Daily Archives: 1997年9月11日

タンノイ Kingdom

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 私の好きなスピーカーひとつでありながら、いまだかつて、自分のものにしたことのない憧れの存在がタンノイのシステムである。その最高峰が昨年発売されたキングダムだ。その時々のメディアが持っている録音帯域特性を備えることが私の再生オーディオの理想的条件のひとつであるのだが、キングダムは、この要求にたいするタンノイの回答といっていい製品だろう。デュアルコンセントリックユニットを広帯域で使い、上下にスーパー・ユニットをプラスしたものであることがそれを明瞭に物語っている。タンノイのなかでもっとも広域なシステムであり、タンノイらしさと現代的なワイドレンジを見事に両立させた成功作であると思う。ステレオイメージは同軸型らしい明確さであり、自然な音色と音触に、長年のキャリアによる風格さえが溢れている。説得力のある楽音のリアリティだ。中低域から中域にかけての高密度で厚い質感は得難いものであり、音楽表現の豊かさに寄与していることを強く感じる。したがって高域と低域をここまでワイドに伸ばしても、しっかりとした音の造形感や表現の豊かさは微塵も損なわれていない。伝統的なダイナミック型ダイレクトラジエーターとして高い完成度を持ったシステムで、むかしのタンノイのようにジャズやピアノに不満が残るといったことはもはやない。しかし、音と形の持つ、この品位と堂々の威容は、古典から浪漫にかけての、もっとも実り多きヨーロッパ音楽芸術の再生機として理想的と感じられる気品と豊麗さに満ち溢れている。こういうシステムと共存して、居住まいを正して音楽を鑑賞するという真面目さこそが、いま、レコード音楽とオーディオ文化が失いかけているものだ。イギリスでも、いまや数少ない重厚長大なスピーカーシステムであろう。いま、私ももっとも気になっているシステムの一つであるプラチナム/エアーパルス3・1もイギリス人の作品だが……。軽薄短小オーディオとは別次元の世界である。

「オーディオの流儀」

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう」より

 録音・再生系を基本としたオーディオでは、再生音を楽しむための基本条件として、原音再生は不可能であるということがある。録音サイドの問題にタッチせず、再生側のみのコントロールで、各種のプログラムを材料として再生音を楽しむこと、の2点が必要だ。再生系ではスピーカーシステムが重要だが、電気系とくらべ性能は非常に悪い。しかし、ルーム・アコースティック・設置条件、駆動アンプなどの調整次第でかなり原音的なイリュージョンが聴きとれるのは不思議なことだ。
 スピーカーは20cm級全域型が基本と考えており、簡潔で親しみやすい魅力がある。プログラムソースの情報量が増えれば、マルチウェイ化の必要に迫られるが、クロスオーバーの存在は振幅的・位相的に変化をし、予想以上の情報欠落を生じるため、遮断特性は6dB型しかないであろう。
 ステレオ再生では音場再生が大切で、非常に要素が多く、各種各様な流儀が生じるかもしれない。

タンノイ GRF Memory/TWW(組合せ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 GRFメモリーは、もっとも代表的な現代タンノイである。15インチ口径のデュアルコンセントリックユニットを、無理なく余裕ある変形バスレフ型エンクロージュアに納めていてユニットの音の特徴が素直に生きている。このモデルは現在の充実したプレスティッジ・シリーズの基礎を開拓した製品であることは、GRFメモリーの名称にも表れている。アンプは同じ英国の新進メーカー、アルケミストのプリアンプAPD21ASS、そしてパワーアンプも同社のAPD20ASSを使う。じつに魅力的なセパレートアンプのコンビネーションで、陰影と彫琢が深く音楽が躍動する。CDプレーヤーはクォード77CD。音色が人肌に温かい音だが、繊細感や精緻感にも優れている。トータルとして味わい深く雰囲気が豊かな音に大きな満足感が得られるはずである。レコード音楽が立派な音楽的実体験のできる世界であることの可能性を実感できるであろう。

