Category Archives: アナログプレーヤー関係 - Page 43

デッカ Mark V, Mark V/ee

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 MKVは、従来の路線上にあって、独得の力強くダイナミックな迫力を特長としている。あくまでめりはりが効いて、音の立上りを強調しながら表現してしまうため、ピアノとか打楽器では、思わず息を止めてしまうほど鮮やかできれいだ。その反面、歌になるとどうしてもサシスセソが目立ってきて、それが気になってどうしようもなくなってしまうほど。単独の楽器のスケール感はよく出てるが、オーケストラや、ステージ感となると不足気味。
 Veeは楕円針付なのだが、音はかなり違って、大へん広帯域感が強く、全体のイメージとしてスッキリした音となって感じられる。音の粒立ちはV同様たいへん優れているが、Veeの方がはるかに細かい粒子を思わせて、歌などの子音の強調感がずっと押えられている。オーケストラの楽器の分解能力もよりこまやかで、スケール感も出てきている。定位は抜群によく、安定した再生音を聴かせてくれる。

AKG P6R, P6E, P7E, P8E

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 すでに市場にあったシリーズを一新して、今までのゴツイ外観を改め、従来より格段に聴きやすい音となった。ヨーロッパの音響製品に共通の、きわめてち密なサウンドと、低域、高域の力強く張りのある充実感がAKGのカートリッジにもみられる。
 P6Rは、もっとも普及価格のもので、名前から円錐針のついたものと判断される。この品種のみが、やや重い針圧を要求されていて、サウンドの上でも他とは少々違ったイメージを受ける。つまり力強さの外側に厚い衣をかぶらせたような、従って耳当りの良い暖かさ、まろやかさを感じさせ、加えて低音域でのどっしりした重量感が音全体のイメージを大きく変えてしまっている。あまり細かい表現は不適だが、全体を大づかみに捉えて聴きやすく再生する、といった風で、歌なども聴きやすい。バランスの良さがこうしたサウンドの魅力の根底を作っているのだろう。
 P7Eは、P6Eとよく似ているがP6Eのような力強さが、いく分おとなしくなっている。P6Eではくっきりしたクリアーな力と感じられるイメージがあったが、それに対してP7Eでは、もっとさわやかな新鮮さとなって、力強さもないわけではないが品があり、ヨーロッパ製ならではのソフトな耳ざわりを醸し出している。高域でのスッキリした冴えた響きも意識的でなく、品位が高い。ステレオ音像も、十分な拡がりの中に安定な確かさで定位する。ステージ感も要求されれば、最高の水準で再現してくれるし、歌などでは、きわめてリアルで自然な形で音像が浮かび出す。
 P8Eは、最高ランクだけにまるで拡大鏡でのぞくようなミクロ的な分解能力が何より見事だ。くっきりと、こまやかな音の表現をやってのける。ただその反面、少々鮮かすぎて、ソフトフォーカスのニュアンスにかけ、雰囲気のある再生には不向き。力強くスッキリした低音、キラキラした鮮明な高音域、加えて新シリーズ中もっとも充実感のある中声域。ステレオの拡がりも極めて大きく、定位の良さも抜群で、音楽の中に踏み込みたいという聴き手の要求をあらわに反映してくれる。

