Category Archives: ヴァイタヴォックス

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 英国のヴァイタヴォックスは、1932年創業のスピーカーメーカーで、スタジオ、放送局、劇場などの主に業務用の分野で高い評価を受け、現在では軍需用を含め、本来の業務用スピーカーシステム分野で活躍しているようだ。ヘリコプターに搭載された超高感度、超強力な拡声装置はホーン型ドライバーの独壇場で、映画・TVなどの分野では米アルテック社のホーン型ドライバーユニットの活躍が知られているが、この英国版がヴァイタヴォックスということだ。
 CN191コーナーホーンは、 同社の伝統的なトップモデルで、現在でもこのような人手のかかるエンクロージュアが作られていることは想像を絶する異例なことといえよう。エンクロージュアは、モノLP時代に最小の容積で最高の低音再生能力をもつフォールデッドホーンと絶賛された、米国のポール・クリプシュ氏が発明したクリプシュホーンで、米EVパトリシアン600にも採用されたコーナー型低音ホーンである。
 スピーカーシステムは、壁面に付ければ低音再生能力は2倍となり、壁と床の交わる位置に置けばさらに2倍、2面の壁と床の交わる場所、つまり部屋のコーナーに置けばさらに2倍、というのが基本である。
 低域ユニットは、現在ではフェライト磁石採用の7・5Ω仕様AK157、高域ユニットは、アルニコ磁石採用の伝統的な15Ω仕様で、7・62cm口径アルミ合金振動板のS2ドライバーユニットと、従来のCN157を改良し、4セル型ディスパーシヴ型としたCN481新型ホーンを採用。
 NW500ネットワークで500Hzクロスオーバーとした2ウェイ方式で、インピーダンスは15Ω。感度は未公表だが100dB/1mほどはあるはずで、真空管アンプにはこれ以上のスピーカーシステムはないであろう。やや強度不足で音離れが悪かったホーンが一新され、本来の重厚さに新鮮さが加わった。 

ヴァイタヴォックス CN191 ConerHorn

井上卓也

オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド別冊・1994年春発行)
「世界の一流品 スピーカーシステム篇」より

 モノーラル時代のスピーカーシステムでは、コーナー型エンクロージュアの採用がそれ自体でトップモデルを象徴していた。JBL・ハーツフィールド、EV・パトリシアン600/800、タンノイ・オートグラフなど、これらはオーディオを語るには欠かせない存在であり、その伝統を今日まで伝えている世界唯一のモデルが、このヴァイタヴォックスCN191である。低域用クリプッシュK型ホーンを駆動するユニットは、7・5Ω仕様のフェライト磁石型AK157。高音用ホーンは初期のCN157から77年にセクトラル型のCN481に変り、ドライバーユニットはアルニコ磁石型S2採用だが、高域はフェライト型S3のほうが伸びている。ネットワークは、’73年に素子にカバーが掛かった型に変更された。
 床と左右壁面を利用してホーンの延長部とするコーナー型Kホーンは、低域の再生効率が高く、重厚で力強い低音を聴かせる。ホーンの改良により中〜高城はホーン鳴きが抑えられ、大口径ドライバーならではの余裕のあるマッシヴな音が楽しめる。
 全体に音色は抑え気味で、聴感上のfレンジは、現在ではややナロウレンジに感じられる。しかし、その分だけ再生帯域内の密度感や力感は現在では異例な存在で、CD復刻盤ではなく古い時代の名曲名演奏をアナログディスクで聴くときに、このCN191は実に見事な形容し難い優れた音を聴かせる。まさしく、かけがえのない存在というほかはない。
使いこなしポイント
 コーナー型だけに部屋の長手方向の壁面を利用するのが標準的な設置方法。だが最適な聴取位置の選択は完全を目指せば予想よりも難しく、部屋の残響コントロールも、床、壁面とも充分に剛性があり、デッドに過ぎないことが必要条件。駆動するパワーアンプは、出力トランスをもつマッキントッシュやA級パワーアンプが好ましく、マッチングトランス使用も一案か。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 本来ウーファーシステムで、38cmユニットをフォールデッド・フロントローディングホーン・エンクロージュアに収めたものだが、これに500Hzクロスオーバーでトゥイーターをつけて全帯域システムとする。その音は格調高い雰囲気に溢れている。クリプッシュホーンの数少ない成功例である。

ヴァイタヴォックス CN191 CN191 Corner Horn, スペンドール BCII, メリディアン M1

ヴァイタヴォックスのスピーカーシステムCN191 CN191 Corner Horn、スペンドールのスピーカーシステムBCII、メリディアンのスピーカーシステムM1の広告(輸入元:今井商事)
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)

Vitavox

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

続コンポーネントステレオのすすめ(ステレオサウンド別冊・1979年秋発行)
「第22項・同じイギリスのヴァイタボックス ディットンよりもいっそう確固たる世界」より

