ヤマハのシステムコンポーネントYS50の広告
(スイングジャーナル 1969年2月号掲載)
Category Archives: 国内ブランド - Page 219
ヤマハ YS-50
トリオ TW-31, AFX-31
ラックス WL515
パイオニア C-660/IS
パイオニア C-550, C-560, C-650
トリオ 400M
菅野沖彦
スイングジャーナル 2月号(1969年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
ターンテーブルの新製品としてトリオの400Mを選定したことはコスト・パーフォーマンスの高さによるといってよいだろう。つまり、対価格性能が優秀だから、これはお買徳といってよい。ターンテーブルの重要性については周知のことだが、他のパーツの特性が向上すればするほど、また優秀なターンテーブルへの要求も高まってくるのである。ターンテーブルにいい加減のものを使ったのでは、どんなに優れたカートリッジやアーム、そしてアンプやスピーカーを使っても絶対に優れた音質を得ることはできない。これにはいろいろな理由があげられるが、もっとも問題となるのは回転ムラつまりワウ・フラッターである。現在ターンテーブル単体として市場にでているものはいずれも実用上問題にならない程度の回転の均一性が確保されてはいるが、回転ムラは音程の不安定をもたらすので再生音の品位を下げる。もちろん音楽的にも正しいピッチが保たれないことは致命傷であるが、音程の不安定として感じられるほどひどいワウ・フラは論外で、そこまでいかなくても、音質のしまりがわるい、ダンピングがわるいという全体的な音色としてもきいてくるのだから注意すべきことだろう。次に問題なのが振動である。モーターの回転に起因する振動がターンテーブルに伝わってはカートリッジから雑音として再生されてしまうので手に負えない。
ところで、こうした問題の解決には、まず優秀なモーターの開発がなければならない。静かで、回転力の強い、回転速度の均一なモーターによってのみ期待するターンテーブルの性能が得られる。しかし、それと同時に、モーターからターンテーブルへの動力伝達機構の重要性も忘れられない。この動力伝達機構としては現在、ゴム・アイドラーによりターンテーブルの内縁を駆動するリム・ドライブ方式と、特殊化学製品のベルトによりターンテーブルをプーリー駆動するベルト・ドライブ方式の2つがある。動力伝達方式について考える時、1つはいかにロスや障害を少なく正確に動力を伝えるかという考え方がある。モーターの回転速度を正しく減速してターンテーブルを回転させるためにできるだけ単純な機構がよいわけだ。2つには、動力伝達機構をいかに巧みに利用してこれを一種のショック・アブソーバーとしてモーターの振動を吸収してしまうかという一石二鳥的考え方である。トリオの400Mは明らかにこの一石二鳥的考え方の上にたって設計されたもので、アイドラー方式とベルト方式の両方を兼ねて、ベルト・アイドラー方式という呼び方をしている。これには有名なトーレンスのターンテーブルなどもあるが、結果的には優秀な特性が得られている。ターンテーブルはアイドラーによってリム・ドライグされるが、アイドラーはモーター・シャフトとは断絶され、ベルトによっておこなわれている。ベルトがターンテーブルにかけるものより短かいものですむし、速度変更が確実容易(アイドラーの上下による)にできる。重量の大きなターンテーブルを使用し、フライホイール効果を積極的に利用するという考え方もマニア向きといえるだろう。大型のフルパネルは大変重厚なイメージで仕上げも美しい。この価格でできるイメージではなく、同価格の他製品と比較すると圧倒的な風格をもっている。欲をいえば、ターンテーブル・シャフトの加工精度にもう一歩という感じだが、これは最高級品に要求するシビアーな見方であろう。4万円以上の製品とつい比較してしまうというのも、この製品がいかに高いコスト・パーフォーマンスをもっているかがわかるだろう。必ず大型のしっかりしたケースで使うこと。
パイオニア CS-10
菅野沖彦
スイングジャーナル 2月号(1969年1月発行)
「SJ推薦ベスト・バイ・ステレオ」より
CS10というスピーカーをごぞんじだろうか。パイオニアがだしている優秀なスピーカー・システムであろ。ただしお値段のほうも大分高い。
このスピーカー・システムは、ブックシェルフ・タイプといって、現在のスピーカー・システムのタイプの中でもっともポピュラーなものである。初期のブックシェルフ・タイプはたしかに小型で、縦においても横においても使える四面仕上であったが、その後、形が大きくなり重さも増して、現実には本棚へおいて使えるようなものばかりではなくなった。このCS10も、四面仕上げであるが、重くて大きい。約25kgあるから、ちょっとした棚では支持できない。
ところで、肝心の音であるが、このスピーカー・システムの音質について語ることは大変むずかしい。ベスト・バイとして選んでいるのだから決して悪いものではなく初めに述べたように優秀品であるにはちがいない。では何がむずかしいかということになるのだが、音の性格について、音質と音色という2つの面に分けて語らないと説明がつかないのがこのシステムの音だろうと思う。音質と音色は本来切っては考えられるものではなく、むしろ同義語として扱ったほうが混乱はないが、ここでは便宜上分けて使わせていただくことにしたい。
まず音質についてだが、低域から高域にかけての周波数特性ののび、そしてその性格は大変すばらしい。しいていえばごく低いところが小型密閉箱のためにやや物足りないが、通常音楽の再生にはまったく問題ないところまでのびている。途中の山谷は大変少なく、フラットに近い特性は、特定の音を強調することがない。特に高音域は並はずれた指向特性のよさとともに非常によい。歪は適確な帯域分割とユニットの設計により大変少なく、ドーム型スコーカー、トゥイーターを使っているために多くの利点をもつ。特に小型密閉箱にありがちなウーハーの音圧によるスコーカーやトゥイーターへの位相干渉は構造上まったく心配がない。3ウェイが理想的に動作して、すっきりした再生音となっている。つまり音質としては大変バランスのよいもので、物理特性として優れていることがわかる。
