岩崎千明
ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より
すでに20年以上も前に存在したことが不思議なほどの完成度の高いコアキシャルユニットだ。反面、高級品ほど真価を発揮させ難いことをこれほど知らされるのも他にない。
岩崎千明
ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より
すでに20年以上も前に存在したことが不思議なほどの完成度の高いコアキシャルユニットだ。反面、高級品ほど真価を発揮させ難いことをこれほど知らされるのも他にない。
瀬川冬樹
ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)
特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より
Model 2(前号)のところでも書いたが、海外製品の中では最も国産スピーカー的な一面を持っている。国産の一部のスピーカーが一応の線に達したらこの種の音になりそうな鳴り方をする。周波数レインジとかバランスという面からみるとたいそうまともな作り方だ。パワーを入れても絞ってもバランスがくずれるようなこともないし、ともかく一応きちんと鳴らす。ところが他の多くの海外製品がそれぞれの特色を持っているのに対し、ジェンセンには、これといった特徴が指摘しにくい。だからといってこういう音を無色透明だなどという粗末な結論を出してはいけないので、第一このスピーカーも弱点をいくつか持っている。たとえば、ステレオの音像の並び方がわりあいに平面的で、奥行きや幅があまり出にくい。また、ヴォーカルやソロ・ヴァイオリンの独特の艶のある滑らかさが出にくく総体に乾いた鳴り方をするし、ヴァイオリンの胴鳴りのような豊かさあるいは余韻の微妙な響きを断ち切ってしまうようなドライさがある。基本的な音のクォリティがあまり緻密とはいえない。それらは欠点というようなものではないにしても要するにこのスピーカーをあえて採るという特色が乏しいのである。
周波数レンジ:☆☆☆
質感:☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆
解像力:☆☆☆
余韻:☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆
総合評価:☆☆★
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