Category Archives: コス

コス KSP

コスのヘッドフォンKSPの広告(輸入元:山水電気)
(モダン・ジャズ読本 ’82掲載)

KOSS

コス HV/XLC

コスのヘッドフォンHV/XLCの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1980年7月号掲載)

KOSS

コス TECH/2, Technician/VFR, DYNAMIC/10, PRO/4 AAA

コスのヘッドフォンTECH/2、Technician/VFR、DYNAMIC/10、PRO/4 AAAの広告(輸入元:山水電気)
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)

KOSS

コス ESP/10B

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 小型とはいいながらVUメーターの二個並んだ、凝ったアダプターが付属していて、価格も破格といえる。かけ心地の面でも、国産のコンデンサータイプが概して重さを抑えて、耳への当りを柔らかく軽快に作っているのに対して、ずしりと重さを感じさせ、耳への当りもやや強目にできている。アダプターにはパワーの入れすぎに対する保護回路が入っているとの説明だったが、この回路が、意外なことにあまり音量を上げないうちに作動してしまう。クラシックのオーケストラでも、もう少し音量がほしいというあたりで音が出なくなってしまうほどだから、ましてポップスでは、気持のいい、といえるほどの音量まではとても上がらない。国産のコンデンサータイプの方が格段に大音量が得られる。KOSSのダイナミックタイプのあの充実した密度の高い、そして最高にパワーに強い作り方を楽しんだあとだけに、どうにもふに落ちない気持だった。

コス Dynamic/10

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 KOSSの製品としては最も新しいそうだが、完全密閉型という構造から推して、前出のPRO/4AAのところでも書いたようにあくまでも一般鑑賞用としてよりも、プロ用のモニターとしての用途が主であると私は解釈したい。少なくともヘッドフォンをかなりの頻度で使う私自身、自宅での音楽の鑑賞には、密閉型は疲労が大きすぎて好ましく思えない。ただイヤカップにKOSSのサインが入っているというようにこれは自信作とのことで、たしかに、音の緻密でバランスのよいこと、また、比較的小さめの音量から圧倒的なハイパワーに至るまで、音の滑らかさを損なわずに一貫したトーンバランスを保って少しの危なげもなく鳴る点、さきのPRO/4AAよりも一段と品位の高い音質であることは容易に聴きわけられた。その意味では、単にプロの現場に限らず、外部騒音の大きな場所での鑑賞、あるいは逆に深夜周囲に迷惑をかけないためにも有用な製品といえる。

コス PRO/4AA

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 前出のパイオニアのモニター10と同じように、完全密閉型という構造とPRO……という命名からみても、最近ではすっかり定着した鑑賞用のオープンエアタイプとは全く違う目的、つまり録音スタジオ等で、目的の音以外が耳に入ってくることを防ぎたいというモニター的な用途に作られていると解釈すべきだと私は思っている。その意味で、このPRO/4AAはさすがに長いあいだ作られているだけあって、イヤパッドの耳への密着のよさや、重量に対するヘッドバンドの圧力の強さのバランスもよく、遮音効果は相当に大きい。また音質は、いわばスタジオモニタースヒーカーの音をヘッドフォンで再現したというおもむきで、思わず冷汗の出るような音量でも少しもくずれをみせず、力強く充実感のある腰の強い、しかもヘッドフォンならではのディテールの鮮明な音を聴かせる。他社製品から聴くことのできないエネルギー感は、新しいポップス系の音楽に最適だ。

コス HV/1A

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 高音域のそれもかなり高い周波数のあたりと思うが、やや強調された独特の音色があって、そのために一聴して非常にキメの細かい印象の音を鳴らす。これがアメリカの、しかも東海岸の──ということはスピーカーでいえばKLHやARを例にあげるまでもなく概してハイエンドの強調を嫌う傾向のあると理解していたあの東海岸の──音とはちょっと信じがたいほどだ。しかもこのHV/1Aは別にごく新しい製品ではなく、数年前からこの音で作り続けられている。現に私もこの同じシリーズのHV/1LCをもう2年前から常用ヘッドフォンのひとつにしている。話が前後したがHV/1Aの特徴はハイエンドにあるのではなく、それを支える全域に亙ってよくコントロールされた緻密で解像力の高い音色にある。かなりのハイパワーにもその特色はくずれをみせない。ヘッドバンドの圧力はやや強い方なので長時間に亙るとやや耳たぶに疲労の残るのが使用上の弱点。