テクニクス SB-2506A (Technics4A)

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 バランスは、すっきりとまとまっていて、弦のアンサンブルなどには端正な再生音を聴かせる。オーケストラでは中音域がやせるためか量感に欠け、冷たい音が気になった。しかし、中域の質は決して悪くなく、よく制動のきいたものだ。このシステムの一番弱いのはジャズで、なんともとりすました音が合わない。中域の量感が欠けるのと、高域の甘美な柔らかさが、ジャズのアクティヴなパルスとは異質なのだろう。

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