Category Archives: エレクトロ・アクースティック/エラック

エラックCL330 JET AMBIENTE

菅野沖彦

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

アルミ押し出し材によるモダーンでソリッドなコンパクトネスを全身にたたえたエンクロージュアによるエラックの傑作、300シリーズの中の上位機種である。JETユニット搭載はもちろんのこと、310より大きいウーファーを搭載するぶん、スケールが大きい再生音だ。外観にふさわしいカチッとした音が快適である。

エレクトロ・アクースティック EMC-1

井上卓也

ステレオサウンド 75号(1985年6月発行)

特集・「いま話題のカートリッジ30機種のベストチューニングを探る徹底試聴」より

 標準針圧では、暖色系の柔らかく線の太い低域と、程よく輝やくメタリックな中高域がバランスした安定した音だ。音場感は奥に拡がり、プレゼンスは標準的だろう。
 針圧上限は、低域の質感が、向上し、重心の低い安定した重厚さがある音で、力感もあり、良いホールで聴く演奏会的なプレゼンスが楽しい。かなり本格派の立派な音だ。針圧下限は、軽い雰囲気のあるプレゼンスが特徴。ナチュラルさはこれで、針圧変化による音の変化は穏やかだが、上限と下限で異なった音が聴けるのが特徴といえる。基本的には、良質なトランスとダイナミックバランス型アームにマッチするタイプの音。
 針圧1・65g、IFC量1・5で適度に音場感がある良い音になる。
 ファンタジアは、見通しが良いが、低域は軟調気味。適当な昇圧トランスが欲しい音。
 アル・ジャロウは、天井の低いライブハウス的な響きで、もう少しダイレクトさが必要。

エレクトロ・アクースティック STS455E, ゴールドバグ Medusa, シンメトリー ACS-1, モンスターケーブル MC500

エレクトロ・アクースティックのカートリッジSTS455E、ゴールドバグのカートリッジMedusa、シンメトリーのエレクトリッククロスオーバーACS-1、モンスターケーブルのスピーカーケーブルMC500の広告(輸入元:バエス)
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

ELAC

エレクトロ・アクースティック ESG794E

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 新シリーズのキメ細かく滑らかで、優れた解像力をもつフレッシュな魅力を聴くための典型的なモデルだ。

エレクトロ・アクースティック STS455E

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 前シリーズの傑作モデルだ。スムーズなレスポンスと雰囲気の豊かな滑らかな音は多くのファンを魅了。

エレクトロ・アクースティック STS455E

菅野沖彦

最新ステレオ・プラン ’78(スイングジャーナル増刊・1978年7月発行)
「タイプ別本誌特選スピーカー42機種紹介・MMカートリッジ特選3機種2万5千〜3万円」より

 西ドイツのキールにある同社は、カートリッジのメーカーとして非常に古い歴史をもっている。隣の国デンマークのオルトフォンと非常に似た性格をもっていると言ってもいいかもしれない。この会社はMM型のカートリッジの特許をシュアーと二分してヨーロッパでもっているというメーカーで、カートリッジ・メーカーとしてはサラブレッドであるということになろう。このSTS455Eを含むこのシリーズには555、655というッパー・モデル、そしてその下に355、255、155というロアー・モデルがあるが、455はそのアッパー・ミドルという所に位置するカートリッジだ。
 この会社のカートリッジに共通して言えることは、オルトフォンの音にも共通することだが、さらに豊かな、美しいつやとまろやかな味をもっているところが、このカートリッジのよさだと思う。音の質感をわれわれ人間の感覚に快い触感で再現してくれる。決してハーシュな、耳に鋭くキンキンくるような音は再生しない。そういうところにエレクトロ・アクーステイックのカートリッジのよさがある。455は中でも帯域バランスが非常に穏かである。この上の555になると、さらにハイが伸びている。そのため、針圧も、455が1・5グラムに対して、555の場合コンプライアンスが高いために、1グラムというトラッキング・フォースになっている。そういった点からして、555も確かにすぐれたカートリッジではあるが、一般性という意味からすると455が最も使いやすく、しかもハイパフォーマンスの得られるカートリッジだと、自分では位置づけているわけだ。
 私自身が録音したレコードを聴いても、意図した音の質感が忠実に再現されているように思う。自分で録音したレコードがそう鳴るということは、もとの音を知るべくもないほかのレコードについても、おそらくそのレコードのもっている特質をよく再生してくれるであろうという信頼感、そうした物理的な信頼感と同時に、このカートリッジのもっている再生音の肌ざわりが、私の感覚には非常に好ましい状能で、楽器の生き生きした生命感をよく伝えてくれる。さらにプレゼンスというか、ステレオフォニックな立体録音の空気感とでもいうか、こういったものを非常によく再現してくれるし、トラッキングが非常に安定し、音楽表現に生きた血が通うなど、その魅力は沢山見出すことがてきる。
 ということを、引っくり返せば、ある程度鈍感だとも言えなくもないが、しかし、むしろ高度な実用性という点が、ある特定の条件の中でしか好ましい再生音を聴かせないようなものよりはいいと思う。こうした点から、エラック(エレクトロ・アクーステイック)のSTS455Eは現在のMM型カートリッジの中で、私が非常に好ましいと思うものの一つに入る。もう少しレコードその他の扱いで神経質になれるマニアの方なら、555をお使いになるのもたいへんにすばらしいと思うが、しかし、現実にはレコードをはれものにさわるように、ほこりが一つもつかないよ
うにという管理は、実験室内ですらなかなかできることではない。そういう点ではこの455の方が安定していると思うし、同シリーズ中のベスト・カートリッジと考えている。