次に音色的なものだが、同じような周波数特性、各種の歪率など測定データーが似ていても、音がちがうものはざらにある。特にスピーカー・システムの場合は、箱の設計、材料、工作などは微妙に音色を変える。また、この密閉型の箱にハイ・コンプライアンスのウーハーを入れたタイプ(オリジナルは米国のAR)は一種特有の音色傾向をもつ。ダンプがきいて音がきわめてしまりがよいその反面抜けが悪く、音が前へ豊かに出ないという印象もつきまとう。スコーカーがドーム型のダイレクトラジエーションによるものだけに歪は非常に少ないが、派手な音圧感がない。つまり、ユニットのタイプによっても音色がちがうことも事実である。コーン型、ホーン型、ドーム型など、それぞれちがった音色傾向をもっていることは事実である。
このようにスピーカー・システムの音についての評価はむずかしいが特にCS10はむずかしい。それはいいかえれば、あまりにも他のスピーカーと異った次元の音の良さがあるからかもしれない。私の好きなスピーカー・システムとして推薦するが、決して派手さや、刺激性のある音ではないことをお断りしておく。使用ユニットといい箱といい、ふんだんにぜいたくをした最高級品である。
トリオ MT-15D
富士フィルム S-150
パイオニア PL-30, PL-31
ビクター TRD-2044
トリオ TW-31, AFX-31
パイオニア SA-70
テクニクス SC-850
ラックス P-22
サテン M-11/E
パイオニア SC-70, SM-70
ビクター SSL-55TS
ヤマハ YS-50
パイオニア IS-6032
オットー 11W DC-520
ソニー STR-6500
サンスイ SR-3030
ラックス SQ505
岩崎千明
スイングジャーナル 1月号(1968年12月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
昭和のごく初めのラジオが普及期を迎える頃から、戦前の電蓄大流行の時期は今日のステレオ大全盛期と同じように多くの国内の新進メーカーが隆盛をきわめた。その中にあって、高品質のスイッチ、端子類、ソケットの類のメーカーで規模は大きくないが、ひときわ有名だった錦水堂というキャリアの長いメーカーが関西にあった。このメーカーはトランスをも手掛けていた。このトランス類を初め、全商品ともかなり高価であったが、みるから豪華な神経の行き届いた仕上げのたまらない魅力であった。私の家に戦前直前、つまり昭和16年頃作られたと思われる錦水堂と銘うった多接点のロータリー・スイッチがあるが、引張り出して確かめたら30年後の今だに接点不良を起すことなく、使用に耐えそうである。この錦水堂こそ、今日のラックスなのである。
高品質という言葉はいろいろな意味を持っているが、ラックスのアンプの場合は特に信頼度が高いという点が強いようだ。
ラックスのステレオ・アンプにSQ5Bというのがあるが、これは昨年末やっとカタログから姿を消したが、過去8年間にわたって、ままりステレオが始まってから、ずっと作られていたという日進月歩の電子業界にあって、まったくまれな存在の驚くべき製品であった。これも高い信頼性の裏付けであろうが、こんな例はラックスではちょっとも珍しくはない。SQ38Dというアンプもそうだ。今から4年前の製品で、しかも今なおマイナー・チェンジを受けたSQ38Fが現存し、管球式のステレオ・アンプとして貴重な存在にある。昭和初期からのラックスのポリシーは、ステレオ全盛の今日なお輝きを失っていない。トランジスター・アンプが各社からぞくぞく発表されるや、管球アンプで「もっとも頼りになるアンプ」う送り続けてきたラックスの、トランジスター・アンプが待たれた。それが1昨年末発表されたSQ77Tであり、そのデラックス・タイプが、301であった。SQ301は、管球アンプの音を、トランジスター・アンプによって実現すること技術を集中したと伝えられた。それは当時の他社のトランジスター・アンプとはかなり異った音色で、それが、ファンだけでなく専門家の耳さえも賛否の両論に別かれさせた。これはSQ301の存在が、アンプ界において大きなウェイトを占めていたからにほかならない。
’68年後期、つまり昨年の後半になってやっとラックスも今までにない意欲的な姿勢を示した。それがSQ505、606アンプの新シリーズの発表なのである。この新製品は、まさにラックスのイメージを一新した。ここには今までの、のれんを意識した老舗の感覚は見当たらない。しかし今までの永いキャリアは、全体の貫禄の中にずっしりと感じることができる。だがパネルにおけるデザイン、アンプ全体の仕様はまるで違う。フレッシュだ。まるでジムランのインテグレイテッド・アンプSA600にあるような、センスのあふれる仕上がりだ。パネルやつまみのつや消しや磨き仕上げの良さにもその新しいセンスがみられ、しかもスイッチの感覚に昔からの技術的神経の細かさが指先を伝わってくる。このアンプの音は前作得スキュー301とはかなり違う。もっと澄んだ音で、301をソフト・トーンとすればかなりクリアーな感じである。しかし、それでも他社のアンプとくらべると暖かさを感じる。いわゆる真空管的といわれているウォーム・トーンだ。
つまりラックスのアンプに対する音楽的良心はフレッシュなセンスのSQ505にも少しもがけりなく光っているのを感じる。






















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