Date: 6月 2nd, 2019
Cate: Digital Integration
Tags:

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その3)

その2)は少し脱線しているが、(その1)の続きに戻れば、
dCSのトランスポートからのデジタル信号を、
コントロールアンプのライン入力を接続しても、ほとんど問題なくD/A変換がなされている──、
そう思える音がしていた。

当時、dCSの輸入元のタイムロードだった。
タイムロードの技術担当者の説明によれば、
DSD信号のD/A変換には、フィルターがあればできる、ということだった。

ではなぜD/A変換用の回路を搭載しているかといえば、
主にジッター対策である、ということだった。

ここでのフィルターとはハイカットフィルターのことである。
ハイカットフィルターは、ケーブルをライン入力に接続することでも形成される。

ケーブルのもつ静電容量が存在し、送り出し側の出力インピーダンスがあるからだ。
つまりハイカットフィルターは、オーディオの伝送系のいたるところにあるわけだ。

アナログディスクのカッターヘッドにも、ハイカットフィルターは存在することになる。
カッティング針、駆動コイルなど質量をもつ部分があり、
駆動するアンプに関しても高域の限界があるわけだし、
DSD信号を直接カッティングマシンに接続するケーブルでもハイカットフィルターは形成される。

確かに理屈からいってもDSD信号そのままでカッティングは可能である。
タイムロードの技術担当者の説明を信じれば、
ジッターが発生しなければ、DSD直接でも問題は発生しない、ということになる。

いまデジタル録音であっても、LPで発売されるようになってきている。
DSD録音であれば、直接のカッティングが、
PCM録音ならばDSDに変換してのカッティングができる。

そう考えると、PCMからのDSD変換も、ある種のD/A変換といえるのだろうか。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]