Category Archives: アクセサリー類

オーレックス FM-2000

岩崎千明

週刊FM No.8(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 アンテナなんていうものは特殊なんで今まで専門も専門、アンテナだけ作ってるメーカーの独占商品だと思ってたらなんと東芝が出したってわけ。なんでまた、というなかれキミ。オーレックスのチューナーは、国内製品はおろか世界中を見渡してもちょっと例の少ないシンセサイザー・チューナー。それも周波数デジタル標示だよ。スゴイネ。これだけのチューナーを出してりゃどんなアンテナをつけたとき本領を発揮してくれるんだい、とユーザーからいわれるにきまってる。だからFM2000なのだ。つまり、このアンテナをつけさえすれば、スゴイチューナーが一層スゴイ性能を出せるっていうものさ。
 しかし、FM2000、いままでのがらばかり馬鹿でかいFMアンテナとは違って、キミの手を拡げた時よりもひとまわり小さいくらいだ。だからといって、テレビ用を代用してるのと違って、ちゃんとしたFM専用なのである。つまりFMバンドの全域に対してほぼ同じような感度を得られるように作られている。確実にひとまわりは小さくまとめてあって、全体がすごく軽い。だから今までのように大げさにならず、どんな場所にも取り付けられるっていうわけだ。ちょっとやってみたけど、天井近くブームの一方を片持ち式に取り付けても軽いからビクともしない。チューナー付属のフィーダー・アンテナの時に苦労するステレオ放送でのノイズっぽさが驚くほど直る。

フィデリックス SH-20K

菅野沖彦

ステレオサウンド 130号(1999年3月発行)
「いま聴きたい魅惑のコンポーネント特選70機種」より

 数年前に本機SH20KをSS編集部から借用して試用した経験があったが、その効果が忘れられず、今回あらためて使ってみた。結果として現在のCD再生にとっては「レコード演奏家」のツールとして有効なものであることを確認したので、ここで取り上げることにしたものである。これを使ってみると、楽音に含まれる音響成分の周波数帯域として、20kHz以上の成分が、われわれ人間の耳と脳の感じる自然感、あるいは快感にとって重要であることが認識されるであろう。このことはここ数年実験しているスーパーCDの聴感テストでも明白な事実である。DVDオーディオやSACDは、周波数帯域を従来の20kHzの録音限界を大幅に拡張するだけではなく、ダイナミックレンジやレゾリューションをも飛躍的に向上し得るものであるから、その効果は高域にとどまらない。低域の解像度及が上がることによる音質改善も私自身、実際に録音再生を通して確認している。しかし、ハードとのバランスでスーパーCDがプログラムソースとして豊富に提供されるには、未だかなりの時間が必要と思われるし、現行CDの豊富なレパートリーは、永遠に貴重な音楽の宝庫である。したがって、デリケートな耳の持ち主は、それらをよりよい音で聴きたいのは当然であろう。20kHz以上の高域ノイズ成分を加えるというと、ノイズという言葉に知的拒絶感を起こす人が多いようだが、音を知性だけで聴いてはいけない。第一、それらの超高域成分は、まったく同じとは言わないが、自然音響に含まれるものも、人間の聴感能力からしてみても、もはや、限りなくノイズに近い成分と考えられる。先入観は禍いのもとである。そして、ここでも音楽と絵画にとっては音と色自体には、優劣、正邪はないと言えるのである。感じて欲しい。

