Category Archives: ソニー/エスプリ

ソニー TC-2140

岩崎千明

週刊FM No.8(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 パッケージから出したTC2140、そのやや小ぶりの大きさからも間違いなく普及型。だけど、それが実にいいんだなあ。本当。いや味がないどころか、とってもスッキリしていて安っぼいところが全然ないし、よくありがちな飾りだてがなくて、すごく好感を持てる。つまりセンスがいいのだっていうわけ。
 これだけ洗練されてると、もう中味の方だって大体の所いい線いってるものだ。早速つないで音を出してみようってわけで深夜のFM、弦楽器をやってたのだが、ちょっとびっくりしたのだ。弦てやつは割にワウ・フラッターが出やすいのに全然だ。弦の高音域は歪みをもろに出しやすいというのに、歪みっぽさや汚れた感じがないのだ。ピアノの響きにも少しのふるえもないし、タッチのビリつきもない。
 念のためモニター・スウィッチを切換えてみて直接放送とテープに録音したのとを瞬間切換で聴きくらべた。ここでもう1度驚いたのだ。これ本当に普及型なんだろうね、なに39、800円? へえ本当? だってこのスッキリした音、これで録音した音だよ、ほら放送でもあんまり変わりやしないじゃない? でもなんとなく放送の方が低音ののぴがいいかな。それではテープを高級なテュアドに変えてみよう。あっ俄然すごい。低音の量感はぐいと溢れる変わりよう。ね、切換えても放送直接と録音とどっちだか判らないくらい。驚いた。

ソニー PS-4300

岩崎千明

週刊FM No.10(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 かつてサーボモーターで圧倒的勝利を収めたソニーがクオーツロック以来、昔の実績をとり戻さんと強力なプレイヤーをデビューさせた。PS4300はDDモーターをベースにしたフルオートマチック・プレイヤーだ。現代的な高級プレイヤーの条件ともいえる軽針圧はもはや平均的な人間の指先の感覚では扱い切れずこの数年、各社からの新型の中心はフルオート全盛となった。ソニーお得意のエレクトロニクスによるサーボがゆきとどいていて、操作ボタンさえ触れるだけのワンタッチ・エレクトロ・スウィッチ。もっともこの羽根タッチそのものが必ずしも良いことばかりではなくて、かえって動作の不確実さを招きかねないのは皮肉。ボード上面でなくケースの前に位置させて誤タッチを避けているのだが、馴れないうちはそれでも操作させる意志がなくても触れてしまうのは赤い小さなランプがちらちらとつくせいかしら。この辺が狙ってるはずのイメージをぶちこわしてるのでは……。動作はまず満点に近い正確さ。ストップさせてから実際動作にちょっと間がありすぎる気がするが、手で直接アームを動かしてもメカとしては何ら差支えない点はいい。できれば5万台ともなったら、4万円と違い実用性能本位1点ばりでなく明らかな高級感が欲しいけど無理かな。アームはまあまあ、カートリッジは使いやすいがこれも価格帯相応の程度。

ソニー EL-5

岩崎千明

週刊FM No.19(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 少なくとも基本的な性能のすべて、それにサウンドのすべては、はるかに高価な20万円近いEL7に匹敵する。それなのに、価格の上で60%にすぎないというのだからいかに効率の高い実用価値を持った製品であるか、ということがわかるだろう。まさに、このEL5の登場によって、本格的にエルカセットの道は開かれたといってもよかろう。
 外観の上では、テープ・セレクト・スイッチと、録音レヴェルのためのヴォリュームつまみがいくつか減っているのを除けば、兄貴分のEL7と変わらない。それどころか、テープ・マガジンのまわりの操作ボタンを含め、一切がまったく同じであって、むろん、その走行メカ・ニズムは、すべてEL7とまったく同じなのである。むろん、走行性能から扱いやすさについても、まったく同じであるのは.価格を考えると、信じられないほどだ。リヴァースからプレイへ、あるいはリヴァースから早送りへの直接切換という荒っばい扱いに対しても、まったくスムースに、なんらさしさわりなく動作してくれる大きな特長も失われてはいない。EL7に比べて大きなただひとつの違いは、3ヘッドから2ヘッドになった点だ。しかし、少なくとも録音された音に関しては、その違いを聴き出すことは、音楽では至難の業だ。
 パワフルで、輝かしく、粒立ちのよい音は、さすがカセットとは格段の違いだ。これでやっとエルカセットもファンが増えよう。

