菅野沖彦
ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より
明晰な音色の分離が鮮かなスピーカーで高音のタッチは実にリアルに再現される。打音や擦音の立上がりが極めてよく、リアルである。中音域に多少引っかかる癖のあるのが気になるが、全体に大変優れたシステムだと思う。低域は、やや硬く、のびが不足する気もするが、音像の実在感が鮮かで抜群のリアリティをもっている。繊細な緻密な味わいという点ではもう一つ物足りなさがなくもないが、生き生きとした音の浮彫りが見事。
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