岩崎千明
コンポーネントステレオの世界(ステレオサウンド別冊・1976年1月発行)
「スピーカーシステム中心の特選コンポーネント集〈131選〉」より
JBLの久しぶりの家庭用フロア型の大型システムが出た。前面を僅かに傾け角を落した奥行きの十分ある箱は、今までにない重量だ。そのずっしりした重量感から重低音の力強さは予測できるが、期待をさらに上まわり量感あふれる低音エネルギーがこのL300の最大の価値であろうか。ほぼ同じユニット構成ながらモニターの4333との違いも、フラットながらこの低音エネルギーに片寄っている所は、家庭用再生システムに対するJBLの志向を物語って興味深いが、音楽を楽しめる点で好感と親しみとを強く感じさせる。
こうした音楽と直結した「音」を、もっとも活かそうと心したとき、新技術の結晶とでもいい得る最新のアンプジラは最適だ。音を知り抜いたハイセンスのサウンドは今日での頂点ということができ、ぜひL300に試みたい組合せであるといえるであろう。
L300の登場した現代のオーディオ・シーンの状況下で、高品質のトランジスター・ハイパワーアンプこそもっとも適切な組合せであることは当然だ。鮮度の高い中域の充実感を考えるとき、最新技術を背景にしてより魅力あるサウンドを得られるに違いない。
スピーカーシステム:JBL L300 ¥520,000×2
コントロールアンプ:GAS Thaedra ¥610,000
パワーアンプ:GAS Ampzilla ¥499,000
プレーヤーシステム:トーレンス TD160C ¥98,000
カートリッジ:ピカリング XUV/4500Q ¥53,000
計¥2,280,000
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