妄想組合せの楽しみ(その9)
たしか朝日新聞だったと記憶しているが、時期もちょうど1977年ごろだった。
文化面に、オーディオ雑誌の試聴のありかたを問題にした記事が載ったことがある。
カートリッジの試聴記事で、誌面では、その出版社の試聴室において、ふたりの筆者が聴いたことになっていたが、
実際は、スケジュールがうまく調整できず、ひとりは試聴室で、もうひとりは自宅での試聴となったらしい。
そのことを問題として取りあげていた(すこし記憶違いがあるかも)。
自宅で聴いた人が、テスト機種のうち半分は試聴室で聴いて、のこりを自宅でという、
試聴条件がバラバラというのであれば、たしかに問題といえるだろうが、
ひとりが自宅、ひとりが試聴室というのは、新聞紙上で取りあげるほどの問題なのだろうかと思った。
それだけ、当時はオーディオに注目が集まっていたからだろうし、
朝日新聞の文化面の記者のなかに、オーディオマニアの方がいたのかもしれない。
素材の話に戻ろう。
各素材の物性値をながめていると、マグネシウムが、かなり理想に近いように思えてくる。
けれど理科の実験でやったように、マグネシウムは燃えやすいし、加工も難しい。
オーディオにおいて、まず採用されたのはヘッドシェルではなかろうか。