ダイナベクター SS-Adp

菅野沖彦

ステレオサウンド 130号(1999年3月発行)
「いま聴きたい魅惑のコンポーネント特選70機種」より

 ダイナベクターのSS−Adpは本誌でも試用記事をご紹介した製品で、同社の社長で、波動工学の専門家でもある富成博士の独自の新しい音響波動理論に基づく、SSS再生のためのプロセッサーである。詳しくは、本誌127号の記事を参照していただきたいが、富成博士はホール空間における演奏が創成する複雑な音響成分の解析の結果、従来、立体感の要素として知られてきた位相差や時間差とはまったく別の、異なる音速現象に着目され、これが空間感はもちろんのこと、人間の耳による音響体験のリアリティに重要な効果を持つことに注目された。これは今日までまったく無視されてきた未解析の要素と言ってよぃであろう。したがって、これは今日広く普及しているDSPによるアンビエンス・プロセッサーとは別物なのである。このプロセッサーを、音楽音響再生の総合的な理解とセンスで上手に使えば、アンビエンス効果が表現上必要な性格を持つカテゴリーの音楽にとっては、素晴らしい効果が得られると同時に、顕著な音質改善にもつながる「レコード演奏家」のためのツールである。音楽は音による無限のイメージ表現であるから、空間感を拒否する音楽もあるし、音楽にとっては素材である音の美しさというものは、画家にとっての色彩と同じであって、音や響き自体、そして色自体には優劣、正邪はない。音楽によっては間接音や残響感を拒否するものもあることはいまさら言うまでもないことである。録音コンセプトにもよるが、ホール音響の響きが大切なクラシック音楽の多くにあっては、現在の2チャンネル・ステレオ録音には極めて豊かな音響成分が収録されているソースが少なくない。このプロセッサーは、そこからリアリティに重要な成分を創成するもので、それはマルチチャンネルでは不可能なアンビエンス成分が得られるものなのである。

パーフェクトサウンド CD CONTROL, GP-224

パーフェクトサウンドのCDクリーナーCD CONTROL、アクセサリーGP224の広告(輸入元:東志)
(サウンドステージ 26号掲載)

perfectsound

オーディオテクニカ AT-NF122, AT-NF103

オーディオテクニカのアクセサリーAT-NF122、AT-NF103の広告
(サウンドレコパル 1994年夏号掲載)

オーディオテクニカ

アクロテック 8N-S1000, 8N-A2090, etc

アクロテックのケーブル8N-S1080、8N-A2090などの広告
(サウンドレコパル 1994年夏号掲載)

アクロテック

オーディオ・フィジック Brilon1.0, アディトン OPERA, パワー・ウェッジ Power Wedge 116

オーディオ・フィジックのスピーカーシステムBrilon1.0、アディトンのプリメインアンプOPERA、パワー・ウェッジのアクセサリーPower Wedge 116、Power Linkなどの広告(輸入元:スキャンテック)
(サウンドレコパル 1994年夏号掲載)

Brilon

その他のジャンルのベストバイ

菅野沖彦

ステレオサウンド 77号(1985年12月発行)

特集・「ジャンル別価格別ベストバイ・362選コンポーネント」より

 その他というジャンルは複雑だ。アクセサリーということになるのだろうが、その必要性、重要性は各人のオーディオ観に関わることだろう。グラフィックイコライザーを嫌う人々に、いくら優れた製品だといっても始まらない。その必要性や重要性の説得をしている余裕はここにはない。僕が選んだアクセサリーはグラフィックイコライザー3機種、デジタルディレーを使った音場プロセッサー1機種、そして、PCMプロセッサー1機種がある。いずれも僕自身使ってみてよかったもの、あるいは便利だったもの、そして面白かったもので、選ばなかったものにも、使ってみれば選びたくなるものが多いと思う。
 アキュフェーズG18は、現在一般に入手し得るグラフィックイコライザーの中で最も優れたものだろう。テクニクスSH8075もそれに準じるものである。サンスイSE99はもっとも多機能で面白い製品だが、イコライザーとしての分割周波数は12バンドなので、精度の点では普及モデルということになる。ソニーPCM553ESDは、オーディオインターフェイスとして、多機能で優れたPCMプロセッサーである。ハイクォリティのデジタル録音をしたい人には推めたい製品。ローランドDSP1000はデジタルディレーとマトリクス・クロス・フィードバックの音場プロセッサーとして現状ではたいへんよく出来た製品だと思う。将来は、デジタル信号を直接コントロールして最終段階でDAコンバーターを介してアナログ出力する方式が望ましいが、現状ではADコンバーター、デジタル処理、DAコンバーター、アナログ出力という、このシステムが十分使えるレベルに達した。詳しく述べる余裕はないが、これからのオーディオの音質改善策として、いたずらに効果を追うのではなく、豊かな音楽空間に溶け込むことが可能なこの種のシステムに対して僕は積極的にその効用を認めるものである。

その他のジャンルのベストバイ

井上卓也

ステレオサウンド 77号(1985年12月発行)