「オーディオの流儀」

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう」より

 私のオーディオの基本姿勢は、客観と主観、物理特性と感性のバランスです。つまり、評価基準として科学技術と美学の2つのバランスが必要です。スピーカーにたいしても、物理的には周波数帯域と直線性などの点でメディアと同水準の特性を要求します。録音されている周波数/ダイナミックレンジが出ないものは不満です。残念ながら、ほとんどの市販製品がそうですが!? 感性的には私の好みに合うスピーカーは必ずしも一つではないし、同じ設計思想によるものとも限りません。好きな食べものが一つでないのと同じです。スピーカーを個性や癖で安易に分類するのは危険ですが、この世に無個性なスピーカーはないので、聴き手の音響的、音楽的嗜好との接点は大切です。私は、演奏者の「気」の感じられるような、血の通った、精緻かつ豊潤な音が好きです。嫌いなのは、刺激的で、冷たい、機械的な音と、病的で脆弱な音。そして、使い手の調整不備による変則的な帯域バランスです。

タンノイ Stirling/TWW(組合せ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 タンノイのプレスティッジ・シリーズの最下位を担い、きわめて好評なのがこのスターリングである。本誌でこれにサブウーファーとスーパートゥイーターを付加してキングダムに挑戦したことがあるが、勝るとも劣らぬ好結果を得たものであった。したがって、キングダムのミニマムコスト版として、これ以外にない。価格はキングダムの1/8である! 本当はアンプを驕りたいところだが、そこを抑えてプリメインアンプで鳴らそう。ラックスマンのL507sはよく練れた音であり、ドライブ能力も高い。スターリングの感度なら十分なパワーであるし、この艶のある音は美しく楽しい。CDプレーヤーもラックスの新製品D700sでデザインと音の統一感を求めたい。アンプとCDプレーヤーのトータルが43万円とスピーカーシステムの44万円にほぼ等しい理想的な価格配分となった。バランスのよい本格派の入門システムとして広くお勧めしたいシステムだ。

パイオニア Exclusive Model 2404

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型を中域以上に使う大型2ウェイシステムは、従来からスタジオモニターとして伝統的に使われてきたシステムではあるが、紙コーンの低域と、軽金属振動板採用のドライバーユニットとホーンを組み合わせた中域以上とでは、音色、感度、指向特性などが根本的に異なり、システムアップが非常に難しく、その成功例は想像以上に少ないようだ。
 とくにクロスオーバー付近では、特性を重視すれば音質、音色に違和感を生じ、平均的にはクロスオーバー域の音圧を弱めに設定して、音質、音色をコントロールする手法が用いられるようだ。
 また、大型ホーンで音像が前後方向に移動する例が多く、ある程度、システムとの距離をおいて聴く必要もあるようだ。
 しかし、基本的に高感度システムであるため、センシティヴで反応が速く、ダイナミックでパワフルな音が聴かれるために、少々個性型ではあるが、この種の音にハマると立直れない麻薬的な魅力があり、個人的には卒業したつもりではいるが、非常に危険な存在である。
 ホーン型スタジオモニターとして、私が世界の双璧と考えるシステムが、パイオニア/エクスクルーシヴ2404とウェストレイクBBSM15だ。両者の選択には悩ましいものがあるが、構成が単純な2ウェイ型であり、なおかつ、こめウェスタン以来の伝統的技術を抜本的にリフレッシュしたユニットを、低域、高域に採用し、音像の前後移動のない大型ホーンと組み合わせた、エクスクルーシヴ2404のシステムプランは、文字通り世界最高のシステムである。
 今年春には、本機に採用された新TAD系ユニットが単体として発売されるようになり、世界のモニタースピーカーメーカーに採用されるという噂もしきりというのが現状のようだ。個人的な見解では、低域は38cm2個が必須条件ではあるが、現在、市販されているスピーカーシステムのなかから選択しなければならないとすれば、2404しかないだろう。

ビクター SX-V1A(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 小口径フルレンジ型ユニットに、ボイスコイルそのものを抵抗分として直列に使用して低域再生能力を高めるという独自の設計を施し、これにスーパートゥイーター的な高域ユニットを加えたユニークなシステムが、ビクターSX−V1Aである。アルニコ磁石採用のウーファーとトゥイーターは真鍮ベースに組み込まれ、エンクロージュアはサブバッフルにVDE/2針葉樹系高密度材、その他は無垢マホガニー材採用と、小型ながら超豪華設計で、専用スタンドと組み合わせて、想像を超える豊かな音楽性のある音が楽しめるシステムだ。反応が速く鮮度感の高いスピーカーを活かすためには、同社のXL−V1/CDプレーヤーとAX−V1プリメインアンプがベストマッチだ。フロントパネルとボンネットを一体化した見事な筐体と、物量をふんだんに投入した設計は、クォリティが抜群に高く、趣味としてのオーディオを、大人が楽しむためにふさわしい組合せ。

