Category Archives: グレース - Page 3

Lo-D, グレース

Lo-Dとグレース共同レコードコンサートの広告
(スイングジャーナル 1970年11月号掲載)

Lo-D

グレース F-8L

グレースのカートリッジF8Lの広告
(スイングジャーナル 1970年9月号掲載)

Grace

グレース F-8C, F-8L, F-21, G-545, G-565, G-540L, G-560L, G-840, フィリップス GP412

グレースのカートリッジF8C、F8L、F21、トーンアームG545、G565、G540L、G560L、G840、フィリップスのカートリッジGP412の広告
(スイングジャーナル 1970年8月号掲載)

Grace

グレース F-8C, F-8L, F-21, G-545, G-565, G-540L, G-560L, G-840, フィリップス GP412

グレースのカートリッジF8C、F8L、F21、トーンアームG545、G565、G540L、G560L、G840、フィリップスのカートリッジGP412の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

grace

グレース G-840

岩崎千明

スイングジャーナル 7月号(1970年6月発行)
「SJ選定《新製品》試聴記」より

 グレースが久しぶりに新型アームを発表した。G840という。
 現在のグレースのアームG545シリーズにとって代る主力製品たる期待をになって登場した新製品である。従来のG545シリーズは、540シリーズのマイナー・チェンジということで、そのスタイルに540シリーズのイメージを深く残し、ジンバル機構、バランスウェイトなどの各部に共通の部分が見られた。「新製品という形でなく、現在の製品を常に改善し性能向上を図るのがうちの姿勢です。だから同じ製品でも一年前のとくらべれば部分的に改善されており現在の製品は格段と良くなっているはず」というのがグレース主脳陣のいつもの言だ。それがカートリッジでははっきりと音質の違い、トレース能力の向上などという形で現れており、アームについても地味ながら眼に見えない部分に改良がなされてきた。例えば部分的な量産性の向上を図って製品全体のバラツキを減らすとか工程の簡略化により精密度をより改善して製品の精度の向上するとか。これらはどこのメーカーでもやっていることではあるがグレースの場合、特に新製品の開発の技術力をふり向けてまでその点に重点を置いてきたといえよう。
 それがグレースという老舗らしい手堅い行さ方である。日進月歩の速度の早いオーディオ界において高級マニアに古くから信頼されてきたコツであり同社の他のメーカーとは違う長大の点ともいえるのであろう。
 とはいえ同分野のメーカーの数は多くその規模にしても新進といえども業界きっての古参、ダレひとりと肩を並べあるいは追越す規模の同業メーカーも一二を下らない。それら各社の製品が毎月のように新製品捕を賑わしている状況下では、新製品に対して消極的なグレースといえども、新型を出して対向せぎるを得なかったという見方もできるのである
 そこで、この新型であるが今までの545シリーズを一段とグレードアップしたという点ではまったく系列の異なる新製品ということはできない。従来のグレースの姿勢がはっきりとうかがい得る新製品である。とはいえ同じ機構を踏習しながらも、そのイメージとしては全く一新し微精度的メカニズムを感じさせる軽快で繊細なデザインだ。
 同じシンバル機構つまりジャイロによる水平垂直回転機構をさらに小型化することにより一歩前進させ精度と感度を向上したという。
 さらにそのアームは従来より一段と細いパイプアームに変えて、現在の市販製品中でも好辞を伝えられFR24、UA3などと同じ軽量級アームとしてのイメージアップに努めている。
 ただ、このグレースの新製品が、このような一段と軽量級アームに向いつつあるのが現在の時点であるということがひとつの問題点でもありグレースのグレースらしいやり方でもあり、それがこのアームの市場性の得失にもつながっていることを見逃すわけにはいかない。
 今日、高級アームの大きな問題点として、軽量化に対するひとつの批評がクローズアップされつつあるということをここで改めて思い起していただきたい。アームの軽量化が音質の上で、低音の迫力、量感の不足の一因として指摘されて久しい。これが軽針圧、軽量級アームの著しい普及によって一段といわれているのである。
 しかし、この批評にもかかわらず依然として軽量級アームがもてはやされているのは針圧の軽減化がレコードの消耗を防ぐ最大の効果となっているからであり、その点では音質の悪影響も見逃されているという事実。そして、これを再確認するところから保守的なメーカー、グレースがあえて軽量化への道を選んだのであろうという見方もできる。ただはっきりといえることは今までももっとも使い勝手がよくまた荒い操作にも耐え得る点を買われていたグレースのアームの軽量化という点だ。おそらくアフターサービスの点でもっとも良心的なメーカーのひとつとしてグレースのアームば軽量アームの中でも一番丈夫であるに違いない。
 シェルの強度とデザインの点で難点はあるとはいえこのグレースの軽量アームが今後市場で好評となることはほぼ間違いはなかろう。
 私の目前でゲイリー・ピーコックの日本録音の大娠幅も 0・59gという軽針圧でまったく難なくトレースをしてしまうアームは国産品、輸入品を問わず、このグレースの新製品G840シリーズを除いて、その例を私は多くは知らない。