ADC QLM30MKII, QLM32MKII, QLM36MKII, VLM MKII, XLM MKII, SuperXLM MKII

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 Qシリーズは、これまでのADCの行き方とは違う路線の新シリーズのカートリッジであった。それまでのデリケートで繊細なる音から方向転換して、大胆な変身を遂げ、明るく健康そのものの音になった。それまでの息をひそめるような音にくらべいく分かラフな所があるが、逆に気楽に音楽を楽しめる、ともいえる。Qシリーズでは、若いファンを考慮しているに違いないから、こうした新傾向は当然すぎる変化といえる。
 針圧の点でも、それまでの、極めて入念な調節を必要とするクリティカルな傾向から一転して、適正値がかなり幅をもったラフな調節ができるようなものとなった。つまりQシリーズとなり体質的にすべてが変ったのである。
 QLM30MKIIは、Qシリーズの中でもっとも安価なクラスである。Qシリーズとしての共通的なローエンドまで延びているわけではないが弾力ある低音は30MKIIでは、ひときわ力強いが、かなり意識的な低音感で、必ずしも、入力に忠実というわけではない。中声部はややソフトで聴きやすいが、これも細やかな表現を薄めてしまう結果となっている。中音域全体にソフトな快よさがあるが特にこの30MKIIでは、中域である特定の周波数成分の華かさがある。これは、器楽曲では豊かさをもたらして有効だが、ヴォーカルでは音程を高めるような傾向を作ってしまう上、音像にも不自然さを感じさせる。
 QLM32MKIIは、Qシリーズの中級機で、中域におけるくせはずっと薄らぎ、Qシリーズ本来の耳当りのよい中声域がはっきりと感じられる。低音域での力強さが豊かさを加えて、力まかせの30MKIIにくらべてずっと質を高めている。
 QLM36MKIIは、XLMとは明らかに一線を画してはいるものの、帯域をひときわ拡大して、全体に明るく、刺戟のない快よい音を感じさせる。しかも粒立ちはくっきりとしているので分解能力もあり、音のディテールもよく表現する。ただ、あまりこまやかな表現は十分でなく、そこに適度のあまさがあって、それがソフトな聴き安さとなり、それなりの魅力となっている、といえよう。針圧に対する許容幅のゆとりある所はこの上級機も変りなく、針圧を倍にしてもトレースは安定で使いやすい。ステレオ感はこの36MKIIではずっと拡がりもよく、音像の定位もはるかに自然になって、30MKIIのような不安定な所がない。Qシリーズは、やはり価格に相当して初級ほどはっきり質の向上が確かめられ、分解能力、特に音の粒立ちのこまかさは、価格に比例しているといえる。
 XLM MKIIはADCのオリジナル高級製品10E直系の最高品種だ。かつては針圧のあまりにデリケートな点を指摘されたものだが、現機種ではそれもずっと改められている。とはいうものの針圧はかなり正確に適正値を保たねばならぬ。軽針圧用として使用上当然で、1gを切る針圧でも正確なトレースを果してくれる数少い実用的な高級品だ。きわめて広い広帯域感は、よく延びきったハイエンドとローエンドから感じられ、線の細いスッキリしたサウンドイメージが品の良さをもたらす。フワッとした低域は力強さこそないが、さわやかな豊かさにおいて、独特の魅力を作っている。
 VLMは、XLMよりいく分か針圧を要求されるが、トレースの安定性がかえって向上しているほどで、低音感がいく分どっしりしている。
 シバタ針つきのスーパーXLMは、高域で一段と輝きを増し、XLM/IIより高音に緻密さが加わっている。