エレクトロ・アクースティック STS455E

瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

MM型の枠を一歩踏み越えて音楽の核心に迫る生命力に満ちた音質。

エレクトロ・アクースティック STS455E

菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

すべての音楽を生き生きと血の通った表現で聴かせる安定した製品。

エレクトロ・アクースティック STS555E

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 エレクトロ・アクースティック社の最高機種である。この上にSTS655D4という高価格品があるが、これはCD−4用のワイドレンジヴァージョンで、2チャンネルレコード用としては、555Eのほうがバランスがよく、事実上は、これが最高のカートリッジとなる。455の豊かさに高域の繊細なのびが加わる。

エレクトロ・アクースティック STS255-17

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 STS155−17にくらべると、高域の音色がコントロールされて、音のバランスがずいぶん違ってきこえる。この差は好みの問題、あるいは主として鳴らす音楽のジャンルの問題だが、255の方がややクラシック向きに高域に艶を乗せて鳴らす。ただし、輸入品でこの価格では、品位を論じるのはまだ無理。

エレクトロ・アクースティック STS255-17

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 155−17の上級機で、可聴帯域のバランスは155同様、きわめてバランスのとれたものだ。特性的には155と大きな違いはないが、こちらのほうが一段とニュアンスの再生に繊細さを持っている。そして、柔らかい、プレゼンスの豊かさが加わって、一つ透明感でも上の製品であることがわかる。手堅い中級品。

エレクトロ・アクースティック STS155-17

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 エレクトロアクースティックのシリーズ中で最下位にあるのがこの製品だが、さすがにMM型の元祖だけあって、実にまとまりのいい音を出し、トレース能力も、決して安物のそれではない。さすがに、高域ののびや繊細感は無理だが、音楽に必要な帯域でのクォリティは高い。品位の高い普及品である。

エレクトロ・アクースティック STS155-17

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 輸入カートリッジで8700円というウソのような価格。むろんこういう廉価版だけに、音に繊細さや品位を高望みしても無理だが、国産ではなかなか得がたいヴァイタリティある線の太い、大づかみなバランスの良い鳴り方は、もっと注目を集めていい特徴。ローコストプレーヤーに加えてみると面白い。

エレクトロ・アクースティック STS455E

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 西独エレクトロアクースティック社のシリーズ中、最もコンベンショナルな安定性と高い特性とがバランスしたカートリッジがこのSTS455Eだ。豊かな中低域は、いかにもドイツ人好みの音のバランスで、音楽のあるべき姿を、がっしりと安定して支える再生音である。音の質感も、弾みと立体感がよく、決して平板な印象にならない。デリケートなニュアンスから、大振幅へのトレーシングの安定性さが抜群の信頼性を持つ。

エレクトロ・アクースティック STS455E

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ナマの楽器の持っている艶やかな色っぽさを、むしろ実物以上といった感じで美化して鳴らす。こういう鳴らし方を国産品は絶対にしない。レコードの音すべてにやや脂っこい磨きをかけて、そこにSTS455Eでなくては聴けない独特の世界を展開する。555Eの音はもっと繊細だが、455Eの独特の音の厚みと力づよさの方が、あらゆる音楽ジャンルによく合う。1・3グラム以上の針圧でトレースが安定する。