BOSE 901WB(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 小口径フルレンジ型ユニットを9個シリーズ接続として小型エンクロージュアに納め、コンサートホールの直接音対間接音の配分どおりに、前面に1個/背面に8個を取り付けたシステムがボーズ901で、高域と低域は専用イコライザーで補整をする独自のシステムである。現在は度々の改良を重ね901WBに発展し、鮮明な音に進化を遂げている。本来の性能を音として引き出すためには、相当に優れたシステムが必要であり、ここではバランスを崩した組合せにならざるをえない。CDプレーヤーは、一体型として個性派の、ワディアとティアックの合作、X10Wの音楽性豊かな表現力がぜひとも必要だ。アンプは、パワフルでスピーカー駆動濃緑に優れ、必要帯域内のエネルギーバランスが見事なマランツPM15がベストマッチである。反応が速く、活き活きとした、フルレンジ型の魅力を再認識させる組合せだ。

マッキントッシュ XRT25(組合せ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

いかにミニマム・コストといわれても、オーディオの醍醐味、しかもユニークなXRT26システムと同質の魅力が味わえるシステムとなると、XRT25を使う以外には考えられない。「音は人なり」だが、この企画では「音は物なり」ということになる。事実、オーディオは物がなければ始まらない世界であるから、この両面は明確に認識しておかなければいけない。したがって、ここではCDプレーヤーとアンプの価格でコストを削るという結論になった。CDプレーヤーはマランツCD16D、プリメインアンプはアキュフェーズのE406Vという、どちらも最新の製品の組合せによる本格派だ。これで前者より80万円以上のコストダウンである。この組合せでXRTの世界が実現するはずで、最低3年は楽しめると思う。自身のサウンドイメージが明確に定まり、より高い要求が生まれたらクォリティとセンスのアンプグレードへと進むべきであろう。

マッキントッシュ XRT25(組合せ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 XRTシリーズの頂点が26で、そのジュニアモデルがこのXRT25である。一回り小さいモデルであり、XRTシリーズの大きな特徴であるセパレート・トゥイーターコラムが短縮されて、ウーファー/スコーカーとインラインでエンクロージュア中央に装備されている。音や空間イメージはまったく同系統のものだが価格は半額近い。CDプレーヤーとアンプの合計をスピーカーのペア価格とほぼ同額になっているのであるが、どうしてもボウ・テクノロジーのZZエイトを使いたく、バランスとしては悪いかもしれない。しかし、この組合せを薦めたい。アンプはマッキントッシュのOPTでインターフェイスをとるのがベスト。プリメインのMA6800を使う。予算がなければOPTなしのMA6400でいいだろう。部屋への設置の気配りと、MQ109の調整でしっかり攻め込みバランスをとれば、レコード音楽芸術の至福を堪能することができるであろう。

マッキントッシュ XRT26

菅野沖彦

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 私の流儀によるスピーカーを挙げろといわれれば、現在の自分の再生装置そのものということになるわけで、JBLのユニットを中心とした変則的5ウェイ・マルチアンプ・システムか、マッキントッシュXRT20システムということになる。この似ても似つかない2組が自分にとってもっとも違和感のない音で音楽を再生してくれるのだから、物より流儀といえるかもしれない。2組のシステムは音楽や録音の違いで使い分けることもあるが、無意識にどちらかで演奏していることもある。他人が聴いてもあまり違いがわからないほどバランスが似ているので、つくづく、音は人次第だと自分で納得してしまった。JBLのほうはあまりにも個性的で自己流であるから、一般に手にはいるスピーカーシステムということでマッキントッシュXRT20を私流の道具の代表とする。ただし現行モデルはXRT26で、ユニットもエンクロージュアも新型である。しかし基本的にはXRT20と変らないし、JBLの5チャンネル・システムと間違うほどの鳴り方も可能なフレキシビリティがあるのだから、XRT26で不足はない。もちろん、物理特性的には最新モデルだけあって勝っているのだから、むしろ可能性は高いかもしれない。後は一に使い手のセンスと努力である。演奏するCD、AD次第で豹変する鋭敏な反応と、自然な音色と音触が私流の鳴らし方のプライオリティだが、その第一条件は帯域バランスの整然とした美である。細かい山谷がフラットである必要は毛頭ないが、大きく全体的に、その基本を踏み外さないことが肝要である。スピーカーと部屋との相互関係でエネルギーバランスが整っていない音が最悪だ。演奏者の知性と感性までが別人のようになることがある事実を、体験感知し認知すべきである。サウンドに留まることなら、他愛はないが、演奏表現の印象が変るとなると重大である。XRTシリーズは素晴らしいスピーカーシステムだ。