フィデリティ・リサーチ FR-64S

岩崎千明

スイングジャーナル 6月号(1976年5月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 この1年間ほど米国のオーディオ誌やステレオ・レビュー誌の広告に、FRのアームが真上からみた原寸にも近い大きな姿勢で載っている。この広告は決しでFRのものでもないし、無論トーンアームの広告でもない。シェルはSMEだがアームはまぎれもなくFR54がなぜか登場しいる。おそらく広告制作者が、FR54の美しい姿態に魅せられての結果だろうということは十分察しがつくというものだ。現在世界に何10種とあるトーンアームの中で、奇をてらうことなく本格派の風格を、これほどのセンスでまとめ上げたアームは他に探すのはちょっと難しかろう。このアームに眼を止めた読者は、単純にその美しい姿を無意識のうちに理解し、更にその広告主のセンスの良さを無言の中で受けとめよう。
「名は態を表わす」というのと同じくらい「態は内側を表わす」ものだ。外観の上にその中味はにじみ出るから「美しい」ものは必らずその内容も悪かろうはずがない。これは真理だ。人の世に芸術というものがある以上、自然の法則ともいえよう。
 ところでこのFR54を外観の上でも、内容としてもはるかに凌駕する製品が出現した。このスーパースターこそFR64Sなのである。
 FRは軽量級MC型カートリッジFR1と、そのアームFR24をもってスタートした。その後、MM型カートリッジFR5を加え、さらに汎用アームFR54を加えて今日の基礎を成してきた。今、FR6シリーズ、さらにFR101とMM型カートリッジ陣を展げ さらにFR1は1度の改良を加えて性能をはるかに向上させた。そうした一連のグレード・アップともいえるカートリッジを最も理想的に動作させるため、実働性能の優れたトーンアームを既に数年前から開発中だった。実働性能といういい方は少々理解し難いかも知れぬ。例えばレコードのコンディションやプレイヤーの動作環境を考えれば、必らずしも理想状態にいつもあるとはいえない。いや逆に実際のコンディションは、理想状態とは程違いというのがディスク再生の実際なのである。
 これを考慮したとき、今日の高感度軽量級アームの基本技術といえるスタティック・バランス・タイプの全ては実用的動作で問題を内蔵することになる。レコードの偏心、ソリ、プレイヤーの傾き、水平の保持の不確かさ、こうした全てが重力をたよりにしたスタティック・バランス型では裏目に出てしまう。針圧を加えんと、カウンター・ウエイトをずらして水平バランスをくずした時から、このウイーク・ポイントに常に脅かされることになるというわけだ。アーム自体の水平バランスを完全にとった上で、スプリングによる針庄加圧をするダイナミック・バランス方式こそ理想だ。プレイヤーをほんの少し傾けてみたとき厳然たる事実として、それは誰にでも確かめられよう。プロフェッショナル用アームにおいて、ダイナミック・バランス型の多いのも理由がはっきりあるのだ。
 ところが、このダイナミック・バランス方式は機構として針圧加圧のためのスプリングを内蔵するが、これが実は難物だ。市販の量産品にこのタイプがない最大の理由がそれである。現実にEMTのプロ用アームにおいてもその1グラム単位のひと目盛は2m/m程度の大まかなものであるのは、スプリングの許容誤差を究めることが至難なことを示している。
 さて、FR64S開発に既に5年あるいはそれ以上を経たはずだが、今日の新型はなんと0・5g刻みで、1目盛は4m/m近くもある。つまり1gあたり8m/mはあろう。これはかつてあらゆる海外の業務用メーカーの達し得なかった領域で、そこに使われているスプリングの構度の極限をまさに一眼で表わしているといえよう。ダイナミック・バランス型の良さを承知していても実際上、製品化の難しいのは当事者たるメーカー各位がよく知っているはずで、最近になってやっと数種が国産製品化に成功したに過ぎない。その数少ないダイナミック・バランス型の中にあってFR64Sは、もっとも高精度のアームといってよい。加うるにステンレス・アームによる超低域特性の確固たる音は、価格5万5千円を補って余りある内容と知れば、誰しも納得してしまうことだろう。

サテン M-18BX

岩崎千明

週刊FM No.10(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 今まで、何回となく、こんなによくなった、というメーカーの言葉ほどには変わりばえのなかったサテンのMC型。扱いやすさの点で確かに11型になったとき格段の向上をみせて以来、もっとも大きく音の良さを獲得したのがこのM18ではないだろうか。
 少なくとも、豊かさという点で、どうしても突破れなかったサウンドはM17あたりから、かなりはっきりした変わり方で、今までにない「大らかさ」を音楽の中に加えてきている。そして、サテンでは初めてベリリウム・カンチレバーを作ったのがこのM18BX。もともと、くっきりした繊細感という点では、ひ弱な繊細感の多い国産品の中で目立った存在だったサテンだが、中域から低域にかけての力強さが、はっきりと感じられるようになったのははじめてだ。特にBXはその力強さの点では、かつてないほどの迫力を発揮してくれるのがいい。サテンの場合、針圧の許容範囲の点でクリティカルなのが弱点ともいえるが、それも次第に確実に改良されて向上を重ねてきたのも見逃せない。
 カートリッジ自体の重量の重いのは相変わらずだが、あまり極端な軽針圧用アームさえ避ければ十分に使える。ただこれに変えると必ずアームの水平バランスをとり直さねばならない手間が加わる。しかしMC型としては驚くほど出力が大きく、トランスやヘッド・アンプは不要なので手軽だ。

