サンスイ AU-888

岩崎千明

スイングジャーナル 2月号(1971年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

「アンプ戦線異常あり! 各メーカー全段直結に注目し、総力を挙げて、製品強化を図り、全体制を至急整えるべし」というのが、71年を迎えんとするハイファイ・ステレオ業界の現状である。
 その全段直結戦線の端を切ったのがナショナル・テクニタス50Aであり、この大好評が大旋風の緒である。続いてティアックAS200、オンキョー・インテグラ701と大御所が名乗りを上げ、この流行が早くもピッチを上げてきつつあった時、ソニーTA1120を頂点とする全アンプESシリーズが、マイナー・チェンジという形でいっせいに全段直結化した。それを専門メーカーが黙って指をくわえたままのはずはない。
 サンスイが、AU666、AU999の2機種によって、ついに一般のオーディオファンの手に届き得るべく商品化したのが4ヶ月前。AU666はすでに前評判もよく、市場において成功を収めつつある状態だ。
 続いて、トリオが主力製品KA6000を上まわる全段直結アンプKA7002を発表。ようやくこのアンプ戦線に主役が揃って来たところである。後はパイオニアの新型アンプを待つばかりだ。
 すでにくり返しいわれているようにこの新回路方式のアンプは、理論上も従来の方式に比べてあらゆる点で格段の優秀さを具えている。何よりも注目すべき点は、あらゆる再生帯域内での「位相特性」が格段によくなる点であろう。負帰還技術を駆使した今日のハイファイ・アンプでは、負帰還以前の原回路の位相特性がもっとも問題となるが、従来の方式では、すでにリミットにあった位相特性が格段と向上し得る手段こそ新方式の全段直結回路なのである。
 これが再生品位に及ばす効果を伝えるのは容易ではない。というのはすでに従来のアンプが理想に近いレベルまで向上していたからで、それ以上のわずかのレベルアップに考えもつかない費用が要され、しかもそれと製品化するために多くの難関が道を阻ぎる。
 テクニクス50Aの同級アンプに比べて倍の価格がこのところをよく物語るし、それを知る者にとって、サンスイのAU666の価格は相当おさえられた価格であることを知らされる。
 しかも、それら全段直結アンプの音は、今までのアンプの音に比べて「音に豊かさと透明度が加わった」という点で共通している。日本製以外の製品としては、わずかJBLの高級アンプとマランツの豪華型にしかないというこの高水準の回路方式が今や国産アンプの「常識」になりつつある。ということはまったく驚異と共に喜びをもって迎えたい。
 AU666に続いて発表したのが、このAU888である。
 これはライバル・メーカーの主力製品に対する秘密兵器的な地位にある新製品だ。2年前のベストセラーであるAU777のグレード・アップという名実共に裏付けされている点でメーカー側の姿勢が感じられ、発売前から評判も高く、その売れ行きを約束されているといえよう。.
 ブラック・フェイスというサンスイのイメージ・デザインの延長ながら、AU888にはメカニックでフレッシュな新感覚がみごとなばかりにパネルに結実している。加えて、AU666におけると同じく透明度高く、しかも豊かなつややかな中音域が大きな特長だ。トランジスタ・アンプから除ききれなかったドライな切れ込みが、まろやかに鮮烈なアタックもそこなうことなくしっとりした音を聴かせてくれる。
 この理想境に達したのは、全段直結アンプ方式以外では考えられまい。アンプメーカーとして、AU111、AU777という2大金字塔を誇るサンスイが、AU666に続いて大荒れのアンプ戦線に加えた強力兵器、それがこのAU888であり、その期待をになうべく、デッキ?デッキの録音、再生も可能というフルアクセサリーのマニアライクな仕様、そして性能を満して市場に出る。
「シェリー・マンホールのレイ・ブラウンとミルト・ジャクソン」の冴えたキラ星のごときヴァイヴとベースの力強い開放弦の低音がSJ試聴室のA7をろうろうと響かせた。