ダイヤトーン DS-205(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 2ウェイ構成の放送モニターシステムとして名声の高い2S305系の技術を継承し、新素材振動板を採用して、現代のディジタルプログラム時代のコンシューマーモデルとして開発されたダイヤトーンDS205は、大変に魅力的な製品。モニターの基本構成は受け継いではいても、しなやかでほどよく反応が速く、響きの豊かなプレゼンスを狙って開発されたシステムであり、容量の大きなバスレフ設計が最大の特徴だ。CDプレーヤーは世界最高の一体型、ビクターXL−Z999が、高価ながら使って納得させられる力量が見事で必須の選択。アンプは、雰囲気と表現力の豊かさを狙えば優れた管球アンプが使いたくなる。入手がいまや困難かもしれないが、レプリカ版のマランツ7と8Bが想像を絶した、現代に通用する見事な音を聴かせる。一段としなやかでナイーブかつ鮮度感のある音を求めれば、U・BROSジュニア2とU・BROS1Kを使いたい。

タンノイ System 215MKII(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型ユニット採用のスタジオモニターのなかで、比較的にコンパクトで内容の充実した製品を探してみると、価格を含め、英タンノイのシステム215MKIIは、ぜひとも使ってみたいシステムである。専用スタンドが用意されていることも非常に魅力的だ。同軸2ウェイとウーファーの組合せで、2ウェイ/3ウェイ兼用設計が最大の特徴。今回の組合せは、バランス感覚を重視しているが、CDトランスポートは、世界最高のメカニズムに基づいた、超高SN比を誇るCDP−R10が必須条件。これに高SN比で音楽性豊かなXP−DA1000Aを組み合わせる。実際に使って大変に好ましいペアだ。アンプは高SN比が条件で必然的に国内製品を選ぶ。アキュフェーズ、マランツ、パイオニア、ラックスマンが候補になるが、SS試聴室のリファレンス機として責任を果してくれたアキュフェーズC290と、ソリッドで充実した音のA50に、DG28を加えれば万全だ。

アクースティックラボ Stella Elegans

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 スピーカーシステムは、中口径フルレンジユニットをベースとするべきだとの考え方に立ったとしても、超低域から20kHzを超す広帯域のディジタルプログラムソースを再生するためには、フルレンジユニットの高域もしくは低域を、トゥイーターもしくはサブウーファーを組み合わせ、広帯域再生化を考えなければならないであろう。
 静電型のフルレンジユニットをベースとすれば、サブウーファーを追加して比較的に容易にシステムプランが成り立つが、音量的な制約は基本的に残り、特性面では一歩を譲るが、やはり、ダイナミック型ユニットの魅力は捨てがたいものがあるようだ。
 このタイプのフルレンジユニットは、基本的に設計時期が古く、アナログ時代に開発されたユニットの生き残ったものが主流で、少なくとも、現代の最新のテクノロジーにより開発されたものは非常に少ないのが現状だ。
 非常に数の少ない最新設計のフルレンジ型ユニットのなかで注目したい製品が、静電型に匹敵する過渡応答に優れた特徴を持ちながら、ダイナミックレンジを一段と向上させ、柔らかい振動板により、振動の最初から全帯域を分割振動で動作させる、BWT(ベンディング・ウェイヴ・トランスデューサー)である。
 基本構想は、かつてのヤマハ/NSスピーカーと共通性があるが、特殊な薄膜材料に直接ボイスコイルを取り付けた振動系は、人間の耳の構造を範として設計されたとのことで、約20cmの口径で80Hz〜32kHzをカバーするという異例の超広帯域ユニットだ。
 この独マンガー研究所が30年の歳月をかけて完成させたユニットに、プロセッシング・プレッシャー・コントロールアンプが駆動するアクティヴ型ウーファーを加えたシステムが、スイスのアクースティックラボ/ステラ・エレガンスである。
 ナチュラルで色付けがなく、ストレスフリーな音は、最新フルレンジ型ならではの独自の魅力がある。