グレース F-8C, G-840

グレースのカートリッジF8C、トーンアームG840の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

Grace

グレース G-840

グレースのトーンアームG840の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Grace

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(ステレオ 1970年4月号掲載)

F8C

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(ステレオ 1970年3月号掲載)

F8C

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(スイングジャーナル 1970年2月号掲載)

F8C

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(スイングジャーナル 1970年1月号掲載)

F8C

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(スイングジャーナル 1969年12月号掲載)

F8

グレース F-8C

グレースのカートリッジF8Cの広告
(スイングジャーナル 1969年11月号掲載)

grace

グレース F-8C

岩崎千明

スイングジャーナル 11月号(1969年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 F8Lというベスト・セラーのカートリッジに「MUSICA」と名付けたF8Mが加わったのは昨年春であった。F8シリーズは国産MM型カートリッジの代表のようにいわれ、その性能、品質、さらに再生品位までもが高い信頼度をそなえている製品である。
 非常に繊細に音のひとつひとつを適確に拾い上げる能力、どんな演奏のレコードでも正確に音溝をトレースする能力、このようなもっとも大切にして必要な条件を、危な気なくそなえているという点て、グレースのF8Lは国内製品中でもベストに上げられるひとつであった。
 そして、その音の繊細さに、より以上の迫力、アタックの力強さを加えて誕生したのがF8Mであった。
 むろんF8Mは発売後、F8Lと並んで好評を持って迎えられ、特にジャズ・ファンからはF8L以上に支持されていると聞く。
 F8L、F8Mの話を長々と前置をしたのには理由がないわけではない。
 今回、F8Cが発売された。F8シリーズの最高級品としてのF8Cについて、次のようなことがよくいわれているのである。
 つまり「F8CはF8LとF8Mとの中間的な製品である」「F8LとF8Mの良い所を採り入れて作られたのがF8Cである……」
 これは結論からいくと誤りである。F8CはF8シリーズの標準品種F8Lを基として出発したF8Mとは兄貴分に当る製品である。メーカーの言によると「F8シリーズの最高級を目指して、精密技術を駆使して完成した製品」である。
 結果としてF8Mのアタックを加えられたF8Cは、音色の上で、F8LとF8Mの中間的なファクターを示すこととなった。メーカーサイドでは、しかしこれはあくまで聴感上の結果であるという。
 F8Lをもととしてその性能向上化の結果、それ以前のF8Mと似たとしても、技術的にはかなり違ったものからスタートして得たのである.
 一般にカートリッジの高性能化の方法として、針先カンチレバーの質量を減らし、その支持をやわらかにすることにより、振動系を動きやすくするのを目的とする。これはシュアーのカートリッジが追従能力、トラッカビリティの向上を狙って優れた性能を得るに到ったことからも納得ができよう。
 レコード音溝に刻みこまれた20、000ヘルツにも達する高速振動に追従するには、そのカンチレバー自体の自由共振はその限界を越えることが好ましい。しかし現実にはそれが、いかに難かしいことか現在の市販製品は20、000ヘルツ以上のものがない。もっとも高いひとつであるF8Lにしても18、000ヘルツである。一般には音声帯域内にあるこのカンチレバーの高域共振はダンパーによって押えられているわけである。このように押えられて周波数特性はフラットにされている。
 微少化されて20、000ヘルツ以上の音声帯域以上高い範囲に自由共振点が達したためJ支持部によるダンプの必要力くなくなって、針先の自由度が大きく向上したわけである。つまり針先コンプライアンスが向上して追従性がF8Cにおいて、25×10の−6乗
cm/dynと、より優れているのはこのためである。アタックの優れているのはこの結果、過渡特性が向上したからである。
 しかし、この僅かな向上のためにかなりのコストアップがつきまとうことになり、コスト・パーフォーマンスの点でF8Lにくらべて損をすることとなるのだが、この点こそ次のように強調したい。
 一般にコスト・パーフォーマンスを考えない最高級カートリッジとして国産を選ぶことは今日ではめったにないのが通例である。国産メーカーの奮起を促すことをいつも叫んできた我々にしては、このF8Cの出現をもっと価値のある成果として見直してもよいのではないだろうか。F8Cこそ外国製高級カートリッジに挑戦した国産カートリッジ第一弾なのであるから。

