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ソニックス AS-366(組合せ)

岩崎千明

コンポーネントステレオの世界(ステレオサウンド別冊・1976年1月発行)
「スピーカーシステム中心の特選コンポーネント集〈131選〉」より

 ソニックスは海外でよりその名を知られた最もポピュラーなスピーカー専門メーカーで、その作るブックシェルフ型は価格対品質、あるいは実質的投資という点で他社に先がけてきた。クォリティ一辺倒というよりもその価格帯でのユニット構成という点でも優れる。大型システムにも匹敵するスケールの大きなサウンド、やや華麗な中域の充実感などが全体的な特長だ。
 その中の中級品種ともいうべきAS366は最も重点的な主力製品だけに一段と充実した内容で、用途の一般的な広さからも誰にも奨められる。
 そこでこのシステムをもっとも高いレベルでの再生を考えるとアンプにはやはり相当の品質のものを組み合わせるべきだ。トリオのKA7300は全体にKA7500を格段に上まわるすばらしい質とエネルギーとを、ステレオアンプとして最も理想的なモノーラル2台にわけたといえるほどのセパレーションで実現している。中音から低音の定位の抜群な良さを示す。このアンプのもつ可能性は同じスピーカーでもひとけた違ったグレードにまでも高めてくれるのには目を瞠る。マイクロの超低域までの安定したサウンドと共に、全体の完成度はきわめて高い。

スピーカーシステム:ソニックス AS-366 ¥41,800×2
プリメインアンプ:トリオ KA-7300 ¥65,000
チューナー:トリオ KT-7500 ¥48,000
プレーヤーシステム:マイクロ DD-7 ¥74,800
カートリッジ:エレクトロ・アクースティック STS155-17 ¥8,700
計¥280,100

ソニックス AS-171, AS-271, AS-371

ソニックスのスピーカーシステムAS171、AS271、AS371の広告
(オーディオ専科 1975年4月号掲載)

Sonics

ソニックス AS-371

瀬川冬樹

ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)
特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より

 耳あたりのよさをねらってまとめたというような姿勢が感じられ、中音から高音にかけて、耳を圧迫したり刺激したりしやすいやかましい音域をうまく抑えてあるので聴きやすいが、反面、音の肌ざわりがあまり上等の質感とは言いにくい。それは三万円そこそこの製品にはぜいたくな注文といえるかもしれないが、これにもう少し緻密な艶が乗ると相当な音質になると思う。AS271のところでも音の肌ざわりや品位のこと、また、ひとつひとつの音を掘り起こすという鳴り方でなくやや表面をなでる感じである点を書いたが(28号)、たしかに音のスケール感やつながりなど部分的にグレードアップしている点もありながら、綜合的には必ずしもこの方がいいとは言いにくい。総体的にはヨーロッパ系のスピーカーの柔らかい鳴り方を参考にしているように思われ、それがやかましさのない鳴り方に長所として現われている反面、音に厚みや力強さを要求する音楽になるとやや薄手な鳴り方、各声部に出っぱりやひっこみが目立ってくるところなどが、検討を望みたい点といえる。AS271より一万円高いことを前提にして、以上のような注文をつけたい。

周波数レンジ:☆☆☆
質感:☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆
解像力:☆☆☆
余韻:☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆

総合評価:☆☆★