岩崎千明
週刊FM No.8(1976年発行)
「私の手にした新製品」より
アンテナなんていうものは特殊なんで今まで専門も専門、アンテナだけ作ってるメーカーの独占商品だと思ってたらなんと東芝が出したってわけ。なんでまた、というなかれキミ。オーレックスのチューナーは、国内製品はおろか世界中を見渡してもちょっと例の少ないシンセサイザー・チューナー。それも周波数デジタル標示だよ。スゴイネ。これだけのチューナーを出してりゃどんなアンテナをつけたとき本領を発揮してくれるんだい、とユーザーからいわれるにきまってる。だからFM2000なのだ。つまり、このアンテナをつけさえすれば、スゴイチューナーが一層スゴイ性能を出せるっていうものさ。
しかし、FM2000、いままでのがらばかり馬鹿でかいFMアンテナとは違って、キミの手を拡げた時よりもひとまわり小さいくらいだ。だからといって、テレビ用を代用してるのと違って、ちゃんとしたFM専用なのである。つまりFMバンドの全域に対してほぼ同じような感度を得られるように作られている。確実にひとまわりは小さくまとめてあって、全体がすごく軽い。だから今までのように大げさにならず、どんな場所にも取り付けられるっていうわけだ。ちょっとやってみたけど、天井近くブームの一方を片持ち式に取り付けても軽いからビクともしない。チューナー付属のフィーダー・アンテナの時に苦労するステレオ放送でのノイズっぽさが驚くほど直る。
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