グレース F-21

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 おそろしく元気のいい音を持ったカートリッジで、低域に独特の量感があるし、中高域もかなり強調されていて、明るい派手な音を聴かせるが、音のキメが相当荒いことや、個性の強いキャラクターが全体のバランスをわずかながらくずしてしまっているという点で、今回テストした中では異色的な製品だった。逆カマボコ型に近い音質なので、華やかだが硬質のドライなタッチになり、ロスアンヘレスの声が別人のようにハスキーに聴こえるのはおもしろい。レクィエムもすばらしく威勢がいいし、モダンジャズも圧倒的迫力だ。スクラッチノイズまでが大きく勇ましい。音ぜんたいが、いかにも若さにまかせて走りまわっているような、ある種の逞しさに溢れている。

オーケストラ:☆☆★
ピアノ:☆☆★
弦楽器:☆☆★
声楽:☆☆★
コーラス:☆☆★
ジャズ:☆☆★
ムード:☆☆☆★
打楽器:☆☆★
総合評価:55
コストパフォーマンス:65

グレース F-8C

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 美しく良く抜けた明るい音質。高域に軽い盛り上がりを感じるほかはフラットな印象で、すべてのレコードを安定にトレースする。ヴェルディのレクィエムでは中高域のややうるさいところが難点であること、ピアノが多少安手になること、ジャズではハイが上がっている感じなのに楽器の近接感がそれほど出ないことなどから、中低域の厚みがもう少し欲しく思われるが、総体に明るく、きめ細かで、適度のツヤを持った音質が好ましく、オケのフォルティシモでもよく伸びて歪みっぽさのないところも良い。スクラッチノイズの性質は軽くシャリつく感じで、僅かながら耳につきやすいが、楽音とはよく分離する。こまかな難点はあっても、それをカヴァーする良い所を持った製品のように思われる。

オーケストラ:☆☆☆☆★
ピアノ:☆☆☆☆★
弦楽器:☆☆☆☆★
声楽:☆☆☆☆★
コーラス:☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆☆
ムード:☆☆☆☆
打楽器:☆☆☆☆
総合評価:85
コストパフォーマンス:90

