターであったDMS1のイメージが芳しくなかったのも影響している。
14インチ口径のウーファーのダブル試用の2ウェイのシステムだったDMS1がどういう音だったのかは知らない。
実物を見る機会はなかったけれど、写真を見て、その音を聴きたいとは一度も思わなかった。

JBL PROFESSIONALのスタジオモニターから輝きが消えてしまったように感じていた。
4320から始まったJBL PROFESSIONALのスタジオモニターは、4343をピークに、ほんとうに輝いていた。

いまでは”Studio Monitor”は、4300シリーズの型番の一部になってしまった感がある。
だからといって、現在の4300シリーズがダメだとは思っていないが、
JBL PROFESSIONALではなくJBLブランドのスピーカーシステムに、4300シリーズの型番をつけるのは、
そろそろ終りにしてほしい、と思う。

もしくは4300シリーズの型番を続けるのであれば、スタジオモニターは謳わない方がいいようにも思う。
そのくらいに、JBL PROFESSIONALのM2の登場に昂奮している。

4320が登場した時に、当時のオーディオマニアが体験してであろう昂奮は私は世代的に味わえなかった。
けれど、いまM2によって、同じレベル(もしかするとそれ以上の)昂奮を味わえるような気がしてならない。

Date: 3月 8th, 2015
Cate: JBL

JBL PROFESSIONALの現在(その1)

いまもJBLの4300シリーズのスピーカーシステムは売られている。
JBLの輸入元であるハーマンインターナショナルのサイトには、
4365、4338、4312をはじめ、10機種の4300シリーズがラインナップされている。

これらは、けれどJBLブランドである。

ハーマンインターナショナル以前は山水電気がJBLの輸入元だった。
このころは、コンシューマー用スピーカーはJBLブランド、
プロフェッショナル用スピーカーはJBL PROFESSIONALブランドだった。
4300シリーズはJBL PROFESSIONALブランドのスピーカーシステムだった。

いまもJBLはコンシューマー用とプロフェッショナル用とがある。
コンシューマー用はハーマンインターナショナルが輸入元であり、
プロフェッショナル用はヒビノと、輸入元がわかれている。

4300シリーズがコンシューマー用の型番となってしまった現在、
録音スタジオで使われるモニタースピーカーに対するJBLの答はどうなっているのだろうか、
と数年ぶりにヒビノのウェブサイトを見てみた。

M2というモデルが、現在のJBL PROFESSIONALのスタジオモニターのフラッグシップである。
正直、見た目はあまりそそられない。
けれど、このM2に搭載されているドライバーは、ひじょうにそそられる。

D2 Dual Driverと名づけられている、このユニットの構造図は、
いままで見たことがないコンプレッションドライバーの構造を示している。