ソニー PS-4300

岩崎千明

週刊FM No.10(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 かつてサーボモーターで圧倒的勝利を収めたソニーがクオーツロック以来、昔の実績をとり戻さんと強力なプレイヤーをデビューさせた。PS4300はDDモーターをベースにしたフルオートマチック・プレイヤーだ。現代的な高級プレイヤーの条件ともいえる軽針圧はもはや平均的な人間の指先の感覚では扱い切れずこの数年、各社からの新型の中心はフルオート全盛となった。ソニーお得意のエレクトロニクスによるサーボがゆきとどいていて、操作ボタンさえ触れるだけのワンタッチ・エレクトロ・スウィッチ。もっともこの羽根タッチそのものが必ずしも良いことばかりではなくて、かえって動作の不確実さを招きかねないのは皮肉。ボード上面でなくケースの前に位置させて誤タッチを避けているのだが、馴れないうちはそれでも操作させる意志がなくても触れてしまうのは赤い小さなランプがちらちらとつくせいかしら。この辺が狙ってるはずのイメージをぶちこわしてるのでは……。動作はまず満点に近い正確さ。ストップさせてから実際動作にちょっと間がありすぎる気がするが、手で直接アームを動かしてもメカとしては何ら差支えない点はいい。できれば5万台ともなったら、4万円と違い実用性能本位1点ばりでなく明らかな高級感が欲しいけど無理かな。アームはまあまあ、カートリッジは使いやすいがこれも価格帯相応の程度。

サンスイ SR-525

サンスイのアナログプレーヤーSR525の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

SR525

オーレックス C-550M

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 このカートリッジは、発電方式は、MM型であるが、振動系のカンチレバーにカーボンファイバーを採用している。カンチレバーは、グラスファイバーの0・37mm径のソリッド材を使用し、針先には、オーレックスで開発したエクステンド針を使っている。このタイプは、音溝との接触が、カッティングレースのカッター針に近い、ラインコンタクトタイプで、高域の分解能が優れ、接触面積が大きいために、針先、音溝両方の摩耗が少ない特長がある。この針は、ダイヤモンドと同等の硬度をもつコランダム結晶を研磨している。

サンスイ SR-323

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 サンスイからの新しいプレーヤーシステムは、シンプルなデザインをもつ、ベルト・ドライブ方式の製品である。
 直径30.3cmのアルミ合金ダイキャスト製のターンテーブルは、重量が1.1kgあり、4極シンクロナスモーターで、ベルト・ドライブで駆動される。
 トーンアームは、実効長220mmのS字型ユニバーサル型であり、針圧は、メインウェイトを回転して印加する。トーンアームの付属機構は、ラテラルバランサーと、SMEタイプのインサイドフォースキャンセラーがある。回転軸受部分にSMEと逆方向に出たバーがバイアスカーソルで、0.5gステップで2gまで針圧対応でバイアスをかけることが可能である。付属カートリッジは、MM型で0.5ミル針付である。

デンオン SL-71D

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのフレーヤーシステムでは、DP−3700Fのように、モデルナンバーの頭文字がDPではじまる一連のシリーズが、よく知られているが、今回、発売された、新しいシステムは、モデルナンバーがSL−71Dと付けられていることからもわかるように、異なったシリーズであり、以前のベルトドライブ型プレーヤーMTP−701などの後継機種と考えられる。
 直径33・8cmのアルミダイキャスト製ターンテーブルは、その外周部分が一段落ちになっていて、この部分に、ストロボのパターンが刻まれ、プレーヤーベースの左手前にある大型のネオンランプで照明されるが回転数の確認は、容易なタイプである。
 トーンアームの下側のパネルには、操作部分が集中し、それぞれが単機能でコントロールされる方式である。実効長235mmのS字型のパイプをもつトーンアームは、スタティック・バランス型で、メインウェイトを回転して、0.1gステップで3gまで針圧を印加できる。アームに付属するアクセサリーは、インサイドフォース・キャンセラーとアームリフターがある。アームは、全体が黒で統一してあるために、カーボンファイバー製とも思いやすいが、充分な剛性を得るために、硬質アルマイト加工された結果である。付属カートリッジはJM−16は、MM型で、0.5ミル針付のものだ。
 DD方式のモーターには、アウターローター型、ACサーボモーターを使用しており、回転数の制御は、周波数検出型である。
 本機は、このクラスのプレーヤーとしては、これといって目立つ点が少なく、平均的な印象の製品だ。しかし、いわゆる音のよいプレーヤーという言葉があるが、結果として得られる音質は、かなり高級プレーヤーに匹敵するものがある。全体に、音が引締まり、力強く、とくに、中域の下から低域にかけてこのことが著しい。
 プレーヤーシステムの音の差は、よく問題にされるが、現実に機種間の差は、かなりあり、その程度は、少なくともアンプ以上である。選択にあたって、ヒアリングテストが不可欠である。