グレース F-8M

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 音が幾分平面的で混濁気味になりやすい。ピーク性の音は殆んど聴かれないが、中高域の引っ込みがちの音質で、従ってオーケストラでは奥行きと厚みをやや欠いて、楽器の距離感が充分に再現されず、フォルティシモでは音が充分に伸びきらない。ピアノは、中域全般に力のないソフトタッチで、音がくしゃんとつぶれ気味。弦合奏も中高域の引っ込んだ、こもった感じでつやが余りなく躍動感に乏しい。ロスアンヘレスの声は割合良いが、やや固く金属質に響く。ヴェルディの強奏部では歪みは少なく分離も良いが、音がやや薄く平板だ。ジャズはシンバルが安っぽくなり、ギターはふくらみがなく小型になる。音の素性は悪くないが、製品としてのコントロールに難があるのではないか。

オーケストラ:☆☆☆☆
ピアノ:☆☆★
弦楽器:☆☆☆☆
声楽:☆☆☆★
コーラス:☆☆☆☆★
ジャズ:☆☆☆☆
ムード:☆☆☆★
打楽器:☆☆☆★
総合評価:75
コストパフォーマンス:80

グレース F-8L

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 目立った特徴も欠点も無く、ごく穏健な製品のようだ。総体に丸く甘いが聴き易い音である。ハイ・エンド(高域端)はやや上昇ぎみにもおもわれるが、ピーク性のものではなく、これが音に適度のツヤを持たせているようである。オーケストラのフォルティシモや打楽器の衝撃的な音でやや腰が弱くなるが、トレーシングも割合安定しているし、反ったレコードでも不安がない。スクラッチ・ノイズも少なく、雑音の性質は軽く、耳ざわりでない。「ツァラトゥストラ」のフォルティシモや「レクィエム」の大合唱で、音の分離が幾分物足りないこと、柔らかく聴き易いがやや薄手で、音の奥行きに不足を感じることや、強奏の部分で僅かだが音にあらさが残る点が気になった。

オーケストラ:☆☆☆☆
ピアノ:☆☆☆☆
弦楽器:☆☆☆☆
声楽:☆☆☆☆
コーラス:☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆★
ムード:☆☆☆☆
打楽器:☆☆☆★
総合評価:80
コストパフォーマンス:85

グレース F-8C, F-21

グレースのカートリッジF8C、F21の広告
(ステレオ 1969年9月号掲載)

