菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
世界初のDSD録音方式によるスーパーCD”SACD”を再生するプレーヤーである。開発者らしい力作で、高剛性メカニズムを採用した高級プレーヤーだ。アクセスタイムが少々遅すぎるのが気になるが、それもせっかちな人にとってであって、このくらいのほうがよいとも言える。CDもしっかりした質感で再生する。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
世界初のDSD録音方式によるスーパーCD”SACD”を再生するプレーヤーである。開発者らしい力作で、高剛性メカニズムを採用した高級プレーヤーだ。アクセスタイムが少々遅すぎるのが気になるが、それもせっかちな人にとってであって、このくらいのほうがよいとも言える。CDもしっかりした質感で再生する。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
「TEST REPORT 2001WINTER 話題の新製品を聴く」より
デンマークのオルトフォンは元気である。カートリッジの新製品を2000年にも発売した。アナログファンにとって同社の健在ぶりは嬉しい。
新しいカートリッジの名前はコントラプンクト(KONTRAPUNKT)と呼ばれる。英語ではカウンターポイント(COUNTERPOINT)つまり対位法の意味である。J.S.バッハの没後250周年を記念して命名されたものだそうである。
1999年1月に発売されたMCジュビリー(JUBILEE)で開発された空芯リングマグネットによるクローズド・マグネティック・サーキットや6N銀線コイルを移植してはいるが、この製品では大幅なコストダウンが実現し、価格は約三分の一にも下がった。カンチレバーはアルミで針先形状はファインライン・スタイラスだが、音はMCジュビリーに比べて、さほど聴き劣りはしない。それどころか、音楽によってはこちらの方が、メリハリがあって力のある表現で好まれると思われるほどである。たしかにMCジュビリーの持つ品のいいしなやかさや空間の漂いの微妙なニュアンスは聴けないから、クラシックの弦楽合奏などでは一歩譲らざるを得ないところもあるが……、ジャズは100%この方がいいと思う。メリハリがあって力感もあるからだ。低音もこの方が張りと弾力性に富んでいる。
筐体は材料に違いがあるのかもしれないが、見た目にはMCジュビリーと同じ型である。色には違いがあって、かたや黒なのにたいし、こちらはチタンカラーの渋いメタリックカラーである。針圧は2・5グラムで聴いたがトレースは安定していてトラッカビリティは大変に高い。45/45の溝の左右の壁面に刻まれた位相が不揃いな大振幅でも難なくトレースしてのけた。この辺りのトラッカビリティとS/Nの良さは、MCジュビリーでも感じたことではあるが、明らかに1980年代初頭のアナログ末期のカートリッジの物理特性を上回っていて、この20年近い間技術進歩がわかる現代カートリッジだという実感がある。あのままアナログ時代が続いたらカッティングもまだまだ進歩したと思われるし、総合的な音の良さや文化レベルは、今より向上したのではないか……などと考えさせられたものである。こういう製品が出るたびに棚のLPを引っ張り出して聴き直したくなるのは筆者だけではないであろう。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
マークレビンソンのCDトランスポートとDACの組合せによるセパレート型プレーヤーである。セパレート型は発展型とも言えるが、もちろん、このコンビで完結する高い完成度を持っている。細密感とソリッドな質感を持つ深い音である。CDシステムとしての完成度が高いが、ヴァージョンアップにも対応する。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
マッキントッシュのCDトランスポートだが、同社のMDA700とのペアでも完成度は高い。もちろん、ディジタル出力は同軸、光TOSを備えているから他のD/Aコンバーターとの組合せも可能である。メカニズムはVRDSを採用している。マッキントッシュ・パネルで揃えると言う意味以上に上質なトランスポートである。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ジェフ・ロゥランドデDG社唯一のインテグレーテッドアンプであるが、その良さが生きた、見るからにタイトでソリッドなアルミ削りだし筐体を持つ魅力的製品。中身は磨き抜かれたサウンドを聴かせるにふさわしい練達の回路技術と構造が詰まり、プリメインアンプの世界での孤高の輝かしい存在感は未だに色あせない。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
アナログディスク・ファンには垂涎のプレーヤーであろう。少々モデルが多すぎて混乱するが、一台一台が手作りであるから、いろいろ作ってみたくなるのもわかるような気がする。なかでは、これはスタンダード・カタログ・モデルといんよいもので、カーボン製のワンポイント支持のロングアーム付きだが音も充分よい。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
80年代前半のCD登場以降、アナログディスクの生産規模縮小にあわせ、多くのカートリッジメーカーも開発をやめてしまったのが、デンマークのオルトフォン社は、その後も連綿と開発を続けてきた。その成果が確実に現われたのがこのモデルで、最新カートリッジとして素晴らしいトラッカビリティと素直な音を聴かせてくれる。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
実に独特な洗練された音を持つイコライザーである。カートリッジの音を素直に聴かせるというよりも、このアンプの音で美化して聴かせるという趣である。平衡入出力端子のみを持つが、アダプターで不平衡にも対応する。同社共通の極めて個性的なアルミ削り出しのユニークなパネルと筐体は美しい。同社のアンプ・ファン向き。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
超弩級サブウーファーの登場である。価格も凄いが、性能も凄いものだから、一度使ったら病みつきになるだろう。純アルミ削り出しのエンクロージュアであり、アンプ内蔵のアクティヴ型である。ローパスは極めて細密にコントロールできるから、充分時間をかけて調整すれば、かなりの効果を発揮するものと思われる。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ボーズ社得意のサブウーファーとサテライトの組合せによる3Dスピーカーシステム「AM5III」を中心に構成されたCD&AM/FMチューナー・ミュージックシステムである。10万円以下で得られる音としては充分納得のいくものであるし、セッティングの自由度の高さと拡張性も持っているので趣味性も高い。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ウエストボロウ・シリーズのヴァリエーションの一つで、CD、AM/FMチューナー付きのミュージックシステム。スピーカーシステムが単体売りの121Vで、バーズアイメープル仕上げの縦型であるために、大人の雰囲気が醸し出されているが、置き場所によってはしかるべきスタンドが必要になろう。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