エレクトロ・アクースティック STS555E

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 一個だけでいろいろな種類の音楽(楽器または編成のちがい、音楽ジャンルのちがい)を鳴らし分けるなら455Eの方が一般性が強いが、555Eはより繊細でデリケートな音質で、対象をやや選ぶにしてもこの独特の色彩感は、他に類のないおもしろさだ。ただ、針圧の変化にかなり敏感で、アームが難しい。

エレクトロ・アクースティック STS455E

菅野沖彦

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 ドイツのエレクトロ・アクースティック社は、最も早くからMM型ステレオカートリッジを開発したという実績をもつメーカーである。この455Eは、そのメーカーの最新モデルの一つだが、最も音のバランスのよいカートリッジとして一流品に挙げたい。

エレクトロ・アクースティック STS155-17, STS255-17, STS355E, STS455E, STS555E, STS655-D4

井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 エレクトロ・アクースティックのカートリッジは、ステレオ用として初期から完成度が高いMM型の製品があり、米シュアーと双壁をなした存在であった。音色は、やや乾いたソりッドなものであるが、最近では、滑らかさ、柔らかさが加わり、現代的傾向が見られる。
 STS655D4は、CD−4システム用のモデルで、音の粒子が微粒子型で滑らかさがある。低域はソフトで甘く、中低域あたりに間接音成分がタップリとつき、厚味はあまりないが、薄くしなやかで強調感がないナチュラルな暖かみがある。
 STS555Eは、粒立ちが細かく、適度の帯域バランスが保たれた安定した音をもつが、低域が甘く、中域の密度が不足しがちで、音がピタリと決まらない面がある。表情はストレートで、やや素気なく、抑揚を抑える傾向がある。ヴォーカルは柔らかくゆとりはあるが、細身となり軽くなる。ピアノはキレイだが、やや実体感が乏しい。音場感は、柔らかな拡がりがあるが、音像定位はあまりクリアーではない。
 STS455Eは、全体に柔らかく、甘い響きがあって、ゆったりとした雰囲気があるが、低域は甘く、悪くするとベトつく感じとなる。ヴォーカルは、適度にリアルさがある落着いた印象で、ピアノはスケール感豊かに響くが、いま少し明快さがほしい感じだ。性質はウェット型で、おだやかな良さがあるが、積極的な働きかけが、やや足りぬようだ。
 STS355Eは、全体の音が引き締まり力強く明快に音を決めていく魅力がある。帯域バランスはよくコントロールされているが、上級モデルよりはレスポンスが狭い。粒立ちは粗いタイプだが適度に輝きがあり、破綻を示さずに音を鋭角的に処理をする。表現は線が太く骨太でラフな感じもあるが、力感があるため安定感につながるメリットがある。エレクトロ・アクースティックの製品中では、プログラムソースやコンポーネントシステムとの対応性の幅はもっとも広く、安心して使えるカートリッジである。
 STS255−17は、音の粒子が上級モデルよりも粗くなり、聴感上のSN比が気になる場合もある。聴感上の帯域バランスは中域が充実した安定型だが、レスポンスはあまりワイド型ではない。低域はソリッドで腰は強いが、あまり伸びがなく、中域から中高域がやや硬調で骨太な感じがあり、艶が不足し乾いた感じだ。全体の音は、明快型でクリアーなタイプだが、ヴォーカルは、やや大柄でハスキー調になる。ピアノは、力はあるが、スケールが小さく硬質に輝く。クォリティは、この価格の平均的で、355系のジュニアモデルといった印象が強い。
 STS155−17は、粒立ちはかなり粗く、粒子が大きいが、適度に磨かれた丸味があり刺激的にはならない。帯域バランスは、中低域にウェイトをおいたカマボコ型のレスポンスをもち、高域は低域よりも急峻に下がっているようだ。全体の音の響きに柔らかさがあり、豊かで柔らかい音に加え、スッキリした低音感も、高級品らしい。