F8C

グレース F-8L

岩崎千明

スイングジャーナル 2月号(1968年1月発行)
「ベスト・セラー診断」より

 おそらくカートリッジの分野では今や世界のトップメイカーといえる米国シュア社が、最高級品の新型カートリッジV15タイプIIを発表したのは昨春であった。
 すでに、それまでの製品V15でさえ、多くの高級オーディオ・マニアや音楽ファンから、これ以上は考えられないほどの称賛の辞を贈られていた。いわく「音が透明」、いわく「立あがりの音の良さが抜群」、いわく「豊かな音楽性、しかもシャープな音の分解能」……。しかし、その評価の中には、アバタもエクボ式な賛辞もなくはない。国内で求めることができるカートリッジの中で、おそらく最高価格であったことが、そのあやまちをおかさせたのであろう。
 そしてタイプIIが、67年春に突如28、000円と、さらに高価格で発表された。今までの評価の言葉は、今度こそ本当であった。今までのV15をほめちぎっていた方の中に、新型に対しての称賛の言葉をついに探しえなかった人も少なくはない。しかしその人でさえ、V15タイプIIを愛用しはじめたのであった。
 しかし、このタイプIIを初めて見たとき、その基本的な態度に、すでに発表済みの国産の高級カートリッジと酷似している点をいくつか見出してがくぜんとしたのであった。音質的にも似ているその国産カートリッジが、「グレースF8」(¥12、500)である。シュア・タイプIIがとり入れたと思われる点を列記してみよう。
 ①カンチ・レバーの形状
 ②カンチ・レバーの垂直に対する角度(21度)
 ③コイル・アセンブリーの傾斜と形状
 さらに興味深いのは、シュア社がタイプIIの発表に際してのメッセージは、「カートリッジはどうあらねばならないか」という問題点をコンピューターで解答した内容である。
 グレースがNHK技研の共同開発を始めるに当って提出したレポートの、その箇条書と順序こそ違え、内容はほとんどそっくりであるといえる点である。
 それを要約すると、次の2点である。性能の安定性ととりあつかいやすさ。そしてトレース特性とクロストーク特性。しかも特筆できるのはグレースのF8の発表は’66年秋のオーディオ・フェアであり、シュアV15タイプIIの突然の発表に先だつことなんと8か月前である点だ。タイプIIとF8Lは発売期日こそほとんど同じだが、その狙っていた線がまったく同じであったのは、注目に値しよう。
 多くは語る必要がない。そのF8の優秀性と狙いの正しいことは、何よりもまずその売れ行きが示そう。
 従来コイル型がマグネット型にすぐれると言われていた高級カートリッジの常識は、こうしてグレースとシュアの新型によって崩れ去り、F8は国内カートリッジ中のベストセラーにのし上ったことは、誰もが認めよう。
 その優秀性の一端を示そう。クロストーク特性をながめてみればわかるように、10、000c/sを越える音域でさえ20dB(つまり1/10)を越すほどだ。クロストークの原因が、根本的にはカンチ・レバーの局部的共振であることを考えれば、これはそのまま、ずばぬけた周波特性を意味しようし、その点でもシュアのタイプIIの超高域におけるクロストークの劣化よりはるかにすぐれ、この点、まさにF8は世界的な傑作といいうるのである。そしてこの評価は、当分の間は変ることはあるまい。そしてその優秀性は、グレースの「一度出た製品は向上させよう」というそのポリシーの成果である。旧製品F7はシュアのコピーからスタートしたのであるが、F8はシュアがまねたとも言えそうだ。
 しかし、この世界的な傑作を生んだすぐれた技術を内蔵するグレースに一言注文をつけたい。ムービング・マグネット型はシュア社の特許で、世界に進出することを阻まれている。そこでマグネット型からさらに一歩進んだ、例えば、ムービング・アイアン型でもいい、グレースだけの完全なるオリジナル製品がほしいと思うのである。

グレース F-8L

グレースのカートリッジF8Lの広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

グレース

グレース G-540S, G-540L, G-560S, G-560L

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 デビュー以来3年、しかしこの500シリーズは、外観は殆ど変らないがその実質細部の機構とも軽針圧時代の流れによってすっかり改められ、市販製品中、最高の垂直感度をもつ。一度製品化したものは常に改良し、性能の向上に努力を惜しまないこの社のあり方が、見事に結晶を造ったのがこの500シリーズといえよう。使いやすさ、性能、安静性ともに優れた傑作だ。

グレース F-8L

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 国産最初のMC型ステレオ・カートリッジを出したのがこのグレースだった。その後、MC型の品質管理とアフター・サービスの困難な点に量産製品として限界あることに気付き、研究を続けながらも、製品としてはいち早くすべてをMM型にした所など、このメーカーの良識だ。サービスの万全なことはHiFi業界でも有名で、また一度製品化するや、そのモデルに最新技術を投入して、常に品質向上を目指す点も、手堅い良心を感ずる。
 放送業務用として、NHK技術と開発したのがF8D。これを軽針圧化したのがF8L。音のよく似ていた米国シュア社の新型V15IIと共に、カートリッジの質はえむえむとかMCとかで決められないことを如実に示して、この社の技術が理論的にも将来の行き方につながることが判ろうというもの。F7にくらべ力強い低音域、おとなしいがずばぬけた高域の延び、そしてすぐれた分解能は特筆できよう。

グレース F-8L, F-6E, F-7E, G-704, G-540L

グレースのカートリッジF8L、F6E、F7E、トーンアームG704、G540Lの広告
(モダン・ジャズ百科 1966年3月号掲載)

Grace

グレース F-6, F-7, G-540

グレースのカートリッジF6、F7、トーンアームG540の広告
(モダン・ジャズ読本 ’65 1965年4月増刊号掲載)

Grace