井上卓也
ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より
小口径フルレンジ型ユニットを9個シリーズ接続として小型エンクロージュアに納め、コンサートホールの直接音対間接音の配分どおりに、前面に1個/背面に8個を取り付けたシステムがボーズ901で、高域と低域は専用イコライザーで補整をする独自のシステムである。現在は度々の改良を重ね901WBに発展し、鮮明な音に進化を遂げている。本来の性能を音として引き出すためには、相当に優れたシステムが必要であり、ここではバランスを崩した組合せにならざるをえない。CDプレーヤーは、一体型として個性派の、ワディアとティアックの合作、X10Wの音楽性豊かな表現力がぜひとも必要だ。アンプは、パワフルでスピーカー駆動濃緑に優れ、必要帯域内のエネルギーバランスが見事なマランツPM15がベストマッチである。反応が速く、活き活きとした、フルレンジ型の魅力を再認識させる組合せだ。
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