ソニー EL-7

岩崎千明

週刊FM No.13(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 エル・カセットという名づけ方がうまい。それにサウンド・クォリティもカセットより格段上だ。むろんS/Nだって断然いいし、ヒスもオープンなみに少ない。つまりこれはたいへんなものだ。カセット以来の大飛躍といえる。それに、このEL7、この革命的な新システムをいかにもマニアの期待に応えたメカとして完成させてある。この走行ぶりは、もはやカセットと呼ぶ水準をはるかに越えている。オープンなみの重厚さ、完ぺきさで、ただ、見てるだけで「高級デッキ」だなあと溜息が出てくるほどだ。音だって、カセットと比べる範囲を遠く越えた、つまり、どこからみても、これは、ずばぬけた魅力を満々とたたえた新製品で、マガジンを見ただけではとても想像できないエル・カセットのすばらしきの象徴ともいえる。
 だからあえていいたい。あまりに高すぎる。オープン・デッキの3ヘッドだって10万台であるんだから。せめてカセットの高級品なみだったら、このEL7を買って、カセットを止めちまおうと考えるファンも少なくないだろう。この僕だってそう思ったくらいなのだから。良いから高いのだという理屈は、こうした新しい「システム」のスタートでは通らないのではないか。それにしてもイイ。文句なしだ。低音の豊かさ、厚さはオープンなみ。S/Nだって高域の帯域だってそうだ。むろんステレオの定位の良さは、ちょっと聴くだけでその差があまりに大きいのでカセットを聴くのがいやになってしまうくらいだった。惜しい。