スペックス SD-909, SDT-77

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 スペックスからは、MC型のSD−909である。このカートリッジは、共振を防ぐために、カートリッジのボディに、航空機用の軽合金を使い、共振点の異なる2つの材質が共振を打ち消す構造である。
 振動系は、78・5%PCパーマロイを使った巻枠に巻いたコイル、つまり発電系と、カンチレバーの振動支点が一致するワンポイント支持方式を採用し、温度変化にたいして一定のダンピング係数を保つために、異なった性質の材料を2枚合わせてプッシュプル方式を採用している。
 SD−909は、MC型で、精密な作業をおこなうために、少数生産でつくられ、一日に21個しかつくれないとのことだ。
 SD−909などの低出力MC型カートリッジの昇圧用トランスとして、スペックスでは、SDT−77が用意されている。このトランスは、SDT−180newのトランス本体をベースとし、より使いやすくよりスペースをとらない小型にするために、かずかずの改良が加えられている。
 この種の昇圧トランスは、入力インピーダンスのマッチングを、切替によっておこなうのが一般的であるが、ここでは、切替不要の独得のトランス設計により、2〜50Ωのインピーダンス範囲では、切替なしで使用できるとのことである。
 SD−909を、SDT−77をペアにして使ってみる。従来からも、スペックスのMC型カートリッジは、音色が明るく、力強い音を特長としていたが、SD−909は、この系統を受継ぎながら、さらに、音の密度が高くなり太い線も表現できるMC型としてユニークであると思う。

サテン M-18E

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 サテンのカートリッジは、もっとも古いモノーラル用のモデルであるM−1以来、独自のポリシーのもとに、鉄芯を使用せず、ステップアップトランスも不要な、高出力MC型一途に、製品を送り出している。
 最近では、久しぶりに沈黙を破って、M−117を発表したが、今回の新製品、M−18は、M−117をベースとして発展させたモデルではなく、逆に、M−117のプロトタイプとして、M−117に先だって開発されたモデルである。
 サテンのムービングコイルは、三角形に巻かれているために、いわゆる、オムスビ型をしたスパイラル巻きであるが、M−18、M、117ともにダ円形のスパイラル巻に変更され、コイルが磁束を切る有効率が1/3から1/2に増し、M−117でも、質量は1/2と半減している。
 新シリーズは、カンチレバーの支持方法が、従来のテンションワイヤーによるものから、二枚の板バネとテンションワイヤーを組み合わせたタイプに変わり、カンチレバーは、二枚の板バネとテンションワイヤーの中心線の交点を支点として支持されるため支点は厳密に一点である。これにより、従来は不可避であったカンチレバーの軸方向まわりの回転運動がなくなったことが、新しい支持方式の大きなメリットである。また、コイルを保持し、カンチレバーの動きをコイルに伝えるアーマチュアも、大幅な改良が加えられ、50μの厚みのベリリュウム銅でつくったアーマチュアとコイルとの結合部がループ状になっており、電磁制動が有効に使えるタイプになっている。
 サテンのMC型は、針交換が可能なことも、忘れてはならない特長である。新シリーズは、交換針を本体に取付ける方法が、従来のバネによるものから、MC型が必要とする磁石の磁力によって交換針を保持する方式に変わった。
 M−18は、M−117の高級機であるために、精度が一段と高まり、ムービングコイルが、さらに軽量化されている。M−18シリーズは、4モデルあり、0.5ミル針付のM−18、ダ円針付のM−18E、0.1×2.5ミル・コニック針付のM−18Xと、コニック針付で、カンチレバーにベリリュウムを使ったM−18BXがある。
 試聴したのは、M−18シリーズのスタンダードとも考えられる、M−18Eである。MM型では、負荷抵抗による音の変化は、ほぼ、常識となっているが、MC型でも、変わり方が異なるとはいえ、負荷抵抗によって、音量が変化し、出力電圧も変化する。サテンでは、負荷抵抗として30Ω〜300Ωを推奨しているが、50kΩでも可とのこともあって試聴は、一般のカートリッジと同様に50kΩでおこなうことにした。
 M−18Eで、もっとも大きな特長は、聴感上のSN比がよく、スクラッチノイズが、他のカートリッジとくらべて、明らかに異なった性質のものであることだ。M−18の音は、文字で表現することは難しく、周波数帯域とか、バランスといった聴き方をするかぎり、ナチュラルであり、問題にすべき点は見出せない。ただ、いい方を変えれば、いわゆるレコードらしくない音であり、例えば、未処理のオリジナルテープの音と似ているといってもよい。他のカートリッジであれば、レコード以後のことだけを考えていればよいが、M−18Eでは、レコード以前の、いわば、オーディオファンにとっては見てはならぬ領域を見てしまったような錯覚をさえ感じる。この音は、誰しも、素晴らしい音として認めるが、使う人によって好むか好まざるかはわかれるだろう。