 ヴァイタボックスというメーカーを、最近のイギリスの若い世代はもはや知らないとさえ、いわれる。実際、この〝クリプッシュホーン〟の名で呼ばれるCN191という大型スピーカーは、こんにち、その製品のほとんどが、日本からの注文で作り続けられている。いまから十年近く前、もはや製造中止の噂の流れていたこのスピーカーを、日本のある愛好家が注文で取り寄せた一組がきっかけを作って、その独特の魅力が口伝えのように広まって、いまなお注文してから一年近く待たされるという状態が続いているといわれる。
 たしかにこのスピーカーは、エンクロージュアの製作におそろしく手間がかかって、しかもこんにちヴァイタボックス社でこのエンクロージュアはたったひとりの職人が手作業で作っているといわれているから、数があがらないのも無理はない。待たされてしびれを切らして、形だけ似せた国産エンクロージュアを購入した人に、私は強くすすめてオリジナルに替えさせた。その人は「あわててひどい廻り道をしました」と、同じ形のエンクロージュアがまるで別のメーカーのように音質を変えてしまうことにびっくりしていた。この製品に限ったことでなくあらゆるスピーカーに共通の大切な話だが、エンクロージュアはスピーカーユニットを収容する容器なのではなく、ピアノの胴体のように音質を決める重要な一部なのだから、名器と呼ばれるスピーカーを、形だけ同じな別メーカー製のエンクロージュアに収めることを、私は原則としておすすめしない。もっとも、そうすることが一概に悪い結果ばかり招くわけではないから、自信のある方が何をなさろうと私の知るところではないが
 ところがこの〝クリプッシュ式コーナーホーン〟は、その名のように、部屋の隅(コーナー)、それも、スピーカーの背面を囲む二つの壁面と床面との三つの面が、強く叩いても少しも共振しないような堅固な材料と工法で作られていることを原則とする。それはこのエンクロージュアが、右のような条件のコーナーに背面をぴたりとつけて設置しなくては、完全な動作をしないように作られているからだ。いくら見た目は「壁面」でも、ふすま・障子は極端にしても、厚さ15ミリ程度以下の薄い板貼りの壁や、ガラス面、○○ボードなどと呼ばれる新建材の類であっては、CN191はおよそまともな音を聴かせない。薄い壁、共振する壁、音を逃がしてしまう壁、では、CN191の重厚な低音に支えられた緻密で豊潤で艶やかな響きの美しさは、その片鱗をさえ聴かせないばかりか、壁の共振・逆共振で、ひどく汚い、ときに肥大した、あるいはやせこけて骨ばるばかりで美しさも魅力もない、ひどい音を鳴らして聴き手をがっかりさせる。
 もうひとつ、二台一組のスピーカーの隅が音響的に同条件であること。つまり建築上シンメトリーの構造であること。そして、二台のスピーカーの置かれる壁面は少なくとも4・5メートル、できれば5メートル以上あって、左右の広がりが十分とれること。またそれにみあうだけの天井の高さ。
 およそこれくらい部屋の音響条件に支配されるスピーカーはない。このスピーカーにとって、部屋はまさにエンクロージュアの一部なのだから。

スピーカーシステム:ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn ¥940,000×2
コントロールアンプ:アキュフェーズ C-240 ¥395,000
パワーアンプ:ルボックス A740 ¥538,000
ターンテーブル:トーレンス TD126MKIIIBC ¥150.000
トーンアーム:SME 3009/SeriesIII ¥74,000
カートリッジ:オルトフォン MC30 ¥99,000
計¥3,133,000

ヴァイタヴォックス Bitone Major

菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より

一種独特な雰囲気をもっている。同社を代表するスピーカーの一つだけに、相当高度なところで聴き手の嗜好と可能性を問われる、本格的大型フロアーシステムである。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
特集・「第1回ステート・オブ・ジ・アート賞に輝くコンポーネント49機種紹介」より