私のソニー観

瀬川冬樹

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ・ソニー」
「私のソニー観」より

 フェアチャイルド──といっても、もうそろそろ話が通じにくくなっているが、モノーラルLPの時代に、世界最高、と折紙のついていたのが、アメリカ・フェアチャイルドのムーヴィングコイル型カートリッジで、昭和30年(1955年)といえば、やがてステレオLPの誕生を迎えるモノフォニック再生のいわば爛熟期で、フェアチャイルドもすでに♯220型から♯225型を経て、モノーラル最後の名作♯230型になっていたかどうか……。古いことなので記憶が正確でないが、ともかくその、モノーラル時代最高のカートリッジと、ブラインドで一対一の聴きくらべをやろうというピックアップなら、相当の自信作であったろうことは想像に難くない。
 フェアチャイルドの♯200シリーズは、コイルの巻芯が磁性体で、発電効率は高いがいわゆる〝純粋〟のムーヴィングコイルではない。この点、ステレオ時代に入ってから名声を確立したオルトフォン・タイプの先鞭をつけた製品と言ってもいいだろう。ピュリストにとっては、鉄芯入りのムーヴィングコイルタイプなど、MCと呼んでさえ欲しくないということになるのだろうが、現実には、モノ時代のフェアチャイルド、そしてステレオ時代に入ってからのオルトフォンとそれを基本にしたこんにちの多くのヴァリエイション、それが四半世紀以上も生き永らえているという事実をみれば、やはり何らかの強力なメリットのあることが伺い知れる。
 このフェアチャイルドをほとんどそっくりイミテーションしたカートリッジが、かつて電音(いまのコロムビアでない三鷹の日本電気音響KK)が、放送局用に開発したPUC3シリーズだったが、そのことをくわしく書いていると本題から外れてしまうので、話をもとに戻していえば、このフェアチャイルドに対して、MI型のピカリング、それにVRタイプのGE、という〝御三家〟が、モノ時代のピックアップの強豪であった頃、アメリカにウェザースという小さなメーカーがあって、高調波変調・検波式のコンデンサー・ピックアップを作っていた。このメーカーの初期の製品のデザインをそっくりイミテーションしたのが昭和高音、のちのスタックスだ。デンオンもスタックスも、とをたどればこうしてイミティションからスタートし、次第に独自の創造を加えて今日に至ったものだが、これは〝戦後〟の日本の産業のすべてのたどった道でもあった。
 この、ウェザース=スタックスの高調波に対して、直流式のコンデンサー・ピックアップに挑んだのが、こんにちのSONY、当時の東京通信工業(東通工)だった。まだエレクトレットの開発以前のことで、電極には高圧をかけなくてはならず、絶縁材料をはじめとして素材の良いものも入手や開発の困難な時代には、相当に勇気の要ることだったはずだ。にもかかわらず、それを一応の製品に仕上げて、関係者を対象に発表したのが、不確かな記憶をたどってみると昭和30年の晩春か初夏の頃で、日本オーディオ協会(JAS)の例会の形で、品川の東通工本社の一室で公開試聴会が催された。そのとき、東通工が選んだのが、フェアチャイルドとのブラインドによる一対比較という、大胆な方法だった、という次第。
 日本のオーディオ界の、まだ黎明期のようやく明けて間もないこととて、中島健造氏(JAS会長)や、当時の東通工社長井深大氏も、おおぜいの会員と肩を並べて試聴に臨んでおられた。が、実のところどう記憶をたどってみても、私には、その夜の音をもはや思い起すことができない。というより、フェアチャイルドとくらべてどういうふうに音が違ったのか、全く記憶がない。ただ、カーテンを下ろした向うに試聴装置があって、赤と緑のランプによって、A、Bのピックアップが切り換わったことが示されて、あとで東通工が緑、フェアチャイルドが赤、と発表されたとき、全員のあいだで、緑よりも赤のほうが視覚的に歪を感じ、あるいは劣性な色であるから、視覚心理上は緑のほうが音が良く感じられるのではないか……などとおもしろい議論がたたかわされたのをおぼえている。そういうことを別にすれば、私個人の場合、その夜の試聴に限ったことでなく、おおぜいの集まる場所で、どんなふうに音を聴かされても、本当のところは良いも悪いも判別がつかない。公開の発表会や試聴会で、あてがいぶちの試聴室や装置や偶然坐った席や、先様まかせのプログラムソースや、人さまのきめた音量レヴェルなどでは、判定をしないことにしているのは、こんにちに至るまで全く変っていない。
 このコンデンサー・ピックアップは、私のオーディオ及び音楽の聴き方に多大な影響を与えてくださった大先輩である今西嶺三郎氏が、自家用に購入されたものを、あとからじっくり聴かせて頂いた。今西氏もすでにフェアチャイルドを愛用しておられたが、それとの比較では、私には、どうしてもフェアチャイルドのほうが聴きごたえがあった。東通工はたしかに歪が少なくトランジェントも良いようだったが、反面、レコードのほこりに弱く、湿度や温度などの環境にもひどく神経質で気まぐれだった。私自身がひどく気まぐれな性分なので、よけいに気まぐれな製品を嫌うという傾向もある。
     *
 そんなことはどうでもよいが、こんないきさつから、私にとっての東通工──ソニーのイメージは、まずピックアップからはじまった。そのことはさらに後になって、昭和40年当時、TTS3000というベルトドライブのサーボ・ターンテーブルを自家用にしばらく使った体験が、いっそう、ソニー=プレーヤー……という印象を強くさせる。
 ソニーといえば、東通工時代からテープレコーダー(東通工ではテープコーダーという商品名を創作して、これはずいあとまで、いわゆる文化人の類いまでが、「テープコーダー」としゃべったり書いたりしていた)をいち早く開発し、トランジスターポケットラジオや、同じくトランジスター式の超小型TVなどを積極的に開拓していたことは、いまさらいうまでもない。そして、東通工のごく初期のテープコーダーの意匠デザイン(知久篤氏の作品)などは、のちに工業意匠(インダストリアルデザイン)を勉強することになった私に、多くの刺激を与えてくれた。が、私のオーディオ歴の中に、ソニーの製品が入りこんでいたのは、いまも書いたTTS3000と、そして同じときに開発されたアーム(PUA237)だけではなかったか。いくら記憶の糸をたどってみても、これ以外のソニー製品が、私の身辺にあったこと
は、ついぞない。
 それがなぜか、ということを、もはや残り少ないスペースで言うことは、多少の誤解を招くかもしれないが、こんなことではないかと思う。
 ソニーの製品は、昔から一貫して、みごとな合理精神に貫かれている、と私は感じる。かつて直流型のコンデンサー・ピックアップを開発した頃から、その姿勢は同じだ、と思う。ソニー製品には無駄がなく、つねに理詰めで、それ故に潔癖性だ。一方の私という人間は、さっきも書いたように気まぐれで、ずぼらで、怠けて遊ぶことが大好きで、およそ勤勉の精神に欠けている。そういう私からみると、ソニーのオーディオ製品は、あまりにも襟を正していて、遊びやゆとりの心の入りこむ余地が、少なくとも私にはみつけられない。ソニー製品を愛用している人たちまでが、とても近寄り難い真面目人間にみえてしまう。マッキントッシュの豪華・豊麗、そしてアルテックの豪放磊落が私の趣味に合わないのと正反対の意味で、ソニーの折目正しいエリート社員ふうの雰囲気は、結局私のようなずぼらには入り込めない世界なのではないか、といささか拗ねている。

