Archive for category 105

Date: 9月 15th, 2008
Cate: 105, 現代スピーカー

現代スピーカー考(余談・その1)

KEFの#105は、ステレオサウンド 45号の表紙になっている。
このころのステレオサウンドの表紙を撮影されていたのは安齋吉三郎氏。 

いまのステレオサウンドの表紙と違い、
この時代は、撮影対象のオーディオ機器を真正面から見据えている感じがしてきて、
印象ぶかいものが多く、好きである。 
41号の4343もそうだし、45号の105もそう。ほかにもいくつもあげられる。 

目の前にあるモノを正面から、ひたすらじーっと見続けなければ、
見えてこないものがあることを、
安齋氏の写真は無言のうちに語っている、と私は思う。

Date: 9月 15th, 2008
Cate: 104aB, 105, KEF, 現代スピーカー

現代スピーカー考(その8)

#104と#104aBの違いは(記憶に間違いがなければ)ネットワークだけである。
ユニットはまったく同じ、エンクロージュアも変更されていない。
そのため、KEFでは、旧モデルのユーザーのために、aBタイプへのヴァージョンアップキットを発売していた。 
キットの内容は新型ネットワークのDN22をパッケージしたもので、
スピーカーユニットが同じにも関わらず、スピーカーの耐入力が、50Wから100Wと大きく向上している。 

この成果は、#104の開発に使われた4ビット・マイクロプロセッサーと、
aBタイプへの改良に使われたヒューレット・パッカード社のHP5451の処理能力の違いから生れたものだろう。

インパルスレスポンスの解析法そのものは大きな変化はなくても、
処理する装置の能力次第で、時間は短縮され、
その分、さまざまなことを試せるようになっているし、
結果の表示能力も大きな違いがあるのは容易に想像できる。
そこから読み取れるものも多くなっているはず。 

インパルスレスポンスの解析法の進歩・向上によって(言うまでもないが、進歩しているのは解析法だけではない)、
#105が生れてくることになる。 
私が考える現代スピーカーのはじまりは、この#105である。