Category Archives: スピーカー関係 - Page 118

アルテック Lido

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 能率のあまり良い方でなく、しかも周波数レインジもあまり広い方ではないという音で、切替え比較では、ラフな聴き方をされると損な製品という点では、No.2にちょっとにているが、音の品位は相当に高く、これなら室内楽でもじっくり聴き込める。そして、どんなソースでもイヤな音を決して出さない。はったりも何も無い音だから、レコード音楽に長いこと親しんだ人でないと、見過ごしそうな音だと思うが、ともかく良い製品だ。

テスト番号No.16[推選]

サンスイ SP-50

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 No.2とは正反対に、能率も中以上だし(少なくとも聴感上は)、朗々と鳴るという感じの音質。低域と高域に、少々抑制の足りないところが無くはないが、おそらく手なれた、かなりの説得力を持った音の作りかたである。グラマーだが大柄でなく、トランジスター・グラマーといった音。

テスト番号No.8[推選]

フォスター FCS-250

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 切替えたとたんに音量がぐんと小さくなる。能率が低いという点では、No.5やNo.27に次ぐ製品だから、出力の大きいアンプが必要だろう。何を鳴らしても一応ソツなくこなすという性質は26や33に似ているが、音質の傾向はずいぶん違って、少し抑制が利きすぎたのではないかと思えるほど、控え目で地味で、しかも無味乾燥になる一歩手前でうまくまとめたという感じである。いわば、入社早々で少しばかり固く構えているという風情だが、しかしこの生真面目さは、仲なか好ましい。
テスト番号No.2[推選]

ビクター BLA-304

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 オーケストラの内声部が引っこみ、やせた音になる。そのためかどうか、プレゼンスの再現も不充分で、オーケストラの雰囲気に空間感がない。これはステレオ再生では大変不利であり、また音楽のスペクトラムの中核である中域が引っ込むのはまったくまずい。ジャズではこれが致命傷といってよく、ジャズ音楽の本質が生きない。中域不足はバロックのアンサンブルなどでは一種クールで端正だが、ジャズには全く不向きという他ない。

テレフンケン TE-200

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 表情豊かというか、個性的といおうか、快適な音が印象的。適度に油の乗った充実感があり、長く聴いていると耳について気になりそうな音色が、こういう試聴では効果をあげる。つまり、巧みな音づくりなのである。華麗な音色、人為的なバランスがどんなソースにもそれなりの効果をあげるから不思議である。中高域の硬さ、レンジの狭さが不満として残るが、極めて印象的なスピーカー・システムであった。

パイオニア CS-7

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 大変まともなバランスがとられていて、いかなるプログラム・ソースにも妥当な音楽的バランスを聴かせてくれるスピーカー・システムだった。音質は、やや軽く安手の感じは残るけれど、他面、明るくおだやかで疲れない音だ。ジャズの再生では、締まり、深み、力感などの面でもう一歩の不満がかんじられるが、まともにソースの情報を伝えてくれるので、聴いていて気持がよい。強い魅力には欠けるかもしれないがオーソドックスな製品だ。

ビクター BLA-E20

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 オーケストラのテュッティの再現ではややスケールが小さく、プレゼンスが不足する。しかし、ポピュラーものでの味つけは効果的で甘さとシャープさが巧みに交錯する。軽やかな中域が親しみやすいキャラクターを作っているのだろう。価格も二万円を切るようだし、このクオリティなら相応のものといえるのかもしれない。室内楽やクラシックのヴォーカルには当然のことかもしれないが質の緻密さの点でかなり物足りない。

ダイヤトーン DS-22B

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 バランスのよくとれたシステムで音色も切れ込みもよい美しいもの。再生音のスケールは大きくないが緻密なクオリティで好ましい。オーケストラやジャズでは小じんまりした感じはあるが音がよく立ち、生き生きしている。ピアノのクオリティが、やや不安定なのが気になったが、この他はすべてスムーズに通った。透明度も高くよく抜けるシステムだ。抜ける感じは何によるものかは全体の問題としてきわめて興味深く、また難しい問題だと思う。

