Category Archives: ウエストレイク・オーディオ

ウエストレイク・オーディオ Lc3W12VF

井上卓也

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

型番からはトールボーイ型を思わせるが、実は少し大きなブックシェルフ型の作品。モニター的な鮮明さをベースに、柔らかさ、豊かさを加えたシステムアップは見事。さすがにチューニング技術に卓越した同社ならではの感銘を受ける力作。適当に置いても、それなりに鳴り、追い込めば期待に応える能力の高さに注目。

ウエストレイク・オーディオ Tower-12

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
「エキサイティングコンポーネント」より

 ウェストレイク・オーディオは、創業当初から大型スタジオモニタースピーカーに焦点をおいた開発によって、高い評価が与えられていた。現在のように、ドーム型ユニットを採用したスタジオモニターが世界的に多用される時代になっても、ことホーン型コンプレッション・ドライバーを中域以上に採用したスタジオモニターでは、依然として世界の王座は揺るがない。
 国内では、比較的スピーカーに近い聴取場所で検聴をすることを目的としたニア・フィールドモニターのBBSシリーズが輸入され、そのトップモデルのBBSM15は、比較的小型なエンクロージュアながら、38cm低域ユニットを2個並列使用(BBSMとはバス・アンド・バス・スタジオモニターの略)、中域に25cmコーン型、高域に同社独自のフレアーをもつトム・ヒドレー・ホーン採用、という充実した構成により、38cmダブルウーファーならではの圧倒的なエネルギー感を小音量時にも聴かせてくれる。
 このBBSMシリーズを横置型のローボーイ型から縦置型のトールボーイ型とし、コンシュマーユースにチューニングが見直されたシリーズが、BBSM−VNFシリーズである。
 しかし、今回初めて輸入されたタワーシリーズは、同社として初めて構想段階からコンシュマーユースに的を絞って開発が行なわれたことが、従来の同社製品とは根本的に異なる点だ。
 現在のタワーシリーズは、今回輸入されたタワー12と、SM1タワーの2モデルである。SM1タワーは超高価格であり、2mを超す高さと超重量級なウェイトなどから輸入されるかどうかは未定だ。
 タワー12は、30cmウーファーを2個並列に使い、その中央に、トム・ヒドレー・ホーン付コンプレッション・ドライバーを配置した、いわゆる仮想同軸2ウェイ型であることが、同社の製品として珍しい設計と思われる。
 当初は詳細が不明なため、従来の同社製品の流れから考えてすべてJBL製ユニットと思われていた。ところが、低域のサウンドキャラクターとコーン紙の質感、エッジ材料、形状、幅などが見慣れないタイプであったため、ユニットのチェックをしてもらったところ、仏オーダックス製HD30P45TSM/Cなるユニットであることが判明し、音も充分に納得できる結果であった。なお、高域コンプレッション・ドライバーは、JBL2426J、2インチ・ダイアフラムで1インチ・スロート径のユニットだ。
 内蔵ネットワークは−12dB/oct.型、入力端子はバイワイヤー対応だがネットワーク出力側に±4個の端子が設けられ、これをジャンパーでショートした状態が標準。外してユニット側端子を使えばエレクトロニック・クロスオーバー対応となるが、本機専用にMRXが別売で用意されている。
 興味深いことは、高・低両ユニットともにバイアンプ対応時にもイコライザー(インピーダンス補正素子?)が、内蔵ネットワーク低域出力には遅延回路が組み込んであることだ。本機の特徴として、インピーダンス変動を抑えた設計と同社が言う由縁である。
 エンクロージュアはMDF材を使っている。その内面、ユニット・フレーム、磁気回路、ネットワークなどは、独自の粘弾性材料による入念な最適ダンピング処理が行なわれているのは、同社のチューニング技術の一部の現われである。
 資料には触れられていないが、円錐型ブロックの中央にバスレフダクトを設けた設計は、木管楽器の開口部の形状により音の浸透性が変化する例に似ており、開口部の乱流を制御して全帯域のチューニングを行なう手段のようだ。
 ナチュラルな周波数レンジと、見事な一体感をもって繋がったフルレンジ型ユニット的なまとまりは、さすがに世界のトップレベルをいく同社技術の成果だ。音のグラデーションを深々と聴かせ、色彩豊かな音は今年の新製品中の最高だ。