ソニー TC-3000

岩崎千明

週刊FM No.17(1976年発行)
「私の手にした新製品より」

 カセットは、はっきり二分化してきて、生録志向の可搬型2電源方式と、パネル型実用性能型に人気がある。ところでこの可搬型、どうも大きくて重すぎて、ステレオ型でない安いものにくらべて可搬型とはいい離い。ソニーの今度の新型は、高性能ステレオ・カセットとしてもっとも小さい方で、これで初めてラジカセなみとなった。これぞ、まさに本物のポータブル。肩にかついでいても、くたびれないですむ、ひとまわり小さい大きさと4.6kgの重さで、それで性能は今までと変わらぬどころか、上まわるというのだから、まさに本場の本物。左側の操作レバーの下にヴォリューム以外のツマミを一列に配し、右側には大型のカッコいいメーターの下に大きく扱いよさそうな丸型ヴォリューム・ツマミが、でんと収まる新しいパネル・レイアウト。
 音の方もバランスの良さから一段とハイファイ的で、広帯域化か強く、スッキリした音と低ヒスのため、デッキとして使うとアンブ型とくらべてもまったく遜色ないのに驚いた。
 マイクを使っての録音もすばらしく、緻密な音で、広帯域低歪感の充分な、スッキリした音で、楽器の音のクリアーな迫力はみごとだ。ヒスやノイズの少ないのも生録の時の特筆できる特長だ。
 単1×4で6時間という経済性も、ポータブル型らしく抜群だ。TC−2850はかくして生まれかわってTC−3000になり、本当のポータブル・ステレオ・カセットとして完成した。

ソニー SCD-1

菅野沖彦

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

世界初のDSD録音方式によるスーパーCD”SACD”を再生するプレーヤーである。開発者らしい力作で、高剛性メカニズムを採用した高級プレーヤーだ。アクセスタイムが少々遅すぎるのが気になるが、それもせっかちな人にとってであって、このくらいのほうがよいとも言える。CDもしっかりした質感で再生する。

ソニー CDP-R10

井上卓也

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

独自の光ピックアップ固定型メカニズム採用が最大の特徴の超弩級CDトランスポート。基本形はCD登場当初の業務用CDプレーヤーCDP5000ではあるが、機構の見事さは格段に本機のほうが凄い。各社D/Aコンバーターの音をもっともナチュラルに聴かせるリファレンス・トランスポートの魅力は現在でも最高だ。

ソニー CDP-R10 + DAS-R10

井上卓也

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

発売以来、すでに7年の歳月が流れてはいるが、CD再生のリファレンス機としての存在感は、いささかも失われていないのは見事。独自の重量級ピックアップ固定型機構のメカニズム的SN比の高さは、電気系ではカバー不可能である。DACは当初ほどの鮮鋭さは薄らいだが、むしろ、現在ではその安定感に魅力があり、信頼性の高さは抜群。

ソニー CDP-R10 + DAS-R10

井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

CD当初の業務用CDプレーヤーで採用された光ピックアップ固定型メカを現代に再現した凄い意欲作であるCTトランスポートと、異例の鮮鋭さを聴かせる1ビット方式D/Aコンバーターとの組合せは、現時点でも世界のリファレンスモデルであり、新メディア時代到来後も、いささかも変りはないだろう。継続して見せる高い性能は素晴らしい。

ソニー SCD-777ES

井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

SACDの歴史に残る第一作、SCD1の弟となる第2弾作品。外観が変更され普遍的な印象になったため、新鮮な印象があり、ディスク読み取りの超低速動作が、心理的に少々解消されるのが面白い。第一作の細身で引締まった緊張感の高い音とは異なる、ほどよく肩の力が抜けた開放感のある音は、デザインとも一致し、実に楽しい。

ソニー SCD-1

菅野沖彦

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

SACDプレーヤーの1号機で、CDプレーヤーとしてもなかなかの力作である。アクセスタイムが長く、慣れないとイライラさせられるかもしれないが、集中して聴くには、これもいいと思う。いかにも新世代のプレーヤーらしい精緻さを感じさせる音だが、柔軟な質感や曖昧模糊とした雰囲気の魅力には欠ける。

