サウンドのトーンアームSTO140、カートリッジSTC11の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)
Category Archives: 東京サウンド
サウンド STO-140, STC-11
サウンド STC-11, STO-140
東京サウンド STC-10E
瀬川冬樹
ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より
とりたてて欠点もないかわりに、素晴らしいという魅力もあまりない。総体にぼってりと重い音で、軽快さに欠けるが、かといって奥行きや厚みのあるという音でもなく、何となく水っぽい酒のような印象だ。弦合奏のユニゾンが割合美しいし(ただし高域の繊細感が物足りなかった)、ロスアンヘレスの声が温かく聴ける。ヴェルディのレクィエムも、ドンシャリ的にならず安定だが、内声部の充実感にやや欠けて、男声の魅力が不足していたのは他の多くのカートリッジ同様である。ピアノやジャズでは、タッチが重くなるものの丸味のあるウォームトーンが聴き易い。無難だが、いま一つ魅力に欠けるという音だ。
オーケストラ:☆☆☆☆
ピアノ:☆☆☆★
弦楽器:☆☆☆★
声楽:☆☆☆☆★
コーラス:☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆☆
ムード:☆☆☆★
打楽器:☆☆☆☆
総合評価:80
コストパフォーマンス:95
東京サウンド STC-4E
瀬川冬樹
ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より
音のバランスは仲々良く、欠点の少ない整った音質だが、音色に明るさをやや欠いて、どことなく湿り加減になる。オーケストラでは低域に適度の厚みもあり高域のキメも細かく、音の分離もいいし奥行も深みもあるのだが、何となく音がスピーカーから離れてこないような感じである。ピアノの音もバランスよく、弦合奏もよく溶け合ったハーモニーを聴かせるし、中高域もやわらかく美しい。ロスアンヘレスの声と伴奏のコントラストもよく再現される。要するに素性の良い音なのだが、行儀がよすぎるというか、躍動感とかつややかさをもっと望みたいような暗調の音質がもどかしくて、総じてフォルティシモで音がややつまるようにのびきらないところが残念に思われる。
オーケストラ:☆☆☆☆★
ピアノ:☆☆☆☆
弦楽器:☆☆☆☆
声楽:☆☆☆☆
コーラス:☆☆☆★
ジャズ:☆☆☆☆★
ムード:☆☆☆☆
打楽器:☆☆☆☆
総合評価:80
コストパフォーマンス:85
東京サウンド ST-14, SMC-4E
東京サウンド SV-1
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
サウンドのMC型の好評に乗って、ベルト・ドライブ・メカニズムのターンテーブルと、ヘッドアンプ、オルトフォン・タイプのアームとの組合せによる超高級プレイヤーが出た。カートリッジ・メーカーとして初の製品だが、その高性能ぶりは専門メーカーたるにふさわしい。もう少し豪華なデザインが欲しかった。
東京サウンド ST-1200, ST-1400, ST-900
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
細身のパイプは、スマートなメイン・ウェイトとバランスよく、スタックスの軽量型を思わせるデザイン。しかもこの社の方針で、「良い物を安く」を強く打出して、驚くほどの低価格だ。従来のオルトフォン・タイプのアームから、自社のオリジナルにやっと達した所で成果を期待しよう。局用アームを一手に引受けていた貫禄をここらで発揮してもらいたい。
東京サウンド SMC-4
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
モノーラルの初期に、C2というバリレラ型の金字塔ともいうべきカートリッジを堕していた技術的センスは、この社のMCにさん然と光っている。原形ともみられるオルトフォンをもしのぐ中音の分解能のよさは、特に賛えられよう。SMC4は、3型の高域特性にさらに繊細さを加味し、帯域の広さを感じる。あまりこの社の方針からか宣伝もせず、地味な存在だけに随分損をしている優秀製品だ。
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