サンスイ SP-1001, SP-2002

サンスイのスピーカーシステムSP1001、SP2002の広告
(スイングジャーナル 1969年3月号掲載)

SP1001

パイオニア CS-5, CS-A55

パイオニアのスピーカーシステムCS5、CS-A55の広告
(スイングジャーナル 1969年3月号掲載)

CS5

パイオニア C-550, C-560, C-650

パイオニアのスピーカーシステムC550、C560、C650の広告
(スイングジャーナル 1969年2月号掲載)

C550

パイオニア CS-10

菅野沖彦

スイングジャーナル 2月号(1969年1月発行)
「SJ推薦ベスト・バイ・ステレオ」より

 CS10というスピーカーをごぞんじだろうか。パイオニアがだしている優秀なスピーカー・システムであろ。ただしお値段のほうも大分高い。
 このスピーカー・システムは、ブックシェルフ・タイプといって、現在のスピーカー・システムのタイプの中でもっともポピュラーなものである。初期のブックシェルフ・タイプはたしかに小型で、縦においても横においても使える四面仕上であったが、その後、形が大きくなり重さも増して、現実には本棚へおいて使えるようなものばかりではなくなった。このCS10も、四面仕上げであるが、重くて大きい。約25kgあるから、ちょっとした棚では支持できない。
 ところで、肝心の音であるが、このスピーカー・システムの音質について語ることは大変むずかしい。ベスト・バイとして選んでいるのだから決して悪いものではなく初めに述べたように優秀品であるにはちがいない。では何がむずかしいかということになるのだが、音の性格について、音質と音色という2つの面に分けて語らないと説明がつかないのがこのシステムの音だろうと思う。音質と音色は本来切っては考えられるものではなく、むしろ同義語として扱ったほうが混乱はないが、ここでは便宜上分けて使わせていただくことにしたい。
 まず音質についてだが、低域から高域にかけての周波数特性ののび、そしてその性格は大変すばらしい。しいていえばごく低いところが小型密閉箱のためにやや物足りないが、通常音楽の再生にはまったく問題ないところまでのびている。途中の山谷は大変少なく、フラットに近い特性は、特定の音を強調することがない。特に高音域は並はずれた指向特性のよさとともに非常によい。歪は適確な帯域分割とユニットの設計により大変少なく、ドーム型スコーカー、トゥイーターを使っているために多くの利点をもつ。特に小型密閉箱にありがちなウーハーの音圧によるスコーカーやトゥイーターへの位相干渉は構造上まったく心配がない。3ウェイが理想的に動作して、すっきりした再生音となっている。つまり音質としては大変バランスのよいもので、物理特性として優れていることがわかる。
 次に音色的なものだが、同じような周波数特性、各種の歪率など測定データーが似ていても、音がちがうものはざらにある。特にスピーカー・システムの場合は、箱の設計、材料、工作などは微妙に音色を変える。また、この密閉型の箱にハイ・コンプライアンスのウーハーを入れたタイプ(オリジナルは米国のAR)は一種特有の音色傾向をもつ。ダンプがきいて音がきわめてしまりがよいその反面抜けが悪く、音が前へ豊かに出ないという印象もつきまとう。スコーカーがドーム型のダイレクトラジエーションによるものだけに歪は非常に少ないが、派手な音圧感がない。つまり、ユニットのタイプによっても音色がちがうことも事実である。コーン型、ホーン型、ドーム型など、それぞれちがった音色傾向をもっていることは事実である。
 このようにスピーカー・システムの音についての評価はむずかしいが特にCS10はむずかしい。それはいいかえれば、あまりにも他のスピーカーと異った次元の音の良さがあるからかもしれない。私の好きなスピーカー・システムとして推薦するが、決して派手さや、刺激性のある音ではないことをお断りしておく。使用ユニットといい箱といい、ふんだんにぜいたくをした最高級品である。