特集・「ジャンル別価格別ベストバイ・362選コンポーネント」より

 その他のジャンルでは、かなり幅ひろい商品が存在しているため、他のジャンルの製品とは、ベストバイの選出そのものが、相当に異なるといった印象が強い。
 今年の新しい傾向として、デジタル技術をベースとしたオーディオ製品の実用化がトピックス的である。その第一は、デジタルディレーや、デジタルリバーブの製品化があげられる。ローランドのDSP1000ユニットと、パワーアンプをもつマランツRV55がその2機種だ。
 DSP1000のセミプロ用といった機能優先の簡潔な設計は、それだけにかなり魅力的な存在で、プリアウト機能、左右独立のディレーアウト、あるいは基本的原音賀、デジタルノイズの少なさなど、大変に優れた製品である。ただしボリュウムと同軸型のディレーミキシング調整は、初期変化がやや急激で、少しの慣れが必要だ。
 RV55は、デジタルリバーブも使えるのが最大の魅力であり、グラフィックイコライザーはパワーアンプが組みあわされているのが実用上で便利なシステムである。試聴用に借用した製品は、サンプル品で、やや不可解なマトリックススイッチの効果や、グラフィックイコライザー使用時のSN比の劣化、さらに、デジタルノイズなどの問題点もあったが、実際の製品では当然のことながら改良されていると思う。DSP1000との基本的な違いは、ローランドでは既存のスピーカーと同じ、聴取位置前方にディレイ出力用スピーカーを壁に向けて設置する前面型を推賞することにくらべて、マランツの方式は、ディレー/リバーブ出力用スピーカーをかつての4チャンネル方式と同様に後面にむいて、サラウンド的に使う構想であるのが対照的である。いわば、純粋な2チャンネルステレオのハイプレゼンス化とAVサラウンド的な使い方の違いといってよいだろう。
 同様にデジタル技術を駆使した分野にPCMプロセッサーがある。締切り時点では、サンスイPC−X11を選択し、生産品の試聴テストを行う予定でいたが、現在までに現実の製品が約束に反して届かず、PC−X11の選出は取下げる他はない。これに変わり、締切後に試聴したソニーPCM553ESDは、単体使用でもPCM701をしのぎ、デジタルノイズの皆無といってよい見事な力感と厚みのあるデジタルサウンドを聴くことができた。さらに、DAS703ESと組み合わせて、より高元のシステム化が可能なことも楽しい。
 ティアックAV−P25は、ノイズフィルター付ACテーブルタップといえる製品だが、デジタル機器やAV製品と同居が強要されるアナログ機器への干渉を減らす意義は大きい。
 ヤマハGTR1Bは、板厚の部分にある材料を使ったオーディオBOXである。予想以上に振動に弱いCDプレーヤーに好適である。

その他のベストバイ

井上卓也

ステレオサウンド 73号(1984年12月発行)
特集・「ジャンル別価格別ベストバイ・435選コンポーネント」より

 LDプレーヤーとCDプレーヤーを同じ筐体にまとめ、さらに、LDの音声をデジタル化したLDDにも対応可能なパイオニアCLD9000は、LD、CDともに、低域の厚み、安定感で、質的な向上があり、価格的にも文字どおりベストバイのトップランク商品だ。これに、CDのユーザーズビットのディスプレイが加われば完全だ。
 PCMプロセッサー関係はEIAJフォーマットが14ビットであること、長時間録音可能に対応する選曲や頭出し機能の問題などもあって、特殊なオープンリール的需要の域を出ないようだが、βIIIで使用可能なプロセッサー、ソニーPCM501ESは、リーゾナブルな価格も魅力的である。サウンドプロセッサー関係のdbx4BXはエキスパンダーとして最高のモデルで、この威力は、まさに、麻薬的な恐しい魅力とでもいえよう。待たれるのは、デジタルディレイユニットなどの登場である。

マクセル LR

マクセルの乾電池LRの広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

Maxell1

ハイテック DS7004A, MUSIC’N, SC-5, LH, LN

ハイテックのアクセサリーDS7004A、MUSIC’N、SC5、カセットテープLH、LNの広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

HITEC

オーディオテクニカ AT160ML/G, AT150E/G, AT140E/G, AT130E/G, AT120E/G, AT37E, AT34EII, AT33E, AT32EII, AT31E/G, ATH-0.1, ATH-0.2, ATH-0.2F, ATH-0.4, ATH-0.6, AT666EX, etc…

オーディオテクニカのカートリッジAT160ML/G、AT150E/G、AT140E/G、AT130E/G、AT120E/G、AT37E、AT34EII、AT33E、AT32EII、AT31E/G、ヘッドフォンATH0.1、ATH0.2、ATH0.2F、ATH0.4、ATH0.6、アクセサリーAT666EXなどの広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