 つい最近、おもしろい話を耳にした。ロンドン市内のある場所で、イギリスのオーディオ関係者が数人集まっている席上、ひとりの日本人がヴァイタヴォックスの名を口にしたところが、皆が首をかしげて、おい、そんなメーカーがあったか? と考え込んだ、というのである。しばらくして誰かが、そうだ、PA用のスピーカーを作っていた古い会社じゃなかったか? と言い出して、そうだそうだということになった──。どうも誇張されているような気がしてならないが、しかし興味深い話だ。
 ヴァイタヴォックスの名は、そういう噂が流れるほど、こんにちのイギリスのオーディオマーケットでは馴染みが薄くなっているらしい。あるいはこんにちの日本で、YL音響の名を出しても、若いオーディオファンが首をかしげるのとそれは似た事情なのかもしれない。
 ともかく、ヴァイタヴォックスのCN191〝コーナー・クリプシュホーン・システム〟の主な出荷先は、ほとんど日本に限られているらしい。それも、ここ数年来は、注文しても一年近く待たされる状態が続いているとのこと。生産量が極めて少ないにしても、日本でのこの隠れたしかし絶大な人気にくらべて、イギリス国内での、もしかしたら作り話かもしれないにしてもそういう噂を生むほどの状況と、これはスピーカーに限ったことではなく、こんにち数多く日本に入ってくる輸入パーツの中でも、非常に独特の例であるといえそうだ。
 本誌16号(昭和45年秋)の海外製品紹介欄に、その頃初めて正式に入荷したCN191を山中敬三氏が解説された記事の中にもすでに「……現在は受注生産の形でごく限られた数量のみが製作され、本国のイギリスでもその存在は一般にはあまりしられていないようだ。」とあるとおり、当時すでに製造中止寸前、いわば風前の灯の状況にあったものを、日本からの突然の要請によって生産を再開したという事情がある。そしてこれ以後は絶えることのない注文のおかげで、製造中止をまぬがれながら、こんにちまでほとんど日本向けのような形で生産が続けられているのである。ましてその後新しい製品の開発が全くないのだから、イギリス国内で忘れられた存在であっても不思議とはいえない。
 ヴァイタヴォックス社は、一九三二年にロンドン市ウェストモーランド・ロードに設立された。トーキー用などプロフェッショナル関係のスピーカーをおもに手がけて、一時はウェストレックス、RCA、フィリップス等のイギリス支社に、プロ用スピーカーをそれぞれ納入していた実績もある。
 CN191の別名「クリプシュホーン」は、アメリカの音響研究家ポウル・クリプシュが一九四〇年に設計したコーナー型フロントロード・ホーン・エンクロージュアを低音用として採用しているところから名づけられている。そして500Hz以上は、3インチという口径の大きなダイアフラムを持つウェストレックス型のホーンドライバーS2に、CN157型ディスパーシヴホーンを組合せて、2ウェイを構成している。エンクロージュアはクリプシュを基本としてV社独自の改良が加えられ、独特の渋い意匠とすばらしい音質を生んでいる。
 この音質は、古い蓄音機の名機の鳴らす音に一脈通じるように、こんにちの耳にはとても古めかしく聴こえるが、気品に満ち、精緻で量感豊かな音は、新しいスピーカーに求めることのできないひとつの魅力といえる。
 ただ、クリプシュ・コーナーホーンはその構造上、設置される部屋のコーナーの、システムを囲む両壁面と床面とが、できるかぎり堅固な構造であることが、必要。まなコーナー設置のために部屋のプロポーションやリスナーとの関係位置が大きく制約されるというように、条件が整わないと本来の良さが発揮されないという点が一般的ではない。

ヴァイタヴォックス Bitone Major

瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

コクのある渋い充実した響きは、いくぶん古めかしいが聴きごたえ十分。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

良き時代のコーナーホーンの魅力を現代に残す貴重な存在である。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

コーナー型オールホーン唯一の、懐古趣味でなく大切にしたい製品。

既製スピーカーシステムをマルチアンプでドライブする(ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn)

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 ヴァイタヴォックスCN191コーナーホーンシステムは、英国をふくめたヨーロッパ製品のなかで、コンシュマーユースのスピーカーシステムとしてはもっとも大型なフロアーシステムである。
 エンクロージュアにはクリプッシュKタイプといわれるフロントロードホーン型の一種が採用されている。フロントロードホーンでは、その名称のように、ウーファーコーンの前面の音だけをホーンを使って放射しているが、バックローディングホーン型では、ウーファーコーンの前面の音は直接放射され、後面の音がホーンを使って、低音の一部だけをホーン効果により補うタイプである点が異なる。このクリプッシュKタイプでは、ウーファー前面からの音が、特殊な形状に折り曲げられたホーンから一度エンクロージュア背面に導かれ、さらに部屋のコーナーを低音ホーンの延長として利用し、エンクロージュア両側の開口部から前面に放射される。
 クリプッシュKタイプホーンは、ホーン型エンクロージュアらしい、厚みがあり緻密な堂々とした低音が得られる大きなメリットがある。しかし、折曲げ型ホーンのためにウーファーコーンからの中音は減衰しやすく組み合わせる中音用や中音から高音用のスピーカーユニットには、十分に低い周波数から使用できるタイプが必要である。
 ウーファーは、CN191システム用に指定されているAK157、中音から高音用には、直径76・2mmという大型軽金属製ダイアフラムと16、000ガウスの磁束密度をもつドライバーユニットS2と、アルミ合金製のセクトラルホーンCN157を組み合わせ使用する。なお最近のCN157ホーンは、ホーンのカーブが設計変更されて改良されているようで、一段と音質面でのグレイドアップが期待できる。指定LC型ネットワークは、クロスオーバー周波数500Hzの典型的な12dB型NW500である。
 しーぁぬ191は、部屋の壁面を低音ホーンの一部として利用することが前提として設計されているために、強度が十分にある、レンガやコンクリートなどの壁が相応しい。そうでない場合には、少なくとも、30mm以上の厚さの良質な板で、エンクロージュア後側の壁と接する面に使う衝立をつくり使用することが望ましい。
 マルチアンプ化のプランは、CN191がトラディショナルな英国の音をもつことを考えれば、少なくとも、スピーカーとダイレクトに結合するパワーアンプには,英国系の製品を使用したい。ここでは、QUADの2機種のパワーアンプを選んでいるが、低音用の303Jは、モノーラル構成で、出力部分にインピーダンスマッチング用のトランスをもつ特長があり、適度に最低域がカットされるため、ホーン型ウーファーには好適である。コントロールアンプその他は、管球タイプで音色的なバランスを重視して選んである。