アルテック 419A

菅野沖彦

スイングジャーナル 1月号(1968年12月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 アルテックといえばオーディオに関心のある人でその名を知らぬ人はあるまい。アメリカのスピーカーといえば、アルテックとジムランの名がすぐ浮ぶ。ジムランはもともとアルテックから分れた会社で、アルテックがプロ用機器をもっぱら手がけジムランが家庭用を主力にしていることもよく知られている。もっとも、このプロ用と家庭用なる区別は、なにによってなされるのかははなはだ不明瞭であって厳重な規格や定義があるわけではない。しかし、現実にその両者の差は優劣ということではなくて、製品のもっている特長、個性に現れているといってよいだろう。
 ところで、スピーカーというものは、音響機器の中でももっともむづかしいものであることはたびたび書いてきた。つまり、優劣を決定するのに占める物理特性のパーセンテージがアンプなどより低いのである。直接空気中に音波を放射して音を出すものだけに使用条件や音響空間の特性も千差万別で、そうした整備統一も容易ではない。そして音質、音色の主観的判定となると実に厄介な問題を包含しているわけだ。それだけに、業務用、一般用という区別はスピーカーにとって大きな問題とされる。業務用スピーカーといえばモニター・スピーカーといったほうが早く、モニター・スピーカーとはなにか? という論議は時々聞かれる。
 モニター・スピーカーはよくいえば基準になり得る優れた特性のスピーカーというイメージがあるし、逆にひねれば味もそっけもない音のスピーカーというイメージにもなるのではないか。
 この辺がモニター・スピーカーとは何かという論議の焦点だ。私としては、モニター・スピーカーと鑑賞用スピーカーの区別は音質や音良の面ではつけるべきではなく、良いスピーカーはいずれにも良いと考えている。強いてモニター・スピーカーに要求するとすれば、許容入力であって、少々のパワーでこわれるものはモニターとしては困る。実演と同次元で再生することが多いから、かなりの音量をだすことが必要なのである。ただし、許容入力は常に能率とのバランスで見るべきで、同じ20ワットの入力でも能率が異れば出しうる音量はまったくちがってくる。この点、アルテックのスピーカーはすべて大変能率がよく、許容入力も大きい。絶対の信頼感がある。そしてさらにその音質は音楽性豊かというべき味わいぶかいものだ。
 今度発売される419Aというユニットは30cmの全帯域型で、きわめて独創的なものだ。バイフレックスといって2つのコーンが一体になったような構造で1000Hzをさかいに周波数を分担している。この2つのコーンはそれぞれ異ったコンプライアンスと包角をもっており、さらにセンターにアルミ・ドームのラジエターで高域の輻射をしている。これは30cmスピーカーとしては小型なパイプダクト式のキャビネットに収められ〝マラガ〟というシステムとして発売されるという。
 私の聴いたところでは実に明晰な解像力をもっていて音像がしっかりときまる。固有の附随音が少く、抜けのよいすっきりとした再生音であった。マッシヴなクォリティは他のアルテックのスピーカーに共通したものだ。また能率のずばぬけてよいことも特筆すべきで.大音量でジャズを肌で感じるにはもってこいのスピーカーであろう。モニターとして鑑賞用として広く推薦したい製品。
 欲をいうならば最高域が不足なので、同社の3000HトゥイーターをN3000Hネットワークと共にブラスすると一段と冴えると思う。

サンスイ SP-50, SP-100

サンスイのスピーカーシステムSP50、SP100の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

SP100

ラックス 25C43, 25C44, 30C74, SQ38F, SQ78, SQ301, SQ505, SQ606, WL313, WL515, P-22

ラックスのスピーカーシステム25C43、25C44、30C74、プリメインアンプSQ38F、SQ78、SQ301、SQ505、SQ606、チューナーWL313、WL515、アナログプレーヤーP22の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

Lux

パイオニア CS-90

パイオニアのスピーカーシステムCS90の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

CS90

コーラル BETA-8, BETA-10

コーラルのスピーカーユニットBETA8、BETA10の広告
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