ソニー TA-E1, TA-N1

井上卓也

ステレオサウンド 131号(1999年6月発行)
「TESTREPORT ’99 話題の新製品を聴く」より

 ソニーとフィリップスが共同開発したスーパーオーディオCD(以下SACD)は、DVDオーディオとはことなるフォーマットの、次世代の新しいピュアオーディオのプログラムソースである。現在のCDフォーマットは、PCM方式で44・1kHzのサンプリング周波数と16ビットの量子化でアナログ信号をデジタルデータとして記録・再生を行なう。高域周波数のフォーマット上の再生限界は、20kHzとなっているために、アナログLPフォーマットのほうが、単純に高域レスポンスがすぐれていることになる。したがって、CD再生ということでいえば、再生系のアンプやスピーカーは、従来のアナログLP再生用でも、なんら問題はないといえる。
 ところが、今回のSACDでは、1ビットDSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)方式で、サンプリング周波数は、2・8224MHzと高い手法が採用されている。これは原理的に約1・4MHzまで高域の帯域を伸ばすことが可能。しかしかりに高域の再生限界が100kHzであっても、アンプ、とくにパワーアンプは、30kHz程度以上のフルパワー再生は難しく、その意味では、単純にSACDの登場を喜んではいられないともいえる。
 今回、ソニーがSACDプレーヤー発売にあわせて発表したセパレート型アンプが、プリアンプTA−E1およびステレオパワーアンプTA−N1である。
 TA−E1は、SACDの最大の特徴である高域の再現を最優先させるため、必要最小限の機能に絞り、信号の流れを単純かつ最短にするための内部レイアウトが採用されている。
 メカニズムの基本となるシャーシは、ベース部に10mm厚アルミ板と2mm厚の銅板2枚を積層した構造である。7mm厚のフロントパネルと、10mm厚とフロントパネルよりも厚いリアパネルは、ともにアルミ系の非磁性体を採用している点が特徴といえる。また、トップパネルの2分割構造からもわかるように、信号系と電源系とを、構造的に分離・独立した点も大きな特徴。
 信号系には、アルミ合金製金属基板に耐熱絶縁処理を行ない、銅の回路パターンおよび表面実装した部品をもつメタルコアモジュールを採用。これは熱バランスがよく、振動にも強いという特徴をもつという。
 さらに、高域周波数特性と位相特性にすぐれた新開発リニアフェーズ回路を採用し、音質的にもっとも重要なボリュウムは、コンダクティヴプラスティック抵抗型で、そのハウジングは直径50mmの真鍮削り出し加工製である。
 電源部は、セラミックケース入りのアモルファス電源トランスを採用。整流ダイオードからの入力端子と、増幅部への出力端子とを分離構造とした、3端子型電解コンデンサーの搭載にも注目したい。
 TA−N1は、重量16kgのヒートシンクを左右に配置し、15mm厚のフロントパネル、10mm厚のリアパネルによるフレーム構造が特徴。回路構成は、プリアンプ同様のメタルコアモジュールをプリドライブ段に使用している。また、出力段には、オーディオ専用非磁性金メッキ処理が行なわれた、パワーMOS−FETを各チャンネル5個並列接続で使用。
 電源部は、重量13kgのNF(非焼成)セラミックハウジングに収められた、容量1・5kVAの新トーラストロイダル電源トランスと高速大容量ダイオード、4N高純度のアルミニウム電極箔をもつ電解コンデンサーで構成される。
 試聴は、CDソースと、スピーカーにB&Wのマトリクス801S3を使用した。スッキリと伸びた広帯域型の見事なレスポンスをもったアンプだ。音の粒子は細かく磨かれ、粒立ちがよく、このタイプとしては異例の表現力豊かな楽しい音を聴かせる。
 音場感情報はひじょうに豊かで、SN比の高さが活かされた見事なまとまりである。高剛性筐体採用のため、設置方法で音の変化が激しい点は要注意。