ウエストレイク・オーディオ Tower-12

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 全世界からスピーカーユニットを吟味して集め、ウェストレイクならではの個性的、かつ非常に洗練度の高い音とする独自のスピーカー技術は、前例のない見事さだ。当初は全てJBL製ユニットと思われたが、コーン、エッジ部が個となるためチェックをして仏オーダックス製なることを発見して再び驚かされた。音質は抜群の魅力。

ウエストレーク・オーディオ TM-3 Monitor

ウエストレーク・オーディオのスピーカーシステムTM3 Monitorの広告(輸入元:ヒビノ電気音響)
(スイングジャーナル 1981年9月号掲載)

TM3

ウエストレイク・オーディオ TM-2

菅野沖彦

ステレオ別冊「あなたのステレオ設計 ’77」(1977年夏発行)
「’77優良コンポーネントカタログ」より

 アメリカのウエストレイク・オーディオがつくるスタジオ・モニターで、使用ユニットは定評あるJBL2215(38cm)2個、スコーカーは同2440ドライバーにトム・ヒドレイ氏の開発したユニークな木製ホーン、トゥイーターは2420という3ウェイ・バスレフ方式のシステムである。剛性の高いエンクロージュアと圧倒的な高出力音圧レベルで、豪華絢爛のアメリカン・サウンドを満喫できる。

ウエストレイク・オーディオ TM2(組合せ)

岩崎千明

コンポーネントステレオの世界(ステレオサウンド別冊・1976年1月発行)
「スピーカーシステム中心の特選コンポーネント集〈131選〉」より

 JBLのユニットを用いていながらJBLブランドでないところに、このウェストレークの特長があるのだが、その中心となるのは中高音用のユニットとして用いているホーンがトム・ヒドレーのオリジナルホーンである点だ。設計者の名をそのまま冠したこのホーンは、JBL2397をそのままの形でふたまわりほど拡大したような、大型の木製ホーンで、ドライバーユニット2440と組合せ、クロスオーバー800Hz以上を受けもっている。
 JBLのプロフェッショナル用大型スタジオモニター4350と外形がよく似た大型のバスレフレックス箱に収めた2本のJBL38cmウーファーは、初期において2215を採用していたがごく最近は変更したとも伝えられる。JBL4350が、2ウーファーの4ウェイであるのに対して、ウェストレークは、2ウーファー3ウェイ。それは中音の強力なオリジナルホーンで達成されたともいえる。
 高音用として2420ユニットをホーンなしで、そのまま高域ユニットとしているが、磁気回路を貫通する8cmの長さの小さな開口のショートホーントゥイーターといえる。
 このようにJBLのユニットそのものを、ひとひねりして用いているが、4350と価格面ではほぼ同じにあるので、この両者の比較は大変興味をひかれることだろう。もっとも4350も、ごく最近、その特長となるべき中低音用ユニットを変更すると伝えられていて、本当の勝負はこのあとになろう。
 ウェストレークを活かすには独特の中音域ユニットをいかにしてより効果的に鳴らすかという点にかかりそうだ。プロフェッショナルユースとしてのこのシステムを、あらゆるかたちで追い求めるとしたら、マランツの新型パワーアンプこそ、もっとも適切だろう。ハイレベルでも、家庭用としても、音楽の美しさを凝縮してくれよう。プリアンプとして3600は確かにひとつのベストセレクトには違いないが、プロのみのもつ最高レベルのSNを、ここではぜひ欲しい。家庭用としてのポイント、ダイナミックレンジの飛躍的拡大を考えれば、SNのよいプリアンプが要求され、クワドエイトのプロ技術で作られた、小型ミクシングコントロールにフォノ再生仕様を加えたLM6200Rが、今日考えられる最高と断じてもよかろう。カートリッジは、プロ用機から生れた103Sを使うことにしよう。

スピーカーシステム:ウェストレーク TM2 ¥1,200,000×2
コントロールアンプ:クワドエイト LM6200RI ¥760,000
パワーアンプ:マランツ Model 510M ¥525,000
ターンテーブル:デンオン DP-5000F ¥78,000
トーンアーム:デンオン DA-305 ¥19,000
カートリッジ:デンオン DL-103S ¥27,000
計¥3,809,000