井上卓也
ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より
2ウェイ構成の放送モニターシステムとして名声の高い2S305系の技術を継承し、新素材振動板を採用して、現代のディジタルプログラム時代のコンシューマーモデルとして開発されたダイヤトーンDS205は、大変に魅力的な製品。モニターの基本構成は受け継いではいても、しなやかでほどよく反応が速く、響きの豊かなプレゼンスを狙って開発されたシステムであり、容量の大きなバスレフ設計が最大の特徴だ。CDプレーヤーは世界最高の一体型、ビクターXL−Z999が、高価ながら使って納得させられる力量が見事で必須の選択。アンプは、雰囲気と表現力の豊かさを狙えば優れた管球アンプが使いたくなる。入手がいまや困難かもしれないが、レプリカ版のマランツ7と8Bが想像を絶した、現代に通用する見事な音を聴かせる。一段としなやかでナイーブかつ鮮度感のある音を求めれば、U・BROSジュニア2とU・BROS1Kを使いたい。
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