BETA8

アルテック A7

アルテックのスピーカーシステムA7の広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

ALTEC

コーラル BETA-10

菅野沖彦

スイングジャーナル 11月号(1968年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 コーラル音響といえば日本のオーディオ界では名門である。昔は福洋音響といって、スピーカー専門メーカーとしての信頼度は高かった。数々の名器はちょっと古いアマチュアならば記憶されているだろう。私自身、当時はずい分そのスピーカーのお世話になった。型番はもううろ覚えだが、たしかD650という61/2インチのスピーカーは大いに愛用した。810という8インチもあった。当時はインチでしか呼ばなかったが今でいう16センチ、20センチの全帯域スピーカーであった。トゥイーターもH1いうベスト・セラーがあった。福洋音響は当時のハイ・ファイ界のリーダーとして大いに気を吐いたメーカーだ。そして最近コーラル音響という社名に変更し住友系の強力な資本をバックに大きく雄飛しようという意気込みをもってステレオ綜合メーカーとしての姿勢を打ちだしてきている。
 ところで、そのコーラル音響から新しく発売されたユニークなスピーカーがBETA10である。BETAシリーズとして8と10の2機種があるが、主力は10だ。まずユニットを一目見てその強烈なアマチュアイズムに溢れた容姿に目を見はる。白色のコーン紙。輝くデュフィーザー。レンガ色のフレーム。強力なマグネットは透明なプラスチック・カヴァーで被われている。これはマニアの気を惹かずにはおかないスタイリングで、キャラクターこそちがえ、例のグッドマンのAXIOM80のあのカッコよさに一脈通じるものを感じたのは私だけではあるまい。オーディオ製品のような人間の感覚の対象となるものについては、形も音のうちというものであり、この心理はマニアなら必らずといってよいほど持ち合わせている。形はどうでも音がよければという人もいるが、同時に、まったくその反対の人さえいる。コーラルがマニアの気質をよく心得て、細部にまで気をつかって、いかにも手にしたくなるようなスピーカーをつくったことは、今後のこの社の積極的な姿勢を感じさせるに充分で、事実、その後、かなり意欲的なデザインによるアンプも発売されている。
 さて、BETA10の音はどうか。それを書く前に、スピーカーというもののあるべき姿にについて述べておかなければなるまい。音響機器中、スピーカーはもっとも定量的に動作状態をチェックしにくい変換器である。つまり、直接空気中に音を放射するものだけに、使われる空間の音響条件は決定的に影響をもたらす。装置半分、部屋半分ということがいわれるが、たしかに部屋が音におよぼす影響はきわめて大きい。これは録音の時のホールとマイクロフォンの関係に似ていて、電気工学と音響工学の接点であるだけにさまざまなファクターを内在しているわけだ。理論的な問題は別として、ある音源に対して最適なマイクロフォンを無数のマイクロフォンの中から選択して使っているというのが現状だが、これは、いかに問題が複雑で、理論や計算通りにいかないかを物語っているものであろう。マイクロフォンは使う人の感覚によって選ばれる。それに似たことがスピーカーにもいえる。スピーカーほど感覚的に選ばれる要素の強いものはない。それだけに選びそこなったら大変で、正しいバランスを逸脱することになる。BETA10こそは、まさにそうした危険性と大きな可能性を秘めたスピーカーであり、たとえてみれば暴れ馬である。その質はきわめて高く大きな可能性を秘めている。しかし、うっかり使うとたちまち蹴飛ばされる。使いこなしたらこれは大変魅力的なスピーカーだ。その点でも、これは完全に高級マニア向の製品で、これを使うには豊富な経験と知識、そしてよくなれた耳がいる。我と思わん方は挑戦する価値がある。こんなに生命感の強く漲ったタッチの鮮やかな音はそうざらにない。