ソニー SCD-1

井上卓也

ステレオサウンド 131号(1999年6月発行)
「待望のSACDプレーヤー第1号機ソニーSCD1を聴く」より

 現行CDを超える情報量をもつ、いわゆるスーパーCDの登場は待望久しいものがあるが、現在、2つの方式が提唱されているスーパーCDのうち、ソニーとフィリップスがCDに続き、ふたたび共同開発を行なったスーパーオーディオCD(SACD)が、この5月に発売された。
 個人的には、SACDに対しては、82年のCD登場のときと同様に、ピュアオーディオ用の非常に情報量が多いプログラムソースが誕生したという単純な受け止め方をしており、当然のことながら、現行CDに替わるものではなく、CDと共存していく新しいプログラムソースであるはずである。
 80年代初めにCDが誕生したときと同じく、SACD、DVDオーディオを含めて、プログラムソースを作るソフト側にも再生するハード側にも何ら問題はない、との発言を公式の場で聞いたことがあるが、はたしてそのとおりであるのか、少なからず疑問があるようだ。
 原理的な高域再生限界をサンプリング周波数の半分とすれば、リニアPCM方式のDVDオーディオでは、96kHzサンプリングで48kHz、192kHzで96kHz、SACDでは約1・4MHzと想像に絶する値になるわけで、この際だって優れた超高域再生能力を、いかに、より素晴らしい音楽を聴くために活用できるかが重要である。
 そこで、注意しなくてはいけないのは、従来の可聴周波数限界といゎれた20kHzまでを再生するのと同様に、例えば、100kHzまでをフラットに再生しなければならない、と考えることである。
 確かに音楽を、より原音に近似して聴くためには、100kHzあたりまでのレスポンスを考える必要があるという論議は、古くモノーテルLP時代から真面目に行なわれていたことである。次世代のプログラムソースであるSACDとDVDオーディオはともに、フォーマット的には100kHzまでを収録できるだけの器として出来上がったわけで、これは、今世紀末の非常に大きなエポックメイキングなオーディオ史に残る快挙ではある。しかし、可聴周波数限界といわれる20kHz以上の再生は、単純に考えるよりもはかかに多くの問題を含んでいるようである。
 単純に考えても、40kHz付近の帯域では標準電波のデジタル放送が行なわれていることからわかるように、20kHzを大きく超える領域の信号は、例えばスピーカーケーブルから空間に輻射されることになる。また、同じ筐体の内側に2チャンネル再生ぶんの回路を収納すれば、超高域のチャンネルセバレーションに問題が生じることになり、現在のアンプの筐体構造では解決は至難と思われ、将来的にはモノーラル構成アンプのリモートコントロール操作の方向に進み、コスト高につながるであろう。
 とくにパワーアンプは、30kHz以上でも可聴帯域内と同様の定格出力を得ようとすると、出力素子の制約が大きいため、ハイパワー化(数10W以上)の実現は至難だろう。
 20kHzを超える高周波(スピーカーで再生すれば超音波)との付き合いは、オーディオ始まって以来の未体験ゾーンだけに、動植物、酵母菌などの微生物、人間自体への影響も含めて考慮すれば、ある種の帯域コントロールは必要不可欠ではなかろうか。
 幸いなことに、SACD/CDコンパチブルプレーヤーSCD1は、50kHz以上のレベルを抑え、100kHzで−26〜30dB下げるローパスフィルターの付いたスタンダード出力端子と、さらに高域から効くローパスフィルターを備えたカスタム出力端子の2系統を備えている。
 SACDでは超高域のコントロールはフォーマット上で規定されておらず、再生機側でケース・バイ・ケースで高域再生限界を決められるのは、適材適所的な、将来に多くの可能性を秘めた見事な解答と思われる。
 SCD1は、単純に一体型CDプレーヤーとしても、トップランクの実力を備えた見事な新製品である。電気的、機械的にSN比の高い静かな音は、CDに記録されていながら聴きとりにくかった空気感や気配を聴かせながら、従来のソニー製品とは一線を画し、音楽の表現が活き活きと楽しく表情豊かに聴かれるのが楽しい。同社CDP−R10やDAS−R10のような重厚.さはないが、一体型の枠を超えた注目の新製品である。
 SACDの再生では、反応が速く音場感情報が多い点では、ゾニーのフルシステムでの音が新時代のデジタルサウンドの魅力を聴かせる。本誌リファレンスシステムでは、基本的に音像型の音で安定感はあるが、セッティングによっては薄味の音になりやすい。SACDの再生はソースそのものの情報量が多いだけに、機器の設置方法は非常に重要になる。