B&Oの高級ミュージックシステムで、美しい綜合ステレオセンターに、これまた素敵なペンシル型アクティヴ・スピーカーシステムを組み合わせたものである。現代最高の洗練されたセンサブルなミュージックシステムと言って異論はあるまい。音も耳あたりの良さとハイファイの解像度の絶妙なバランスを持っている。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
エクステンデッドK2プロセッシングによるCD再生音の高品位かが実現するDACプロセッサーで、サンプリングレート96kHzにも対応する。入力12系統、出力9系統という豊富なファンクション持つディジタルセンターである。よく練られた音で、独特のしなやかさと甘美さを聴かせる暖かいディジタル音である。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
B&Oのミュージックシステムとしては中級の組合せと言ってよいものである。ウーヴェルチュール・ステレオセンターは縦型のAM/FMチューナー付きCDプレーヤーである。これにBeoLab8000のジュニアモデルであるアクティヴ・スピーカーシステムBeoLab6000を組み合わせたもの。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
CDトランスポートMCD751と同時に開発された20bitDACで、ディジタルフィルターも20bit8倍オーバーサンプリング方式を採用している。アナログ・バッファーが効果的であるせいか、安定したグッド・リプロダクションを実現し、しなやかでなめらかな音触感と、彫りの深い陰影感と立体感を聴かせてくれる。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
これはまさにゴールドムンドの音である。硬質で輝かしく精緻だが、決して冷たくない。どこかに、ほんのり甘ささえ感じられる。かつて、この音をクリーミーな音と表現したが、レア・クリームのそれだ。ゴールドムンドのDACのなかでも、これは秀逸な逸品であると感じられた。2点は制約のためで、本当は3点。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
スピーカー作りでは、現在、我が国No.1のビクターの優れた小型スピーカーシステム。豊かなオリジナリティをもつ設計と、何より、音のバランス、質感の良さが光る。ツボを心得たバランスで、低音は充実しているが重すぎず、大事な中音域が厚い音だし、生き生きした音楽表現には血が通っている感じがする。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ボーズらしさが横溢した小粋なシステムである。この価格で、この音楽的効果はボーズならではの巧みさと言えるであろう。エッジが鮮やかでソリッドな質感もそこそこに味わえ、ワイドレンジ感の演出も巧みである。アイディアとセンスを手慣れた技術で実現する、現代の音の錬金術ならぬ錬音術がボーズである。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
アクースティックラボというよりボレロと言ったほうがとおりがよかったが、今はこのステラ・シリーズがメインストリームである。有名だったボレロ・シリーズの名がもったいないが、ステラもそれに劣らない、よりモダーンなシリーズ。全体に高級機にシフトしたが、これは普及クラスの実力機で、明晰で透明な優れた音。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
アルミ押し出し材によるモダーンでソリッドなコンパクトネスを全身にたたえたエンクロージュアによるエラックの傑作、300シリーズの中の上位機種である。JETユニット搭載はもちろんのこと、310より大きいウーファーを搭載するぶん、スケールが大きい再生音だ。外観にふさわしいカチッとした音が快適である。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ステラ・シリーズの中堅機だが、新素材振動板や贅沢な磁気回路の採用など、充分力の入った製品である。その音は彫琢が深く、明晰でシャープだが、決して神経質ではない。上質の音で音楽が躍動する優れたスピーカーシステムである。作りと仕上げの良いエンクロージュアも美しく、愛せる逸品である。
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ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
同社の高級クラシカル・シリーズであるプレスティッジ・シリーズのベーシックモデルである。25cm口径コアキシャル・ユニットは半世紀以上の伝統を持つ基本設計を踏襲するが、現代的な特性にリファインされている。同軸型らしい定位の明確さを持ち、ウェルバランスで重厚、しなやかな質感を併せ持つ。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
ステラ・シリーズの高級機。この上に「ステラ・エレガンス」という最高機種があるが、あれは別物だ。事実上、これが同シリーズのトップモデルといってよいであろう。その名に恥じない優れたトールボーイ・システムで、ユニット構成はヴァーチカル・ツイン方式である。同社らしい音のまとめの巧みさが光る。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
マッキントッシュのプリアンプの普及機種と言えるもので、先行発売されたC42の弟分的な存在である。簡略化されてはいるが、コントロールアンプとしての機能は備えているので、使いやすい利便性とクォリティが両立している。充分、マッキントッシュらしい味わいを持っているので、広く薦められる入門機だ。
菅野沖彦
ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より
マッキントッシュの最新最高級プリアンプである。セパレート型だが電源だけが分離されているのではなく、電源+ディジタル・コントローラー部とアナログプリ部が分離されている。この形態の第2号機である。フォノアンプとMCとランスを内蔵するディジタル・コントローラーで、同社らしい見識が伺える逸品。
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