オンキョー E-83A

岩崎千明

スイングジャーナル 10月号(1968年9月発行)
「SJ選定〈新製品〉試聴記」より

 音楽の中で一番大切な音は、人間の声の範囲と同じ周波数範囲に含まれている。男の声で200サイクルから上、女の声で400サイクルから上3オクターブぐらいまでである。つまり男声の下限200サイクルから女声の上限2000サイクルぐらいまでですべての楽器の基音はここに含まれる。なぜこんなことを冒頭に述べかたというと、この辺の範囲の音が音楽再生上もっとも重要であるのだがそれを本当に認識しているようなスピーカーが、それほど多くはないという点にある。
 最近高級スピーカー・システムはマルチ・スピーカーが常識である。スピーカーの数を増せばそれだけ良くなるとは限らないが、低音専用、高音専用とわけることにより、音の上限と下限は広がることは確かであるし、また低音の影響をかぶって高音が荒れることもなくなる。そしてもっとも大切なことは、ステレオ用として、指向性つまり音のひろがりはきわめて重要なファクターだが高音を小型の専用スピーカーに受けもたせることにより音の前面へのひろがりは必ず改善される。
 しかし、ここで問題がある。〝低音用と高音用との境目をどこにおくか〟という点と〝低音用としてその設計の重点をどこにおくか〟というかねあいについてである。
 低音用は文字通り低音用として設計し、今日では、中音をよく出そうとするよりも、いかに低音まで出し得るかという点を重視する結果、振動部コーンの重量を増す傾向にある。それが低音域をのばすもっとも容易な近道だからである。
 そして、その結果、音量の変化の激しい、アタックの強いパルス音の多い中音再生能力は少々おろそかにされている。つまり市場にもっとも多い2ウェイ・スピーカー・システムでは高音用と低音用の境目クロスオーバーは2000〜3000サイクルにあり、2000サイクル以下の重要な中音はコーン紙の重い低音用で受け持つという問題をかかえている。激しいアタックのある変化に富んだあらゆる楽器の音を、重いコーン紙の低音用が正しく再生することが可能であろうか。できるだけ軽いコーン紙の方が毎秒1000回にも達するパルシブな音を再生するの適していることは一目瞭然であろう。
 さて、大切な中音を独立させ、軽いコーンの専用スピーカーに受け持たせた3ウェイが最近クローズ・アップされているが、多くの場合、中音用としてコーン型が超高価格を除き一般的のようである。
 さて、大阪音響の3ウェイ83Aを聞いたとき、このスピーカー・システムの中音の輝かしさとずばぬけた切れのよさにびっくりしたものだ。しかも、その音がホーン型中音用から出ていたのを、前面サランを除いて知ったとき改めて驚歎した。中音ホーンによくありがちな、ホーン臭い音が全然感じられないばかりか、そのみるからに小さいショート・ホーンからの音が700サイクルという低い所からごく高い範囲までカバーしていることを知らされて、もう一度驚いた。
 考えてみればオンキョーはハイ・ファイ初期からのスピーカー専門メーカーだ。今までに何回となく画期的なスピーカーを作ってきたが、どういうものかマニアの注目をひくに至らなかった。しかし、この中音用には、オンキョーの永く積み重ねられた技術の裏付けがあったのだ。
 そしてこの中音ホーンこそオンキョーのハイ・ファイ・スピーカー界における立場を確固たるものにするに違いないと感じた。83Aシステムの成功が、これをひとつ実現したことになる。30センチ低音用と広指向性のスーパー・ツィーターの3ウェイで価格が5万円に満たないことを知ってまた驚いたのである。

パイオニア CS-7, CS-8

パイオニアのスピーカーシステムCS7、CS8の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

CS8

パイオニア CS-5, CS-10

パイオニアのスピーカーシステムCS5、CS10の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

CS10

JBL Lancer 44, Lancer 77, Lancer 101, Trimline, LE8T, LE175DLH, LE20, LE10A, LE14A, PR8, PR10, LX10, LX4-2, サンスイ SP-LE8T

JBLのスピーカーシステムLancer 44、Lancer 77、Lancer 101、Trimline、スピーカーユニットLE8T、LE175DLH、LE20、LE10A、LE14A、PR8、PR10、LX10、LX4-2、サンスイのスピーカーシステムSP-LE8Tの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

JBL

サンスイ SP-100

サンスイのスピーカーシステムSP100の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

SP100

パイオニア IS-70, IS-80

パイオニアのスピーカーシステムIS70、IS80の広告
(スイングジャーナル 1968年9月号掲載)

IS80