ソニー SCD-1

菅野沖彦

ステレオサウンド 131号(1999年6月発行)
「待望のSACDプレーヤー第1号機ソニーSCD1を聴く」より

 SACDがついに具体的に商品として、その姿を現わした。本誌の発行元であるステレオサウンド社では、オーディオファイルでもある原田社長が、ことのほか熱心に、早くからその誕生を切望されていた。従来のCDの足を引っ張るから、あまり騒がないで欲しいといった批判もあったと聞くが、それはあまりにも近視眼的な意見だと思う。私は、この技術革新の時代を全面的に肯定するものではないが、ここ15年間のデジタル技術の進歩は目覚ましい。現在のCDフォーマットはすでに16年以上も経過している。1982年当時のパソコンと現在のそれを比べてみれば、その差は天と地ほどもある。16ビット/44・1kHzというフォーマットは当時としては精一杯のものであったとしても、決して十全とは言えなかったもので、フォーマットで音の可能性の上限が決まるデジタルにあっては、そのままでよいはずはないだろう。デジタル技術の進歩により、プロ機器の上位フォーマット化やビットストリーム技術が生まれ、それに伴ってより高密度のマスター録音情報を16ビット/44・1kHzの器のなかに収録するマッピング技術なども、CDの音質を向上させてきたことはご存じの通りである。CDも当初からするとたいへん音がよくはなった。しかし、それはあくまでCDの限界のなかでのことで、基本的なブレークスルーを果たすための上位フォーマットの誕生は時間の問題であったと言うべきであろう。
 このような技術的な背景を持つにいたった今日の時点で、CDフォーマットに加え、新たなスーパーCDフォーマットが生まれたのは、自然な流れと受け止めるべきだろう。それがこのSACDの登場であり、やがて発売されるDVDオーディオでもある。
 私は、CDが誕生した1982年秋に、すでにその必要性を感じていたほどだし、1985年夏に上梓した拙著《オーディオ羅針盤》(音楽之友社刊)のP164『CDの完成度』の項のなかで「スーパーCD」の登場を希望的にほのめかしてもいる。
 以上の経緯から、私自身がSACDをどう考えているかがお解りいただけるのではないだろうか。
 しかし、これが即、音の良さや音楽の感動につながるという短絡的思考は危険である。これは、あくまで、メディアの持つ物理的な可能性が拡大したというだけの話であって、よい音、よい録音音楽には、素晴らしい演奏の存在と、高い質とセンスによる録音制作の持つウェイトのほうがはるかに大きいという、いつの時代にも当然の事実の認識こそが大切である。
 今回、SACDプレーヤーの歴史的1号機であるSCD1を聴いたが、時期的に第1回新譜の一部による試聴という限られた条件では、本当の実力は解らないと思う。私の場合、たまたま、自身が制作した北村英治と塚原小太郎のデュオ・アルバム『ドリーム・ダンシング』を、DSD方式のハードディスク録音機からのCDと、ソニーとSMEがテスト・プレスしてくれたSACD(非売品)の2枚を比較できた。プリ・マスタリング工程は違うため、厳密なものではないが、その差をある程度の確度を持って聴けたのは幸いであった。
 結論から言えば、その差は僅差とも大差とも言えるもので、ソニーの出井社長の言葉を借りれば、凡庸なワインと最高のそれとの微妙な味わいの差と言っていいだろう。解る人にはかけがいのない貴重な差であり、解らない人には違うような気がするという程度かもしれない。しかし、長年培った本誌と読者とのコンセンサスからすれば、これは明らかに大差と言っていい。
 わが家ではマッキントッシュのXRT20と私流の4チャンネル・5ウェイシステム、本誌の試聴室ではSCD1と同時発売のソニーのフルシステムで聴いたのだが、いずれのシステムによっても差は歴然であった。しなやかな高音域の質感、透明な空間感、そして、低音の音触、音色感の明確な判別はまさに旬の味わいだ。また、このSCD1のノーマルCDプレーヤーとしての出来栄えも素晴らしいものだと思う。強いて欠点と言えば、アクセスが遅いことで、CDとSACDを切り替えた時には30秒以上もかかる。しかし、実際にわが家で1週間ほど使った現在では、これも必ずしも欠点とは言えないような気がしてきた。つまり、試聴などの場合はともかく、音楽を真摯に聴こうとする者にとっては、この音の出るまでの時間が心の準備につながり、集中につながるからである。あまりにも日常的にイージーになっていたCDプレーヤーが、いつの間にかわれわれから奪っていたサムシングを取り戻してくれることを実感したものである。50万円のCDプレーヤーとして、SACD機能をおまけと考えても、これは高く評価できるプレーヤーであった。

ソニー MDR-R10

菅野沖彦

ステレオサウンド 130号(1999年3月発行)
「いま聴きたい魅惑のコンポーネント特選70機種」より

 環境さえ許されるのならヘッドフォンを常用することは薦めない。ヘッドフォン・ステレオは、スピーカーによる空間を介在させて聴く自然さに欠けるからである。そのかわり、室内空間が持つ固有の音響現象による悪影響がない利点がある。私がヘッドフォンを使うのは、条件が限られた録音のモニターとしてか、スピーカーの置かれた室内の音響条件の影響を回避して、プログラムソースそのもののバランスをトータルにマクロ的に確認したい時である。そうは言っても、譬えスピーカーシステムよりヘッドフォンのほうがバランスのいいものが多いとしても、何でもいいわけではない。ある意味では、限られたサイズと、音源が鼓膜から至近距離にあるという特殊な条件のもとでバランスを取るということには、設計製造上、また別の難しさがある。肉体に直接密着させるものだけに、スピーカーとは違う配慮も必要である。スピーカーのコーンやダイアフラムと呼ばれる振動体には、材質の持つスティフネスやロス、そして比重といったような固有の物性が、音の質感にデリケートだが重要な影響として現われることがよく知られているが、ヘッドフォンについても例外ではない。いや、むしろ耳もとで振動するものであるだけに、より敏感に音のタッチ、風合いといった質感が感知されると言ってもいいだろう。
 こうしたことにこだわり抜いて作られたのが、このソニーのMDR-R10という高級かつ高価格のヘッドフォンである。バイオセルロースの振動膜、響きがよくて軽量な、樹齢200年以上の樫材のハウジングを使うという徹底ぶりだが、価格が3300種近くある同種製品中の最高のものであろうと思われる。発売以来10年以上経つと思うが、その音質の良さとバランスの良さは抜群であり、物としても作り手の気概が感じられるヘッドフォンの逸品である。