テクニクス SP-10

テクニクスのターンテーブルSP10の広告
(スイングジャーナル 1971年2月号掲載)

SP10

アイワ TP-1100, TPR-2001

アイワのカセットデッキTP1100、カシーバーTPR2001の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

TP1100

フォスター Compartment System, G-3020

フォスターのスピーカーシステムCompartment System、G3020の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

G3020

ソニー STR-6000

ソニーのレシーバーSTR6000の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

STR6000

ビクター CHR-201

ビクターの8トラックデッキCHR201の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

CHR201

パイオニア CS-300, CS-500, CS-700, CS-900, CS-E350, CS-E700, CS-E900

パイオニアのスピーカーシステムCS300、CS500、CS700、CS900、CS-E350、CS-E700、CS-E900の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

CS900

クライスラー CE-1acII, CE-2aII, CE-5aII, CE-4a, CE-6a

クライスラーのスピーカーシステムCE1acII、CE2aII、CE5aII、CE4a、CE6aの広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

CE2

マイクロ MR-211

マイクロのアナログプレーヤーMR211の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

MR211

マイクロ MB-300, M-2100/6, MA-77MK-II

マイクロのターンテーブルMB300、カートリッジM2100/6、トーンアームMA77MK-IIの広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

MB300

テクニクス SB-500

テクニクスのスピーカーシステムSB500の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

SB500

オーディオテクニカ AT-VM35, AT-35X, AT-VM3, AT-VM8, AT-3, AT-3M

オーディオテクニカのカートリッジAT-VM35、AT-35X、AT-VM3、AT-VM6、AT3、AT3Mの広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

AT

ナガオカ 44-17ST, 49-25ST, 71-11ST, 71-20ST, 33-07

ナガオカの交換針44-17ST、49-25ST、71-11ST、71-20ST、33-07の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

nagaoka

オットー DCA-1400, FMT-1400

オットーのプリメインアンプDCA1400、チューナーFMT1400の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

OTTO

サンスイ SP-3005, AU-888, TU-888, SR-4050

サンスイのスピーカーシステムSP3005、プリメインアンプAU888、チューナーTU888、アナログプレーヤーSR4050の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Sansui1

テクニクス SL-30, SL-40

テクニクスのアナログプレーヤーSL30、SL40の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

SL30

富士フィルム FM

富士フィルムのオープンリールテープFMの広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Fuji

パイオニア PL-A30

パイオニアのアナログプレーヤーPL-A30の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

PL-A30

オルトフォン MF15, SL15, B&W DM3

オルトフォンのカートリッジMF15、SL15、B&WのスピーカーシステムDM3の広告(輸入元:オーディオニックス)
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

ortofon

テクニクス SU-3600, ST-3600

テクニクスのプリメインアンプSU3600、チューナーST3600の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

SU3600

JBL Aquarius 2A, Aquarius 3

JBLのスピーカーシステムAquarius 2A、Aquarius 3の広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

JBL

パイオニア SA-70, SA-90, SA-100, SC-70, SC-100, SM-70, SM-100, TX-50, TX-70, TX-90, TX-100, TVX-90, SF-50, SF-70, SD-100

パイオニアのプリメインアンプSA70、SA90、SA100、コントロールアンプSC70、SC100、パワーアンプSM70、SM100、チューナーTX50、TX70、TX90、TX100、TVX90、エレクトリッククロスオーバーネットワークSF50、SF70、ステレオディスプレイSD100の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Pioneer

ダイヤトーン DS-34B MKII, DA-33U, DA-30R, DP-82B, DT-1500

ダイヤトーンのスピーカーシステムDS34B MKII、プリメインアンプDA33U、チューナーDA30R、アナログプレーヤーDP82B、オープンリールデッキDT1500の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

DS34

パイオニア T-6100, T-6600, T-8800, T-3300

パイオニアのオープンリールデッキT6100、T6600、T8800、カセットデッキT3300の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

T6600

ソニー TC-2200

ソニーのカセットデッキTC2200の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

TC2200