AudioTechnica

マクセル SC-441, NF-112

マクセルのスタイラスクリーナーSC441、ノイズフィルターNF112の広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

maxell

テクニクス SH-8000, SH-8065

テクニクスの測定器SH8000、グラフィックイコライザーSH8065の広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

SH8000

日立電線 OFC AUDIO CABLES

日立電線のケーブルOFC AUDIO CABLESの広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

Hitachi

オラソニック SR-831S, DF-100, LT-5, DS-200G, DS-250, DS-500G, GT-1000, SG-2E, AV-1, AV-11, AV-101, RC-1, SP-7, BC-1, BC-1B, NC-1

オラソニックのケーブルSR831S、アクセサリーDF100、LT5、スタビライザーDS200G、DS250、DS500G、スタイラスタイマーGT1000、インサイドフォースチェッカーSG2E、ヘッドシェルAV1、AV11、AV101、クリーナーRC1、SP7、BC1、BC1B、シェルリードNC1の広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

Orsonic

ノリタケ NC-02, Ceramic Base

ノリタケのスタビライザーNC02、スピーカースタンドCeramic Baseの広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

Noritake

ジェルマックス JPC, CL-10EX, ALW-30, CHA-1

ジェルマックスのケーブルJPC、シェルリードCL10EX、配線材ALW30、ヘッドシェルCHA1の広告
(オーディオアクセサリー 27号掲載)

Jelmax

ラスク I-5025, I-4030

ラスクのインシュレーターI5025、I4030の広告
(別冊FM fan 33号掲載)

RASK

ラスク B-206S, B-6030, BF-2010, BF-3020

ラスクのアクセサリーB206S、B6030、BF2010、BF3020の広告
(スイングジャーナル 1981年9月号掲載)