ソニー CDP-XA50ES

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 好評だったXA5ESに代わる今年の新製品である。光学系固定式メカニズムなど、前作の基本的特質は踏襲しているが、ユニークなのは高域のフィルターの切替えが出来るようになったこと。これはCDの画一性が失った趣味性の埋め合わせ的な発想であろう。それはともかく基本性能の優れた聴き応えのある音だ。

ソニー TA-ER1

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 超広帯域型バランスアンプユニットをベースに、不平衡型入力も特殊回路で平衡受けとする独自な設計が異例だ。音量調整はリモコン対応で、この部分の機構はメカマニア泣かせの魅力がある。色づけが皆無で素直に伸びやかな音を聴かせながら、表情に豊かさがあることが嬉しい。高い技術力を基盤に程よく音楽性を備えた名作である。

ソニー DAS-R10

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 ディジタル入力信号の情報量を最大限に音として引出すことをD/Aコンバーターの理想とすれば、このDAS−R10は、文句なしに世界のトップに位置付けされる現時点での超弩級モデルだ。ただし、録音の良否には非常にシビアに反応するため、気軽に音楽を聴くときには躊躇気味にあるあたりが短所かもしれない。

ソニー TA-NR10

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 TA−NR1の成果を活かし定格値を変えずにパワー段をMOS−FET化した純A級モノ構成モデルだ。純銅放熱版採用は前例のない設計で、アルミ製と比べて微小レベルのクリアーさと大音量時での混濁感が皆無に等しく、聴感上のDレンジの大きさが最大の利点だ。スピーカー駆動能力も定格値以上に優れ、信頼感抜群の好製品。

ソニー MDS-JA50ES

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 MDデッキのMDS−JA50ESは、従来よりDレンジの広い録・再を可能とするワイドビットストリーム技術と、新開発ATRAC用ICの採用をはじめ、トレイ部とベースメカ間を振動遮断する新機構や、異なったレベルのDBS、LD、CDの音量差を解消するディジタル録音ボリュウム、可変ディジフィルなど、ソニーの最新ディジタル技術を集大成したモデルだ。

ソニー CDP-XA50ES, CDP-XA30ES

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 CDプレーヤーCDP−XA50ES/30ESは、光学固定方式、カレントパルスDAC、Rコアトランスに加え、ジョグダイアル操作の機能として新たに20kHz以上の帯域を合計9種類の遮断特性とする、可変係数ディジフィルを採用。ただ、微細な調整が可能だが、一方では悩みの種にならないだろうかと思わざるを得ない面もある。50ESのみ亜鉛ダイキャスト光ピックアップベースと、2電源トランスが追加される。

ソニー TA-FA70ES, TA-FA50ES

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 新製品TA−FA70ES/50ESは、終段にMOS−FETを使用した全FET構成回路の採用をはじめ、一次巻線を内側に変更した継ぎ目のない新円断面コア電源トランス、ツインモノ構成5分割筐体構造、機械的ストレスを解消した新構造、電源トランス下部のMDFダンパーなどの採用が特徴。70ESにはメタルコアモジュールによる平衡入力が備わる。

ソニー TCD-D10 ProII

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 ポータブルDATのTCD−D10プロIIは、アルミダイキャスト筐体採用の小型で信頼性の高いモデルだ。室外、室内を問わず、録音結果も優れ、最も信頼度の高い、レコーディングファンには必携の最優秀DATである。

ソニー DTC-2000ES

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DATのDTC2000ESは、DATとしては珍しく4ヘッド・4DDモーターメカを搭載。モニターヘッドによる録音同時モニターが可能だ。また、DAC出力の24ビットデータをディジフィル処理し、16ビットフォーマットを守りながら20ビット相当の録音を可能としたスーパー・ビット・マッピング(SBM)を採用している。さらに、44・1kHzでのアナログ録音が可能など、現時点で最高の性能・機能を備えたDATのリファレンスモデルである。