マイクロ MD-7, MD-1000

マイクロのターンテーブルMD7、MD1000の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

MD7

エクセル ES-70S typeII, ES-70SH typeII, ES-70E typeII, ES-70EX typeII, ES-70EX, ES-801

エクセルのカートリッジES-70S typeII、ES-70SH typeII、ES-70E typeII、ES-70EX typeII、ES-70EX、トーンアームES-801の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

ES801

ソナス Blue Label, Red Label, Green Label, セシルワッツ DISC PREENER, DUST BUG, Hi-Fi PRASTAT MK4

ソナスのカートリッジBlue Label、Red Label、Green Label、セシルワッツのレコードクリーナーDISC PREENER、DUST BUG、Hi-Fi PRASTAT MK4の広告(輸入元:今井商事)
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

Watts

ダイナベクター OMC-38

ダイナベクターのカートリッジOMC38の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

OMC38

テクニクス EPA-101L, EPA-102L, EPA-121L, PLUSARM-101T, PLUSARM-102T, PLUSARM-121T, EPC-205C-II, EPC-205C-IIL, EPC-205C-IIH, EPC-405C, EPC-440C

テクニクスのトーンアームEPA101L、EPA102L、EPA121L、PLUSARM101T、PLUSARM102T、PLUSARM121T、カートリッジEPC205C-II、EPC205C-IIL、EPC205C-IIH、EPC405C、EPC440Cの広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

Technics

ビクター TT-101

ビクターのターンテーブルTT101の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

TT101

オーディオクラフト AC-10E

オーディオクラフトのカートリッジAC10Eの広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

AC10E

ヤマハ YP-600

ヤマハのアナログプレーヤーYP600の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

YP600

ピカリング XUV/4500Q, OA3, ミルティ Pixall, ゼロスタット ZEROSTAT

ピカリングのカートリッジXUV/4500Q、ヘッドフォンOA3、ピクソールのレコードクリーナーPixall、ゼロスタットのレコードクリーナーZEROSTATの広告(輸入元:東志)
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

TOSY

ヤマハ YP-800

ヤマハのアナログプレーヤーYP800の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

ヤマハ2

シュアー SHG-2

シュアーの針圧計SFG2の広告(輸入元:バルコム)
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

SFG2

テクニクス SL-1100, SL-1200, SL-1300, SL-1350, SL-1500, SL-55, SL-110, SL-120, SP-10MKII, SP-12

テクニクスのアナログプレーヤーSL1100、SL1200、SL1300、SL1350、SL1500、SL55、ターンテーブルSL110、SL120、SP10MKII、SP12の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

SP10MKII

レジナミック KT-1000, KV-2000, KD-3000, KP-4000

レジナミックのプレーヤーベースKT-1000、KV-2000、KD-3000、KP-4000の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

Resinamic