ラスク

ラスク P-6, I-5040MKII

黒田恭一

別冊FM fan 31号(1981年6月発行)
「ちょっと気になるコンポパーツ18 インサイドレポート」より

 ラスクとは何か。ラスクを作っているユニチカ株式会社の説明によれば、「吸音と遮音、そして吸振に圧倒的な威力を発揮する全く新しい特殊金属」ということになる。そのラスクをどのように使うか。方法はいくつかある。まずスピーカー内部に挿入する吸音材、整音材、補強材としての使い方があり、プレイヤーのインシュレーターとしての使い方があり、さらにスピーカーのインシュレーターとしての使い方や音場補正用のパーティションとしての使い方などがある。
 いずれにしろ、当たり前のことであるが、ラスクは直接音を出さない。この直接音を出さないものをいかに意識するかが難しい。コンポーネントの中での例えばプレイヤー部分のフォノモーターやアームに対する意識とカートリッジに対する意識では微妙に違わないか。
 エクスクルーシヴのP3というプレイヤーを使っているが、ちょっと疑問に思えたところがあったので、アームをオーディオクラフトのAC4000リミテッドに替えた。音が変わった。目を見張るばかりの変化であった。むろん好ましい歓迎すべき変化であった。いくぶんきつくなりがちであった音がしなやかになった。
 そういうことがあるのはわかっていても、しかし、より直接的に音が変わる、例えばカートリッジとか、あるいはスピーカーなどに対する意識の仕方と、アームやフォノモーターに対する意識の仕方とが全く同じとはいいがたい。その面でラスクは当然カートリッジやスピーカーよりアームやフォノモーターに近い。
 しかもラスクはオーディオの世界への新参者である。うさんくさげに思われるのはやむを得ないことと言うべきである。オーディオ雑誌の広告ページでのみラスクを知っていたときには、なんだこれはといった感じで、とてもそこでうたわれている効用を信じるわけにはいかなかった。
 一聴は百読にしかずとでも言うべきか。試みに自分の部屋で使ってみて、びっくり仰天した。それまで胸の中でもやもやしていた疑いの気持ちは、実際に聴いてみて、一掃された。カートリッジを替えたとき、あるいはスピーカーを替えたときとは明らかに違う、しかし基本的な違いが、ラスクを使う以前と以後とではあった。
 ただ、ラスクをスピーカー内部に挿入する使い方については、友人たちの言葉を信じればなかなか効果的ということであるが、自分では実際に行ったことがないのでなんともいえない。それに念のために書き添えておきたいが、ラスクの効果は部屋の条件などによって大変に違うようである。非常に効果的な場合もあり、そうでもないこともあるようである。使ってみようとお考えになったとしても、いきなり買ってしまうのは危険かもしれない。できることなら実験的に試用した後に購入するかどうかを決められることをおすすめしたい。
 今は、P3の下にプレイヤーのインシュレーターとして使い、 JBLの4343の下にスピーカーのインシュレーターとして使い、さらにふたつのスピーカーの周辺でパーティションとして使っている。なお、partition とは、ついたて、仕切り、障害をいう言葉である。
 インシュレーターとして使うのと、パーティションとして使うのでは、その効果が必ずしも同じではないように思う。自分の体験をもとにいえば(こういうことはできるだけ正直に書こうとしたら自分の体験をもとにいうよりない)、まずインシュレーターとして使い、ついでパーティションとして使った。
 最初にプレイヤー用インシュレーターとしてのラスクをP3の下に置いた。それまで気づかずにいたノイズが消えたような感じになった。音がすっきりきれいになった。このラスクの効用については、一度FMfanの一九八一年第十六号に書いたことがあるが、そのときには「それまで汗で黄ばんでいたのを知らずに着ていた白い地のワイシャツを漂白剤を溶かした水につけたようなものとでも言うべきであろうか」といったような言い方であった。
 プレイヤー用のインシュレーターにしろ、スピーカー用のインシュレーターにしろ、ともかくインシュレーターとして使ったときには、音の漂白作用としての効果が絶大である。同じレコードをかけて、ラスクのインシュレーターを使う前と後とでは、音の静けさという点で誰の耳にもわかる違いがある。さっきまで聴いていたレコードを、ラスクのインシュレーターを置いてから聴き直すと、これがあのレコードかと思えるほどである。
 そのことを確認した後に、パーティションとして使った。このパーティションとして使った効果については、FMfan一九八一年第十六号でこう書いた。「ひびきは、横にも、奥にも、ごく自然に広がった。定位の良さには、目を見張らないではいられなかった。もっとも、そういうきこえ方には、覚えがあった。そのときのきこえ方は、良賓な同軸型スピーカーの聴かせる音場感と、どこか似ていた」
 ラスクをパーティションとして使い始めてから、おかしなことがあった。オーディオに全く不案内な友人にレコードを聴かせたときのことである。彼は目を丸くして、その中央のスピーカーが一番いいと言った。彼のいう中央のスピーカーとはふたつのスピーカーの真ん中におかれたラスクのパーティションのことであった。
 ユニチカで出している「ラスク読本」というパンフレットには、「『ラスク』パーティションは、使い方も至って簡単。必要な場所、設置に最適な場所を選んで立てるだけでOKです」とある。この言い方は必ずしも正しくない。なぜなら、「使い方」が「至って簡単」とは言いがたいからである。「設置に最適な場所」を探すのがなかなか難しい。
 スピーカーの両横のパーティションの角度によって、音のきこえ方は微妙に変わる。また、スピーカー前面と一列に並ぶように置いた中央のパーティションも前後の位置の決め方が難しい。つまりラスクのパーティションは、使い手に、いささかの使う上での努力を求めるということである。
 しかしながらラスクのインシュレーターもパーティションも、少なくともぼくにとっては、ラスクならではの効果で、なくてはならないものになっている。ラスクを使わないコンポーネントなんて──と、コマーシャルの真似のようなことを言ってみたくなったりする。

ノリタケ NC-02, Ceramic Base

ノリタケのスタビライザーNC02、スピーカースタンドCeramic Baseの広告
(別冊FM fan 30号掲載)

NC02

オーディオクラフト MC-U, OF-1, OF-2, AS-4PL, SD-33, SD-45, SR-6, XW, BS-5, SK-4, XP-1, XC-2, XL-3, AL-7

オーディオクラフトの交換パイプMC-U、オルトフォン用アダプターOF1、OF2、ヘッドシェルAS4PL、スタビライザSD33、SD45、SR6、スピーカーケーブルXW、カートリッジ取付けビスBS5、アームパイプキーパーSK4, RCAコネクターXP1、XC2、XL3、トーンアームスタビライザーAL7の広告
(別冊FM fan 30号掲載)

MC-U

アイコー Resonance Killer

アイコーのアクセサリーResonance Killerの広告
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

resonance