井上卓也
ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より
巻枠に磁芯を使わない純粋のMC型カートリッジとして登場したFR1、それを改良したFR1MK2を経て、さらに一段と発展したFRのトップモデルがFR1MK3だ。
発言方式は、かつての米フェアチャイルドやグラドの発展型ともいうべき、FRの独自のタイプである。柔らかく、粒立ちの細やかな音である。やや大人っぽい完成度の高さが魅力であるが、性質がニュートラルで、音の輪郭を正確に画き、素直に反応するスムーズさはこのカートリッジならではのものがある。
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