エレクトロ・アクースティック STS155-17, STS255-17, STS355E, STS455E, STS555E, STS655-D4

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 西独のもっとも伝統を誇る音響メーカー・エラックはハイファイ初期以前から専門の音響電機変換器の名うてのメーカー。日本市場で名を知られてきたのは比較的新しいが全ヨーロッパのこの分野での草分けでもある技術技術力を背景とした優秀なカートリッジは文字通り世界トップクラスだ。全体にバランスの良い音と中声域でのソフトながら充実した鳴り方が、他の米国製品などにない魅力的要素として重要なポイントだ。一般にMM型の中音域はMC型にくらべてどうも希薄になりがちなものだが。
 STS155-17は最下クラスである。この上の品種STS255-17と共に円錐針で、針圧もこの2種がやや大きい。一万円台の前後にあるこの2種は共に高出力MM型でサウンド的にもよく似ていて安定した低音と、バランスの良い帯域が特徴。155の方がいく分低音での力強さを持ってより若いファンを意識したものといえる。あまりこまかな表情は望むのが無理だが、大づかみに捉えて音楽の楽しさをよく出してくれる。高域での鮮かさもほどほどにおさえていて、安物というイメージは全然ない。
 STS355Eは一段と軽針圧のSTS455Eと並んで楕円針つきの主力品種だ。きわめて広い帯域特性は、音溝に針先の入ったときのスクラッチの音の静けさからも判断できる。このクラスになるとソフトな感触ながらも音の粒立ちの良さが出てきて、クッキリとした音のディテールが中域から高域にかけて一段と加わる。歌などでこれが、美しい生々しさを作る。重低音域での豊かさは455系で、音をマクロ的にまとめる。
 ステレオ感の自然で、拡がりの良いのもこのクラスの大きな特長だ。エラックサウンドの特長ともいうべき豊かな音の厚さは、ステレオ感の十分なる拡がりが大きな貢献をしていよう。低域で音がゆったりしていながらその音場がふやけたりくずれないのも、エラックのMMの良さの重要なポイントだ。こうした特長はエラック共通のものだが普及クラスではそれが十分に出てこないが。中級品でははっきりと音像のスケ-ル感と定位の良さを誰しも認めることができよう。
 STS455Eでは355よりさらに暖かさとか自然感が増して、一層聴きやすいが、粒立ちはさらにこまやかで、分解能力も一層向上している。
 STS455のさらに上級機種がSTS555Eである。高域の拡張が一段と増し、音域全体にわたってサウンドとしてもスッキリとしたイメージだ。低音域も高音域もよく延びているが、力強さという点はずっと押えて、きめのこまかい音だ。楽器の多い時にその細部まで十分にクローズアップさせるほどに、粒立ちがこまかい。しかも全体の厚さも出せる。ただ、中声域のゆたかさ、あるいは厚さとなると455に一歩をゆずる。
 STS555Eをより広帯域化させた上、その針先をシバタ針にしたSTS655D4は、CD-4対応型だ。超高域でのカッチリとしたきめこまかさを一段と充実させた音でその違いは確められるが、ステレオ時の音の厚さとかゆたかさが少々物足りなくなるようだ。

エレクトロアクースティック STS455E

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 以前のシリーズよりも音色はやや冷たく硬質な方向になり、この音を金属的と形容する人もある。万能型ではない。この上に555、655とあるが455の方が使いやすく安定。

エレクトロアクースティック STS555E

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 MM型の元祖としての貫録が製品にやっと反映した優秀品。トレースと音の安定性はすばぬけ、中域の充実感もヨーロッパ製品らしく、広帯域再生用のもっとも好ましい優秀品。

エレクトロアクースティック STS155

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ややソフトな中域と優れたバランスは豊かな低域が大きい支えだ。針圧に対する余裕が幅広いユーザーに適応しよう。ヨーロッパ製を、というときには誰にも推められよう。

エレクトロアクースティック STS455E

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 実に充実感を豊かに感じさせるカートリッジ。内声の厚み、低音の弾性と豊かさは音が決して無機的な冷たさにならず、音楽に生命感を与える。トレーシング能力、安定性も一級。

エレクトロアクースティック STS455E

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 シュアーなみに使いやすく、性能面でも最高級655に匹敵する実用的な高級品。米国系のMM型の線の細い音に不満の際、選ばれる最右翼のMM型として推薦ナンバーワン。

エレクトロアクースティック STS555E

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ハイ・コンプライアンスの限界といってもいい高性能カートリッジ。音のバランスとしては455Eのほうが美しいが、この繊細でのび切った高音、中低域の豊かさも魅力的。