瀬川冬樹
ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より
ローレベルでは多少ザラついた感じのつきまとう歪がわずかにあるようだが、音が実にたっぷりしていること、音量を上げても刺激的な音のしないことなど、三万円台ではベストバイにあげてよいと思った。
トーン・フラットのポジションでも中低域に意識してふくらみを持たせた音質で、こういう作りかたは、コロムビアMA20と同じ意味でローコスト・アンプにはむしろ好ましい。
ただ、ノイズの性質はあまり良い方ではなく、トランジスターのボソボソいう雑音が、音量を上げたときには少し気になったがこれは製品ムラかもしれない。ヘッドフォン使用時に残留ノイズが割合耳ざわりだった。
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