●スピーカーシステム
 ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn
●コントロールアンプ
 ウエスギ U-BROS-1
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 ウエスギ U-BROS-2
●パワーアンプ
 低音域:QUAD 303J(×2)
 高音域:QUAD 303

ヴァイタヴォックス CN191 ConerHorn

菅野沖彦

ステレオ別冊「あなたのステレオ設計 ’77」(1977年夏発行)
「’77優良コンポーネントカタログ」より

 イギリスのヴァイタヴォックス社は、ほぼ半世紀にわたる歴史を持つメーカーで、プロフェッショナル機器を専門に製造している。したがって同社のスピーカーは、米国アルテック社と相通じ、劇場・ホール用、スタジオ用として高い名声を得ている。このCN191というシステムは複雑なホールデッド・ホーンでしられるクリップシュ氏の設計になるホーン・エンクロージュアに38cmウーファーとホーン・ドライバーを収めた2ウェイである。

ヴァイタヴォックス Bitone Major

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ヴァイタヴォックスの音をひと口でいえば、アルテックの英国版。要するにアルテックの朗々と響きの豊かで暖かい、しかしアメリカ流にやや身振りの大きな音を、イギリス風に渋く地味に包み込んだという感じ。A7−500−8のレンジをもう少し広げて、繊細感と渋味の加わった音がバイトーン・メイジャー。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 いまの私には、これを鳴らす理想的なコーナーを整えるという条件を満たすことができないからあきらめているが、せめていつかは、この豊潤で渋い光沢のある独特の音質をわがものにしてみたいという夢を持っている。いまやこれだけが、現行製品の中で良き時代を残した最後の生き残りなのだから。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 アメリカ系のスピーカーを男性的な魅力とすれば、イギリスのそれにはどうしても女性を感じる。中でもこのスピーカーは、若い女性の魅力ではなく、中年の色気の濃い音といえる。

ヴァイタヴォックス S2

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 英国系としては現存する唯一の大型ドライバーユニットである。聴感上はウェスターン系のものだが、音質は、完全に英国の伝統的な個性を受継いでいる。これは見事である。

ヴァイタヴォックス Bitone Major

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 英国系ウェストレックスとでもいいたいのがこのシステム。アルテックよりよりデリケート、JBLよりより繊細。しかも豊かな響き。迫力を追わなければピカ一のシステム。

ヴァイタヴォックス Bitone Major

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 アルテックの旧マグニフィセントと類似した、英ヴァイタヴォックスの中型システムである。渋い重厚さでは191コーナーホーンに数歩譲るが、比較的容易に使えるのが利点。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 英タンノイのオートグラフなきあと、英国を代表する唯一の大型コーナーシステムである。適度に輝きをもった重厚な音は、かなり古典的な印象を受けるが、貴重な存在だ。

ダイナコ A-25X, Mark III, ADC ADC10/E MK-IV, ヴァイタヴォックス AK155, S2, CN157

ダイナコのスピーカーシステムA25X、パワーアンプMark III、ADCのカートリッジADC10/E MKIV、ヴァイタヴォックスのウーファーAK155、コンプレッションドライバーS2、ホーンCN157の広告(輸入元:今井商事)
(スイングジャーナル 1972年3月号掲載)

Imai

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn, AK154, S2, CN157, NW500

ヴァイタヴォックスのスピーカーシステムCN191 Corner Horn、ウーファーAK154、ドライバーS2、ホーンCN157、ネットワークNW500の広告(輸入元:今井商事)
(スイングジャーナル 1971年10月号掲載)

Vitavox

ヴァイタヴォックス Bitone Major, ADC ADC27

ヴァイタヴォックスのスピーカーシステムBitone Major、ADCのカートリッジADC27の広告(輸入元:今井商事)
(ステレオ 1970年12月号掲載)

ADC